chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

冷戦の終焉からポスト・アメリカの世界へ

下の動画はファリード・ザカリア氏のハーバード大学ケネディスクールでの講演(2018年4月)です。ケネディ・スクールは外交政策を専門とする大学院。ザカリア氏はここでPh.D(博士号)を取得し、現在CNNの日曜午前9時に"ザカリアGPS"という時事解説番組のホスト及びワシントン・ポスト紙のコラムニストとしてメディアで活躍している米国の著名な外交専門家です。彼がキッシンジャーの弟子という事実から旧共和党系です。"旧"と書いたのは今日の世界情勢の変遷、及びトランプの共和党乗っ取りでかっての共和党のスタンス"自由経済の拡大&政府規制の縮小"はもはや過去のものと考えられているからです。

 

ファリードという彼の名前からも察せられるようにイスラム教家族出身のようです。18歳でインドのボンベイからイェール大に奨学金留学したと自己紹介しています。このザカリア氏の冷戦レジームの終焉からグローバリゼーション、そのバックラッシュ(反動   or つけ)としてのアメリカ・スーパーパワーの後退、という経済外交分析は米のメインストリーム(正統派)視点として広く受け入れられています。彼のプレゼンしているいくつかのプロブレマティックな視点は今日の米政府の外交政策に反映されているのが理解できると思います。講演自体は正味30分であとは質疑応答でした。彼のトーキングポイントは驚くほど明瞭なのに内容はかなり難解に私には感じられました。

 

司会を担当した有名な元保守コメンテーターも、ザカリア氏はノートもなく手ぶらで講演した、と最後に驚いていました。しかし実はザカリア氏は約一年前にスタンフォード大で講演しており、それもユーチューブに掲載されていますが、ほぼ同じような内容でジョークまで同じでした。しかしこのハーバード版の方がよく整理されているという印象を受けました。

 https://www.youtube.com/watch?v=ZvwglFKGw_E&t=2438s

 


Fareed Zakaria

下は拙メモ代わりの簡単な要約です。あくまで彼のスタンスからです。

 

30年前にベルリンの壁が落ち、ソ連が崩壊、冷戦は終わった。その頃から現在までの25年間、経済及び国際政治に3点の大きな変遷が起こっている。

#1コミュニケーション革命。ザカリア氏の母国インドでは1974年にTVが放送開始されたが娯楽番組は週一回、古いBollywood映画や20年前に大人気を得た米コメディ"I Love Lucy"30分の再放送のみだった。この例からもいかにインドは情報的に欧米先進国から孤立していたかわかるはずだ。しかしインドはその他大勢の国々の一国にしか過ぎなかった。それらの国々は西側の自由交易に参加する意思がなく高い関税で外国からの物品・サービスを阻止、国内通貨のみ、で世界から孤立した存在、そのほとんどが独裁国であったからだ。

それがインドではベータマックスの普及でやっと米国のドラマがほぼ同時期に見れるようになった。それらは米国から送られてきたテープをもとにした海賊版ではっきり見えるようなしろものではなかった。それでも米のガラス張りの高層ビルの立ち並ぶ大都市や車中心の社会の様子が知られ、大人気だった。その後サテライト放送の普及、インターネット、スマートフォン、とテクノロジーの大発展で世界の情報がフリーで同時に手に入るようになった。

1990年のイラクのクウェート占領で慌てふためいたサウジはただちに情報箝口令を出した。クウェートから車でわずか30分のサウジでは人々は一週間もそのニュースを知らなかったわけだ。だからこの時期では政府による情報コントロールは当然であった。クーデタでは反乱軍はまず大統領官邸、次にTV局を占拠するのが常套手段だった。

しかし2016年のトルコのクーデタではクーデタの現場の様子がフェイスブックで伝えられ、逃亡中のエルドアン大統領はアップルのi phoneでトルコ市民と国際社会に軍事クーデタの違法性を訴えた。クーデタは未遂に終わったが、SNSの社会的役割の重要性が大きく認識された。実はこの情報革命は冷戦後のグローバリゼーションと手に手を取って発展してきた。

 

#2 冷戦終結後のグローバリゼーション

1990年代の冷戦終結前は世界は2陣営に分かれ、その傘下、各国は孤立していた。自由経済を前提とする国際交易システムに参加していた西側は欧米12国と日本・韓国などのアジア4国のみだった。それが冷戦終結後のグローバリゼーションで世界の国が自由経済・交易に参加するようになった。その恩恵は大きかった。

経済成長率3%以上の国は1970年では30国そこそこだったがソ連崩壊後の経済拡張により2007年までに125国、今日では85国が少なくとも年間3%の成長を続けている。つまりグローバリゼーションは世界の大多数を飢えから引き上げることに成功したと言える。

