chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

日本教と戦争責任コメント

以下のコメントを‟日本教と戦争責任”に頂きました。
 

人口増加と武器や農具が石器から鉄器に改良されるプロセスで、民族間の戦争が大規模になります。そこで生存するには、民族の英雄の出現とその英雄による統制のとれた戦いが必要だと思います。その後、大きくなった民族を率いるには、複数の指導者による組織が必要になります。それを束ねるのは、民族の決意と知恵の集積である聖典だと思います。一神教の出現は、その時期であり、その民族の初期の英雄が神として聖典に出現します。それは極めて自然なことだと思います。
民族や国家が更に大きくなれば、悲惨な大規模戦争になりますが、それを束ねる聖典も改訂が必要だと思います。民族が国家としての生き残る背景には、そのような聖典の改訂と巨大化があるように思います。日本が巨大化に失敗したのは、そのような歴史を踏まなかったからだと思います。 削除

 
コメント中の聖典とは旧約だと想定して以下を書きました。
BC600代にバビロン捕囚から帰還を許されたユダヤ人集団はそれ以後ペルシア・マケドニア・ローマに支配され続け、反乱を頻繁に起こしたが、支配国交代の短期間を除いてはユダヤ人の独立はなかった。この時期に旧約は編集を終えたと想定されている。もっとも重要なモーセ五書はイラクで編集され、メソポタミア文明からの摂取があると仮定している学者は多い。
ギリシア人による支配でユダヤ人は地中海周辺の交易都市に居住区を形成し、AD一世紀の古代ローマ・ユダヤ戦争で古代ユダヤが消滅する頃には、エジプトのアレキサンドリアに大人口が集中していたことが記録に残されている。今日のキリスト教はギリシア語系ユダヤ人にルーツがあることも歴史的事実。しかしキリスト教国ではユダヤ人は迫害を受けたが、イスラム圏では比較的優遇された。ユダヤ唯一神を真似たイスラムではこの唯一神教が軍事征服を義務ずけた。唯一神の政治的成功はユダヤ教よりイスラムだと言えるのではないだろうか?
 
結論としてはユダヤ人はユダヤ教徒集団として古代から生き残れたのだが、国家としてではない。イスラエルは現代ヘブライ語を作りユダヤ教の教義を共通化することからはじまった、いわば新国家の誕生である。このイスラエルには世界中からユダヤ系が集まったが、政治的に影響力を持っているのは東欧系であると言われている。
 
言及なさった日本の巨大化の失敗についてはリサーチすると面白いのではないかと思います。
 
ユダヤ人のDNA分析による祖先の追求からは、今日のユダヤ人は少数の祖先から出ているという仮説も出ています。その反面、地中海系人口には祖先に低い割合でユダヤ人が含まれている傾向があります。結果はユダヤ人DNAは非ユダヤ系にも広範囲に広がっているという事です。