chuka's diary

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トランプのアメリカ:モラーは耄碌(もうろく)!?

先週の大事件は何といっても米時間の7月24日(水)に行われたモラー喚問だった。
2016米大統領選挙ロシア介入事件捜査を終了したモラー特別検察官がやっと下院に初登場。午前は司法委員会、午後は情報委員会で延べ5時間以上にわたり議員の質疑応答に対応した。もちろんこれはモラー報告書が70%公開されて以来初めてであり、これが最後になる可能性もなきにしも非ず。モラー特別検察官はいわば任意出頭ではなくイヤイヤやって来たと報道された。
 
モラー特別検察官は司法省を去る日、捜査に関しては報告書を読めばわかる、と発言したように、質問者は報告書に書かれている箇所を取り上げたのがほとんどだったが、聞こえない、指摘された箇所がみつからないので戸惑い、最後は、書いて通ある通り、という答えがほとんどを占めた。
 
トランプは73歳。ボケが出ている、とこれまで散々言われてきたのだが、モラーは74歳。2年半前にモラーは特別検察官に任命されたのがその時はとっくにFBI長官をリタイヤしていた。このモラー氏は議会で60回証言したベテランであり、今回も数年前と変わらず明晰な答えが即返ってくると民主党側は期待していた。
しかし今回は全く違った。モラーの返答はスロー。耳が遠いのも原因だろうが、仕事で彼をよく知っていた人達も、まさかこうなるとは思わなかったそうだ。
 
午前8:30に時間通り公聴会が始まり、一時間後ぐらいには、FOXニュースの著名なニュース解説者である、クリス・ウォレスが、モラーの老化現象について
‟A disaster for the Dems and disaster for the reputation of Robert Mueller” 
大失敗の民主党に台無しになったロバート・モラーの評判
 
という速報を出し、この実況をみるつもりは全くない、と先に宣言していたトランプが90分後には早くも似たようなツィート。
 
 
 
 
Donald J. Trump Retweeted Michael Moore
Even Michael Moore agrees that the Dems and Mueller blew it!
Donald J. Trump added,

 
 
 
拙要約: トランプ: マイケル・ムーアでさえ、民主党とモラーの大失敗、と認めている。
 
マイケル・ムーア: 弱々しいご老体、物忘れがひどく、つっかえつっかえながら、簡単な質問さえも拒否。2017年に私が言った通りだ、今日のモラーがその証拠。政略プロ、中道派、役立たずの民主党、非の打ちどころのないモラーを信じろと大衆を説得した連中は皆今を境に黙ってろ、バカ!
 
 
マイケル・ムーアは日本でも反体制=反トランプの人として有名。しかし彼のツィートは相変わらず直情的で衝撃的。
 
 
 
 
上の動画にはモラー自身が、トランプの主張、捜査は『魔女狩り』で報告は『捏造』、を全面否定するシーンが入っている。
記者会見のシーンでは、トランプは、モラーは一度リタイヤしたFBI長官にまたなりたくてインタビューにやってきたが断った、それとビジネスで対立があり、その二つを恨んでああいうでたらめの捜査報告を書いた、と言っている。
事実はモラーはトランプに呼び出され、FBI長官に三度目になることを打診されたのだが、モラーは断った。しかし、翌日、当時の司法省代理長官がせっぱつまってモラーを特別捜査官に任命した、という話。これではトランプも怒るわけだ。
ビジネス対立とは、モラーはバージニアのトランプの高級ゴルフクラブの会員だったが、クラブを使用する機会がないので脱会したい、ついては使わなかった時期の会員費を返してくれ、という手紙をゴルフクラブ宛てに送ったが断られたということ。
 
金持ちや身分の高い(と思っている)人のほうが結構ケチくさい、ということか。
 
しかし、この質疑応答でモラーが明らかにしたことは、トランプは自分が主張するように無罪潔白ではないという事。
ロシア介入に関しては共謀罪の証拠は不十分。しかしトランプも長男ジュニアもモラー捜査に応じていない。(これについては法的証拠が充分なのでモラー側もこれ以上追求しなかった、と見なされている)。
米司法省の内規により、現大統領は告訴されない。自分の報告を元に議会で弾劾すること、または大統領でなくなった時に犯罪者として起訴することの二つのオプションがあるという事。
トランプはロシアの選挙介入オファーを利用して大統領選に勝ったという事。(仮想敵国ロシアとのコミュニケーションがあった事などから将来反逆罪の可能性も出てくる)
 
しかしトランプ弾劾については今も答えが出ていない。