#3は世界唯一のスーパーパワーになった米の後退

冷戦終結後、米は世界で唯一の軍事経済スーパーパワーとなった。要するに世界の安全保障が米の肩にかかってきたのだ。これまでの米ソ軍事力競争がなくなり、緊張が溶け世界の平和が推進され、米国の下で世界は安定したかのような状態に見えた。その結果世界全体はこれまでとは比べ物にならないほどコミュニケーションが発展拡大、自由交易で人々の生活水準が上がった。しかし同時期には米国ではグローバリゼーションのバックラッシュ(つけ)が自国経済の問題として現れた。

1945年から米国は景気不景気サイクルを繰り返していた。不景気の後は6カ月で失業率が回復、再び好景気に戻っていたのが、1990年代には失業率回復が15カ月に延び、2000年代には29カ月、2008のリーマンショックでは64カ月もかかってしまった。この為職場とそれにマッチする賃金を永久に失った労働者が増大することになった。原因はスーパー低賃金の中国が米の製造工場となったからだ。また、テクノロジー革命で多くのデスクジョブも消えてしまった。

安いキャピタルを求めて中国は世界中に非常に人気がある。しかし中国の経済は共産主義政府に完全にコントロールされ、自国の利益を異常な規制で追求している。これは1990年代の米側の希望的観測、中国の政治経済の民主化、を全く打ち壊す動きだ。中国はグーグル、フェイスブック、アマゾンなどのインターネットの米大手の上陸を全面阻止。外資銀行に中国パートナーを強制し、外資側はこれを中国進出のにかけられた税だとみなしている。中国内の外資系製造会社はテクノロジー共有を強制され、同じ製品が中国内のどこかで生産されても文句も言えなくなる。このような摩擦はブッシュ、オバマ、トランプへと引き継がれ、トランプは正面からの関税戦争に撃って出た。ザカリア氏はむしろオバマのTPPを支持している。オバマの意図は中国を自由経済に導いていくことだった。

 

一方、米はイラク出兵で政策的に大失敗をした。勇み足でフセインを倒した事が中東全体を政治的不安定に陥れた。その後米は軍事的後退が政策となったようだ。ザカリア氏は米国が世界のスーパーパワーであることに疲れたのも一因である、と述べていた。かって冷戦中は世界の紛争は米ソの代理戦争とみなされていた。しかし冷戦後紛争国は反米をかかげるようになってきた。その隙間をぬってロシアやイラン等の軍事独裁国の抬頭である。だからトランプのように国内経済にこそ目を向けるべきだという政治家が現れるのも当然である。

 

しかし米の軍事的後退は力のバキュームを生み出す。アラブの春で独裁者が倒れるとその後に来たのは民主化ではなく混乱と内戦だ。現在中東ではロシアも含めて複数の勢力が内戦に介入している。もともと中国は最初から軍事的独立を維持しているが、米の世界的後退で独裁的傾向がいっそう顕著になってきた。ザカリア氏は米の軍事的後退による独裁国家との軋轢は今後20年続くのではないか、と予測している。これは世界へのチャレンジだ、とも述べている。

最期に#4として移民の増大を付け加えていた。

グローバリゼーションが進むとヨーロッパ、アメリカに移民が集中するようになった。だからこれからは米でも移民をうまく対処することが必要である。その為に重要なのは、リーダーシップである。自由を尊重する社会では有能なリーダーを見つける事が大切なのだ。ドイツのメルケルやフランスのマクロンのように上手に対処し、ハイスタンダードな自由社会を維持できるリーダーは必ず出てくる。

 

以上が私の要約だが、誤解もあるのではないかと思う。ぜひ知らせていただければありがたい、と思っています。

 

"この9月にCNN"ザカリアGPS"でウクライナのゼレンスキ大統領のインタビューを放送する予定だったのだが、突然キャンセルされた、実はそのインタビューでウクライ大統領はバイデン汚職の捜査開始を宣言することになっていたそうだ"これはつい最近ザカリア氏によって暴露されたのだが、ザカリア氏はこの件については事前に知らされていなかった、と番組中に述べていた。

 

 

 

 

トランプのアメリカ:辞めろトランプの声あがる


Crowd Chants "Lock Him Up" At Trump During World Series Game 5

 

ハロウィーン・サンクスギビング、クリスマス、ハッピーニューイヤーと三段跳びで毎日が過ぎて行くのがこの時期だ。もうこの時点からクリスマスプレゼントをオーダーしておいた方が無難です。オーダーする先はアマゾンです。ショッピングに行くのが面倒くさい。時代は変わりました。

 

相変わらずトランプ情勢もスピード回転をし続けていますが、かなり先が見えてきたように見える。だがしかしこの先、いや来週早々にもまた何かが起きそうだ、と皆覚悟の上だ。

