chuka's diary

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徴用工裁判はカンガルー法廷!?

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前回のブログで時事番組に見呆けていることを書いた。 先月の中間選挙以来トランプvs.フェイクニュースが激化している。モラー特別検察官のロシア米大統領選介入捜査の概要が今日明らかになる可能性があるというので、トランプもフェイクニュース側もテンンションが高まっている。
トランプは一期限りかまたは終了前に辞職するのではないかという憶測が流れている。事態はそれほど深刻である。日本では報道されているのかどうか?
 
ところで10月30日の韓国最高裁の徴用判決を日本国民の大多数はネガティブに受け取った。
それで韓国徴用工判決について拙感想を書くことにした。
『カンガルー法廷』というのは極東戦犯裁判を揶揄した戦後の流行語だった。その意味は、判事がカンガルーのようにピョンピョンと法的原則・判例を飛び越えて自己の都合に沿った判決をでっち上げること。メイドイン・アメリカである。革命後の人民裁判がいい例だ。徴用工裁判は戦後初の日本を裁く韓国人民法廷という印象を受けたのは拙者だけだろうか?
 
判決の根幹となっているのは、日韓併合は不合法である、という韓国最高裁による歴史判断である。従って日帝が戦時労働者を募り雇用するのは『人道に反する罪』という結論が出た。
 
日本の報道には日韓併合が不合法という判断について韓国憲法の前文に書かれている、『上海臨時政府の法統を維持し・・・』に法的根拠があると指摘していたのがあった。『上海臨時政府の法統・・・』の部分は最後に改定された1987年の韓国憲法に新たに書き加えられたらしく前回の1972年改正にも前々回にも『上海臨時政府』はなかった。だからこの部分は当時韓国の経済成長で高揚した時代の反映かも知れない。
 
ところで同じ韓国憲法の第13条には、犯罪が起きた当時に合法であれば罰されない、今日の法を当時に適用して財産を没収されない、となっている。
この13条こそ今回の最高裁の歴史解釈を防ぐ目的で書かれたのではないか、というのが拙者の意見だ。日韓併合の不法性に関しては韓国最高裁では賛成と反対が二つに分かれた。7対6で日韓併合は不法という判断に至った、ということからも憲法よりも政治的な意図が感じられる。
 
韓国側は朝鮮帝国政府と日帝政府の関係は法的対等を満たしていない、という理由から日韓併合条約の不法性を主張してきた。それは韓国憲法の上海臨時政府の法統に一致していることにもなり、今の憲法前文に沿っっている。
しかし政治的目的で100年以上も前の歴史を書き換える事はまさに隣国のアベ政権の歴史修正の試みと酷似しているように思える。アベのは国際的に嘲笑され批判されたのだが、国内ではこれを信じる人が結構多い。韓国も同様なのかも知れない。
 
さらに韓国最高裁は、1965年の日韓基本協定の前文は日韓併合条約を不法と認めていないので、この基本条約は違法、と判定。基本条約の補償に関して両国政府が一致している、という事実は飛び越えている。連合国との1952年のサンフランシスコ平和条約や日韓基本条約を戦争補償の政治的解決と認めた、韓、日、米での過去の補償請求訴訟の司法判断は韓国最高裁によって否定された。しかし違法とした日韓基本条約を最高裁が解釈し直して、慰謝料のみを新日鉄に払うよう命じた。
こまでが拙脳によるこの判決の理解である。
 
しかし韓国は三権分立であるから最高裁の判決は尊重されなければならない。新日鉄や該当(戦犯)企業及び日韓両政府は日韓基本条約に従い、即急に外交解決策を見つける必要がある。
 
これは日本と韓国のどちらが悪いかという問題ではない。
 
ネットに掲載されている最高裁判決文の日本語訳によれば原告側は約束された給料を払って貰っていないという陳述がある。給料を払わない労働は法的には奴隷労働と見なされ、人道に反する罪を構成する要因の一つである。その上、半島出身というので残虐な虐待を受けたと原告側は訴えている。
軍部に乗っ取られた日本の戦時政府は日本国民に対して人権も人道も通じない恐怖政治を行ったこと、関東大地震の際には朝鮮人大虐殺が発生したことなどを考慮に入れると、朝鮮半島からの労務者に対して人種差別を理由とした組織的虐待があったという可能性は高い。しかし新日鉄経営者側はそういう虐待に対して何の介入もしなかったようだ。原告側の受けた苦痛は金では償え切れないものがあるだろう。おかしな判決ではあるけれども慰謝料を早急に支払い、人権尊重の民主主義へのコミットメントを日韓両政府・企業共どもこれからも続けて欲しいというのが拙者の考えである。
 
政治的に追い詰められたトランプは朝鮮戦争終結を理由に米軍を半島から引揚げることも考えているだろう。彼の頭では軍事経費節約は米国経済のゲインということになるからだ。トランプはこれをワンマンショーでしたいのだが、邪魔者がいる。それが誰か、お分かりだろう。