米時間の10月26日の土曜日の朝、トランプはTVを通じて、米陸軍の特殊部隊デルタフォースがISIS最高指導者だったバグダディ師の隠れ家を急襲、バグダディは自爆したと発表した。トランプと彼の高官達は同時中継を見たそうだが、トランプによれば、バグダディはドンつまりの地下道に三人の子供と逃げ込み、犬に吠えつかれ恐怖のあまり泣き叫びながら身に着けていた爆弾チョッキで自爆、負け犬のように死んだ、というのだ。15分後に飛び散った身体の破片を収集し一時間後にDNAで本人と確定という説明も非常に血なまぐさい。しかしすべて自分の手柄だというお決まりの自画自賛がなかったのには驚かされた。

 

それに対してフェイクニュース側は大統領の見たビデオにはバクダディの最期が映されていたのか、と口を揃えて疑問を投げかけた。その後も軍の中にも誰もバグダディの最期を目撃した人は現れていない。大体自殺覚悟の人が実行寸前に泣き叫ぶというのもどこか辻褄が合わない。また虚言か、と見られている。

 

確かにバグダディは国際法廷でも有罪になるだろうが、3人の子供が道ずれになったのは酷い事だと誰でも思わざるを得ない。

トランプはさらに米軍はクルド地域にある石油を確保している、クルド側との話し合いもついている、トルコとクルドの対立は彼らの問題で彼らに好きなようにやらせるがよい、と暴言。これには、金が確保できればそこの住人の命や生活はどうでもいいのか?と米市民を呆れさせている。

 

これですっかり気をよくしたトランプ一行は翌日地元ワシントンで米ナンバー1を決めるワールドシリーズのゲーム#5に出かけたのだが、上はその時の動画。

デラックス観覧室に入ったトランプ一行の姿が休場の大型スクリーンに映った途端、観客からの大ブーイング、すぐに"Lock Him Up!"(トランプを監獄にぶちこめ)の大合唱に変わった。その後のシーンはあの有名な"Take me out to the Ball Game " の替え歌

だがこれは修正してくっつけたもので本物ではないようだ。

 

替え歌の歌詞は、かなりキツイ

大統領室から出ていけ、そうしないと引きずり出すぞ

トランプ・ステーキや二流ホテルに帰れ

トランプ・ジュニアとエリックも一緒に連れてってくれ

私達は弾劾支持、あんたは一期で充分

恥を知れ!

 

"トランプジュニアとエリック"はトランプの息子達だが、かっての懐かしの大ヒット映画 "Dumb and Dumber"(バカと阿呆)の主人公コンビにたとえられている。トランプが後継者に娘婿クシュナーを選んだ理由がわかるはずだ。

 

動画のトランプの顔のコワバリようがすさまじい。

このブーイングについて、フェイクニュース側のある有名キャスターはトランプと同じように下品になるのはやめようと呼びかけていたが、彼以外の他のニュースキャスター達は当然の報い、と言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A Happy Halloween 2019

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今日はハロウィーンです。上のはカボチャを繰り抜いたランタン。拙愚孫共が昨日寝るのも忘れて作っておりました。

しかし、奴らはこのあたりで仮装してキャンディーのおねだりに歩き回ることは絶対にしない事になっているのです。

奴らは大通りを渡った金持ちの居住区を一軒一軒回るのだそうです。それで私がこのランタンどうするのか?と聞くとキョトンとした様子。

拙住居のある貧困地区では怖ろしがって誰もこない、というのです。そういえばここに引っ越してきて一人暮らしをしていたこともありここではハロウィーンをしたことがないことを思い出しました。

 

それで拙愚孫共が母親の車で"トリック・オア・トリート"に出かけた間に私は勝手にポーチにランタンをともしたわけです。

今晩やってきたのは3人ずつ、2台の車だけ。それで6人にキャンディーをやりました。

それだけでした。このあたりは子供の一人歩きをしてはいけない地区だそうです。何でもムショ帰りや性犯罪者が多く住んでいるとか。

このJack-O-Lantern、 写真にとるとなかなか傑作ではありませんか?

 

 

 

 

 

トランプのアメリカ:バイデン汚職の真実性!?

トランプ側の強硬な非難にさらされたバイデン大統領候補と息子ハンターの汚職疑惑のもとネタとなっているのが、ピーター・シュバイツァーによる"Secret  Empires" 2018だといっても間違いないだろう。著者は2015年に"クリントン・キャッシュ"を出版、これは超ベストセラーになった。この波に乗じてドキュ映画も作られ、"  Money Grubbing Hilary" =金掴みヒラリー、というヒラリーを嘲笑するトランプの呼び名はこれに由来。FBIはクリントン財団の調査に乗り出し、この本とドキュは クリントン敗北の原因の一つとみなされている。日本語訳あり。ドキュメンタリーの方はYouTube英字幕でフリーでご覧できます。

私は拙ブログで取り上げた事もあり、"Secret Empires "をさっと一読してみました。この本の日本語訳はないよう?です。 

下の動画ではトランプ派のフォックスTVキャスターであるハニティ氏が著者と本を紹介しています。この" Secret empires"も2018年のベストセラーだった。

 https://www.youtube.com/watch?v=mo3LpGOFIAY&t=238s

 


Peter Schweizer on exposing Obama-era corruption in new book

著者シュバイツァー氏は汚職は人間心理の問題であり、民主・共和を問わない。かっては金を受け取るのは本人だったが、法規制が厳しくなった今日、太子党絡みの代理汚職(=corruption by proxy)が横行するようになった。バイデン汚職はその典型とまで彼は言い切っている。そこがトランプの心をがっちり掴んだ。 

 

この本にはオバマ時代からトランプまでの大統領及び政府高官トップの外国政府関連汚職疑惑またはニアミスが列挙されている。

バイデンの部分は全体の約1/5を占めるのみ。しかしこの本の内容自体が専門語で凝縮されているので一般読者にはかなり難解ではないかと思われる。著書は特にバイデン親子を犯罪者扱いしている。理由は中国から流れ込んだ金額の違いだそうだ。内容からして、トランプの太子党、クシュナーの方が同等かそれ以上に犯罪人候補にふさわしい。そのあたりが政治的バイアスだと見なされても仕方がない。

以下は彼のスタンスに立った拙スーパー要約。

この本の目的は近年目立つようになった大統領を含む米政府高官の太子党(=princelings)を使った外国政府の汚職阻止目的の立法化を実現することだ。

従来の外国政府汚職阻止法では外国政府の高官子弟を現地で雇用し優遇することを禁じている。しかし米国内法では米政府高官の成人子弟が外国政府からの金銭享受と関連するような親に便宜をはかってもらう事に関して公開しなければならないという規定がない。それが法の抜け口となり、バイデン、ケリーの太子党を巻き込んだ汚職が起こった。

オバマ政権の国務長官ケリーの義理息子、クリス・ハインツはハインツ財閥の運営管理をしている。イェール時代の友人デボン・アーチャーはケリーの選挙参謀でもあったことからケリーに近かった。ハンター・バイデンはイェール大出の弁護士でビジネス界でのキャリアを追求。三人共にハインツホールディングスを運営していたが、オバマ政権の成立とほぼ同時に彼らはハインツの外郭団体としてローズモント・セネカという投資コンサルティング会社を設立した。彼ら3人はオバマ政権の外交政策を後追いする形で外国向け投資ビジネスを拡張していった。彼らの大きなブレイクは2013年にハンターがエアフォース2で父バイデンと共に中国を訪問、帰国後10日目に中国政府から中国内に中国系との合同投資会社設立を許可され、中国銀行から15憶ドルという巨額な投資金を得たことだった。

中国は共産資本主義国、すべてのビジネス組織は共産党の指導化にある。だから彼らの中国系会社は成功を保証されたようなもの。予想通り彼らのビジネスは拡大を続けた。

だが中国側の見返りは何だったのか?中国の覇権政策はオバマ政権と真っ向から対立。それにも関わらす。彼らの設立した合同投資会社は中国政府の国益に連結する会社を直接、間接的に買収、その中にはコンゴの鉱山権取得目的のものや、米国内での不動産取得目的のもの、それから米国の軍事機密を盗み取る会社があった。高官の子弟が直接間接に関わっていれば、捜査も規制もしにくくなるのは当然だ。

 

2014年、ウクライナ財政再建のポイントマンがバイデンになると、ローズモント・セネカの目はウクライナに向けられた。

ウクライナガスという親ロシアのオリガルヒ(財閥)と元親ロシア政府環境大臣が創設したナチュラルガス製造会社に役員として就任したのは、デボン・アーチャー。次にハンター・バイデンが続いて就任。クリス・ハインツは加わらなかった。

ロシアから独立以来ウクライナ経済はオリガルヒに牛耳られ、汚職が蔓延し、それが政変後も全く変わらない。

例えば、ウクライナガスはウクライナ最大のガス製造会社だが、欧米のようなアセットを確認明記したバランスシートや収入報告書もない、もちろん法的会計監査もない。そこの経営者オリガルヒはウクライナの主要銀行まで握っていて、そこでは一般の預金が架空のローンとなって出ていくという出鱈目ぶりだったそうだ。同様に欧米の資金援助金は架空の材料購入費としてこの銀行をスルー。当然金の行方は分からない。

ハンターのコンサルティング会社はいわば汚職の根源であるウクライナガスを透明化し欧米から資本を集めるのが名目だったのだが、事実はケリー、バイデンという名を盾に政変後の汚職捜査をかわすのが真の目的だった。だからバイデンはオバマ任期終焉の前、2016年にウクライナを訪問、検事総長を辞めさせ、事実上彼ら親子の汚職捜査を辞めさせた。(これについては異論あり。)

しかし著者はハンターの報酬金額については公表されていないので分からない、と書いている。成人した太子党には問題ありの報酬を公表する義務は法的にないからだそうだ。

 

以上がバイデンに金が渡った、汚職だ、"バイデンINC"だと著者が主張する根拠だが、読んでお分かりのように息子から親への金の流れが見えないのだ。金がバイデンに渡った経路は全く不明。バイデンは個人収入を公開し連邦税を払っている。 

しかもこれはバイデンというよりケリーも同等かまたはそれ以上の責任があるのではないか、という疑問が出て来るのも当然。ケリーの妻の実家ハインツ財閥の後援無しには事態はここまで進まなかったはずだ。

ところでローズモント・セネカのパートナー兼友人だったデボン・アーチャーは2016年にウクライナガスの役員を辞任。理由は彼自身がコマンチ・インディアン居留地の債権発行詐欺一味として検察に起訴されたからだった。しかし彼は去年2018年に一旦有罪から無罪となった、彼の他は有罪で刑務所送りになったにも関わらず。

アーチャー氏やハンターの散財ぶりはメディアでいろいろとおもしろおかしく書かれているが、それがどこまで真実なのかどうかは疑問。

 

拙印象:著者の広大なリサーチには脱帽するが、内容はかなり雑。金の流れが途中で途絶え、後は想像力で汚職犯罪者とバイデン親子を決め付けることはこの内容では説得力に欠ける。しかしトランプはこれをまともに信じ込み、バイデン汚職捜査に乗り出す姿勢を世界に公表するようウクライナに脅迫だ。本の力、\(^o^)/!

 

しかし私は著者の主張する太子党汚職阻止の立法化には200%賛成だ。バイデン汚職についてはバイデンが大統領になれば必ず浮上し議論が蒸し返されると予想している。汚職が本当ならばどこからかリークが出てくるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トランプのアメリカ:コメント&米政界がカオスに!

以下のコメント、ありがとう。 

 ハイデンの件、興味深く読ませていただきました。「個人のビジネスなので内容とか報酬は公開する必要がない」と言ったのだから、「法的にも倫理的にも何も悪い事はしていない」と断言する自由は無いと思います。
子の関係は「自分を擁護してくれなくてもよい、ただ愛してくれるだけでよい」の関係ですから、金の流れが今まで無かったことが、父の潔癖を証明するものではないと思います。

 

昨日10月17日は米政界がカオスに陥った日でした。その翌日にあたる今日も余震が続いている。このカオスについては果たしてカオス大好きのトランプが意図的に起こしたのか、それとも彼自身もコントロールを失っているのか、ちょっと見分けがつかない。

 

前回のハンター・バイデンのインタビューもカオスの余波に呑み込まれ今や立ち消え状態というのが正直なところだ。

事実はハンターのインタビューはどちら側からも評判がよくなかった。トランプ側のコメントには彼を"クラックヘッド"、つまりコケイン依存症患者=情緒不安定で信頼性ゼロ、とバカにするのが多かったし、反抗的態度で汚職を否定し逆効果なのではないか、というもの目立った。

バイデン側に証拠がない、と言われているのは、彼は収入を申告していることだろう。バイデンもオバマ大統領と共に年収及び税金申告を公開していた。しかしトランプだけは公開を拒否し只今裁判中。

税率からすればウクライナガスからのサラリーには50%前後の連邦税がかかっているはず。

インタビューには全く出てこないが、2016年頃、バイデン副大統領は金銭的に困っていたそうだ。理由は脳腫瘍で亡くなった長男の医療費だった。バイデン氏は自邸を担保にして金を返そうかとオバマ大統領に話していた、と伝えられている。またその頃離婚した息子ハンター氏の妻が、離婚の理由としてハンター氏の金使いの荒さをあげている。バイデン副大統領は2016大統領選を出馬辞退している。まさかではあるまいが裏金が医療費に流れたのなら、むしろ同情を誘う。米国の医療水準は高いが医療保険は部分的にしかカバーしないのだ。拙者のごとき巷の一市民には無い金は払えない、と開き直るところだが、バイデン副大統領ならたとえ息子一家の負債であってもそうはいかないはずだ。そういう点からみると、彼は本当に潔白な人だと思われる。

 

しかし、ウクライナ疑惑関連の大物外交官達が下院で次々と証言を続け、その概要がワシントンポストなどの大新聞にリークされているということから、トランプのバイデン汚職疑惑も含めて、かなりの真相が近い将来明らかにされると予想される。

 

下のフォトはトランプによってツィートされた。

この衝突はカオスの日の前日に起こった。

下院では2党が連立、大多数でトルコへの経済制裁を可決、その後議員グループがトランプと会談した。トランプ側はのっけにあの物笑いの種になったトルコ大統領への手紙を全員に配った。この手紙はトルコのシリア侵入後の10月9日付け。トルコ大統領は目を通した後ゴミ箱に捨てたと伝えられている。その後のトランプの対応はけんもほろろ。ペロシ議長が、全ての道はプーチンに繋がる、と言った途端、トランプはキレた。彼女を、三流政治家とやり返し、ペロシ議長は立ち上がって、あなたの無礼に我慢できないので退席する、とトランプ言った瞬間がこれだそうだが?

 

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トランプにツィートされる

" melt down" はストレスが嵩じてアブノーマルな言動に走る精神疾患症状であるが、一般語化している。日本の記事では"激高"と訳されていた。この単語はペロシ議長が最初に"トランプのメルトダウン"として報道記者会見で使ったのだが、トランプはツィートで乗っ取った。このミーティングは非公開。フォトは政府のカメラマンが記録の為に撮影したショットの一枚だそうだ。

 

翌日、カオスはまず、

>民主党の政府監視委員会の議長だったエリジャ・カミングス氏の突然の死報から始まった。アフリカ系のカミングス氏は下院の反トランプの中心人物。

ところでたった2カ月前に、トランプはカミングス議員をツィートで大攻撃。

彼の代表するボルチモア市はどぶ鼠とゴキブリの巣、貧乏人を長年喰いものにしてきたトンデモ議員のせいだ!とトランプは彼をツィートで突然こき下ろしたのがきっかけでボルチモア論争になった。ところが、このボルチモア市に低所得者向けのアパートを大々的に経営しているのが婿のクシュナー所有の会社だとフェイクニュースがブレイクした。しかもそのアパートはネズミやゴキブリが蔓延しているという住民の苦情が喰い返し報道されたのだが、今日これを憶えている人は果たしてどれくらいいるのだろう?

 

>その朝は、1憶ドルでEU大使を買ったホテル王サンドランド氏の下院喚問。この人はヨバノビッチ元ウクライナ大使よりもっと長い声明文を公開。この中で、合衆国外交官として間違っているのは分かっていたが、トランプ大統領に命令されて選択の余地なく片棒を担いだ、とまず告白。ヨバノビッチ元大使が更迭された後キエフに乗り込み、トランプの命令でジュリアーニ元NY市長の指揮下、汚職対策の名目でジュリアーニ氏とウクライナ新政権との接触を図った。しかし"汚職"の意味がトランプにとっては"バイデン汚職"であるのを知らなかった、と言い訳をしている。彼の証言内容は未だに未公開。

 

>午後、トランプ大統領はシリア5日間休戦を発表してこれで誰もがハッピーになったと大はしゃぎ。トルコのシリア侵入で米兵士は一人も死者が出ていない、私は歴史上どの大統領も出来なかった偉業を成し遂げた、といつもの自画自賛の境地に達していた。

しかし真実はトルコとトランプとの間での合意で5日の間にクルド人にクルド族居住地であるトルコ占領地域から武器を捨てれば退去させてやる、という内容だと報道され、共和党の中からも、恩を仇で返すのか!これがアメリカのすることか!という声が上がり始めた。ISISとの戦闘で米軍は4人の死者を出したがクルド軍には11万人近くの死傷者が出た。しかしトランプはクルド人はノルマンデーに参加しなかったので米側には何の借りもない、と宣言している。戦闘停止中の今日も戦闘は続いているそうだ。

 

>トランプの臨時官房長官のミック・マルベニーが珍しく報道会見をおこない、カミングス議員の死に深い追悼の意を表した直後に、ウクライナ大統領との電話の真相はトランプが政治的圧力をかけてウクライナ政府に捜査をさせるのが目的だったと発表。これには詰めかけたフェイクニュース記者団も唖然。しかし、彼は”そんなことはあんた達もとっくに分かってるはず!(=Get Over It!)と質問を一喝。

>その次、来年のG7はフロリダのトランプ・リゾート・ホテルで開催すると発表!これ、外国人から金銭享受は憲法で禁じられているのじゃないか、とたちまち突っ込まれた。それに夏のフロリダは暑すぎて観光客の足も遠のく。しかもこのリゾートは経営不振だと言われている。

 

>その上、6時間後の夜遅くに、あのマルベニ氏の報道会見は誤解されてしまったのであれはなかったことにする、というわけの分からないホワイトハウスからの文書が伝達公開!

 

上のように米政治は超スピードで回転を続けている。一体いつ終わりが来るのか?当然ながら知りたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トランプのアメリカ:出ました!ハンターのインタビュー

https://www.youtube.com/watch?v=IFlZPnS0gKc


Hunter Biden’s first interview on Ukraine, annotated

米時間10月15日の朝、米ABC放送でトランプの主張するバイデン汚職の張本人、バイデンの息子ハンターのインタビューが放送されました。上はその一部です。

先日のルイジアナ2020大統領選応援大集会ではトランプが、‟おーい、ハンターよ、どこに隠れてる!”と絶叫し、聴衆から受けまくっていましたが、ハンターは、隠れてなんかいない、いつもここ、カルフォルニアの自宅にいた、と笑って答えていました。

 

ハンターはトランプが汚職の核心とする2013中国銀行(国営)による巨額投資では個人的には1セントも貰っていない、完全な誤報だと主張。その直前には父バイデンと孫娘と共にエアフォース2で中国を訪問しているが、これは違法ではない、歴代の大統領、特にトランプは頻繁に家族で乗り込んでいる、弁明した。

ウクライナの件は自分のビジネスとして役員となって高額と言われる報酬を受けたが、個人のビジネスなので内容とか報酬は公開する必要がない。父とはウクライナについての内容を話したことは一度もない。

ナチュラルガスについて全く素人なのになぜ役員になれたのか?という問いには、あの会社役員のほとんどが自分程度の知識の人だった、自分はそれ以前にビジネス弁護士として過去数団体の役員を経験しているので資格については問題があるとは思わない、と答えている。

しかし、もしあなたが副大統領の息子でなかったら、(上の2件の金儲けの)機会は起こらなかったのではないか、という問いには、自分もそう思うと同意。

だが、彼は法的にも倫理的にも何も悪い事はしていない、と断言。

彼から父への金の流れは過去にワシントンポストなどのメディアによって追求されたのだが、何も出てこなかった。

ハンターは彼についての政治的非難は自分にとってはただのノイズ(雑音)だ、私は自分の人生(49歳)で"Real Stuff " (本当の苦境)をくぐり抜けてきた、今の自分の姿がその結果だ、と述べていた。

父については、自分を擁護してくれなくてもよい、ただ愛してくれるだけでよい、と。

 

日本でも"ケネディ家の悲劇"は有名だが、このバイデン家の悲劇も米国ではよく

知られている。しかしバイデンは勤労家族出身。弁護士となり、若い頃から民主党左派として政治に活躍していた。彼がデラウェア州の上院議員となる直前に妻と同乗していた3人の子供が交通事故に遭遇、妻と赤ん坊は死亡、二人の息子は重傷を負ったが生き残った。その二人がボーとハンター、一歳違いの兄弟でその後の人生の大きな違いにもかかわらず二人の関係は非常に近かった。

バイデンは上院議員を長年勤めあげた。失言つきだが稀にみる潔白な人格として尊敬されていた。当時も今も刑務所に送られた、大統領令で赦免され刑務所行きを逃れた、という政治家は驚くほど多い。そのバイデンが息子を使って汚職という疑惑をうのみにする人は当時も今も誰もいない、トランプ側を除いて。

 

バイデンの長男ボーはバイデン譲りでイラクから復員し弁護士、州検察長官を2期務め、上院議員を目指していたところ、脳腫瘍が急激に悪化、4年前になくなった。

ハンターはイェール出身のビジネス弁護士として有名な法律事務所に属して全く別の人生を歩んでいたと思われていたが、彼にはコケイン・酒中毒の経歴があり、インタビューした女性によれば70回くらいリハブを出たり入ったりと指摘され、ハンターはむっとして反論、というシーンが印象的だった。コケインや酒は脳の働きを変える、特に長期使用者は反社会的判断をするようになってしまうケースが多い。

 

ハンターは兄の死後、兄の未亡人と出来てしまい、自身も妻と離婚、世間の非難を浴びた。確かに法的には違法ではないが、一般常識のある人、特に社会的地位のある人なら自分だけでなく家族の事も考えて避けるべき事だ。

これは拙感想にしか過ぎないが、動画のハンターの印象もあまりよくないようだ。

まるで酒のきれたアル中患者のようだ、というが幾つかあった。

  

このインタビューはその日の夜に開催された民主党候補の討論会の前宣伝として報道されたという事でも話題を呼んだ。

予想されたように、バイデン候補はハンターも彼自身も潔白であることを宣言。しかしウォレン候補の優生を喰い止められなかったようだ。

この先の彼の攻勢はいかに?

 

ところでトランプのウクライナ陰謀疑惑については証人喚問で"真相"もどきが現れてきた。どうやらこの一件、この前のボルトン解任にもつながりがある可能性が。

ボルトンはトランプに直結したウクライナオペレーションのポイントマンであるジュリアーニを"手りゅう弾"と呼び、爆発すると全員が負傷する、と内部批判をしていた事がまたメディアにリーク。

 

ボルトンと言えば、トランプは、もう用無しになったので解任した、と悪意むき出しの酷いツィートを送り、ボルトンも、この先必ず真相を話すつもりだ、と報復ツイート。そのボルトンが喚問される日が近いようだ。

 

トランプのアメリカ:されど女は強し

https://www.youtube.com/watch?v=94-VsHzSgsI

 

現在もトランプ情勢は超スピードで回転中。

上の動画は米時間10月11日朝、下院に現れたヨバノビッチ元ウクライナ大使のニュース。米国公共放送によるもの。米国公共放送PBSはすべて寄付で運営されているが、ニュース解説番組にも定評がある。その他にも素晴らしいドキュメンタリー、ドラマを制作してきた。

このヨバノビッチ元ウクライナ大使は前の晩12時過ぎに国務長官ポンぺオから下院の調書作成の喚問には出席しないよう命じられたのだが、それを蹴っての堂々の登場。歩きぶりまでさっそうとしている。

トランプの脅かしに怯え、全く姿を現さなかった政府元高官、現れたが司法省の弁護士付き添いでその弁護士に"答える義務なし"と口を挟まれ答えを拒否する元高官などが現れ、憲法で規定された議会の政府監視の機能はトランプによって見事に無視された。こういう妨害行為は建国以来初めてだそうだ。

このヨバノビッチ大使はトランプ命令に従わず、身一つで現れた。それに声明文をひっさげて。

声明文では

彼女は従来の国務省の方針に従い何一つ間違った事はしていない、

去年、大使を辞めさせる陰謀があり、それが原因で更迭された。陰謀に携わった人達は米国の外交方針とは全く違う考えで行動する人々だ、と述べられている。

 

勇気という点では女性の方が凄いという印象を受けざるを得ない。

 

このヨバノビッチ大使は去年の5月にトランプによって突然呼び戻され更迭、今日まで国務省で窓際族をしている。

 

このヨバノビッチ元大使の存在がクローズアップされたのは、トランプとウクライナ大使の電話からである。トランプは、ヨバノビッチは BAD NEWS だと繰り返し中傷したうえ、だからこの人は今のような目にあっている、とウクライナ大統領に示唆。これも若い未経験のウクライナ大統領を脅かす意図だと思われる。大統領というよりマフィヤの親分だ。

この日の8時間以上にわたったヨバノビッチ証言の内容はいまだに公開されていない。

 

ところが、ヨバノビッチ喚問の前日、トランプが繰り返しウクライナ大統領ゼリンスキーにコンタクトするように要請したジュリアーニ元NY市長のビジネス同僚の2人が首都ワシントンの国際空港であるダレス空港でルフトハンザ機に乗り込む直前にFBIにより逮捕された。国外逃亡の疑惑が理由。

この逮捕された人達は米国籍だが元ソ連系。その日の昼にはトランプホテルでジュリアーニとランチを食べていた。

このケースを扱っているNY南部地区の連邦検事長は報道会見し、逮捕の理由を明らかにした。それによるとこの2人は他の仲間2人と去年トランプの支援団体に最多額を寄付。その中から下院の司法系大物議員に選挙寄付、その議員がトランプにヨバノビッチ女史の更迭要請の手紙を送った。動機はおそらくヨバノビッチ女史がトランプの要請、大統領選のライバルとなる民主党候補の汚職捜査に協力しなかったことだ、と言われている。

それに、彼らの寄付した大金の出どころはロシア系オリガルヒ(財閥)からだった。これは日本と同じく外国人から選挙寄付の受け取り禁止条項に該当する。

この先捜査がどう進展していくのか、ヨバノビッチ証言の内容とは、など政治好きの人々は興味深々ではないだろうか。しかしアメリカの半分以上は大統領が何をしようが全く関心ない人々なのだ。

 

なを、バイデン汚職疑惑ですが、政治的ネタ元はピーターシュバイツァーの"Secret Empires"2018、だと思われます。ピーターシュバイツァーについては日本でもよく知られているようです。ヒラリークリントンを汚職の台風の目のように描いた "クリントンキャッシュ"の日本語訳があります。ドキュメンタリー化した動画はYouTubeに掲載されています。CCで英字幕が出てきます。

彼の著書については賛否両論があるようです。