chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

米大統領選ウクライナ介入伝説について

拙コメントを記事にして頂いて有難う。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12533654876.html

 

実はボルガ―前ウクライナ特任大使が下院で調書を取られる前日に情報局監査担当官が国務省(=外務省)のトップクラスに出回っている怪文書を下院に持ち込んだ。この怪文書はトランプの私参謀=ジュリアーニNY元市長からであることが本人の申し出で明らかになった。この怪文書の内容をメディアは明らかにしていない。トランプの電話にでて来るバイデン汚職とウクライナの2016年米大統領選介入の元となる文書だが、"misinformation"(誤報、都市伝説)としてかたずけられている。一方、ジュリアーニはトランプ代理として訪問したウクライナでの調査結果である、と述べている。

 


UKRAINE SCANDAL EXPLAINED: Chalkboard on DNC Collusion, Joe Biden, Soros, Trump & More

これはつい最近YouTubeで公開されたグレンベック氏の"ウクライナスキャンダルの解明"。これが国務省の怪文書の内容ではないかというのは拙推測。

グレンベック氏の名は日本でもよく知られている。元フォックスのスター・キャスター。スタンスは過激保守。2016ではトランプをナチに例えて貶し放題だったのだが、今はトランプがもっとも頼りにしている相談役だ。

動画は52分とかなり長いがCCで英字幕が出てくる。

しかし、事実と食い違っているのと、政治的視点に影響された憶測のみの部分がかなりを占めている、というのが難点。

 

彼のストーリーは2014年のウクライナの親ロシア政権の転覆からスタート。政権転覆にともなう経済破綻でウクライナは救済主を求めていた。そこでEUと米国が資金援助にあたった。米側から救済処理にあたったのがバイデンと民主党要職者または関連の人々、その中には当時の民主党トップのポデスタ氏の弟も含まれていた。

ところが、奇しくもバイデンの息子ハンターはウクライナ・ガスの役員に就任しており高給を得、ハンターのコンサルティング会社にかなりのコンサルタント料が払われた。2016年早々にIMF筆頭保証国を代表しウクライナを訪れたバイデンは、ウクライナの検事総長辞職を要求、6時間後に検事総長は辞職し、IMFローンがおりた。グレンベック氏は総長辞任はハンターの汚職捜査を止めさせるためだった、ハンターが手にした巨額の金はバイデンに渡った、と一足飛びに結論ずけている。以上がバイデン汚職説のあらすじだが、事実と大きく異なる部分がある。

グレンベック氏も動画で詳しく説明しているように、最初役員に就任したのは、ハンターとケリー元国務長官の義理息子との共通の友人だった。ハンターをウクライナガスに誘ったのはこの友人だといわれている。3人ともイェール大学出の弁護士。ケリーの義理息子は米ハント財閥の跡取り息子。この友人はケリーの大統領選でも財政担当責任者という要職を務めた。

問題のコンサルティング会社はこの3人により設立されたと言われている。それならバイデンだけでなく、当時の国務長官ケリーの線も考慮に入れるべきではないのか?と不思議に思う。それともケリーの後妻はハント財閥創設者の娘だから金は必要ないということで除外されているのか?

グレンベック氏はここでは触れていないが、ケリーの義理息子はハント財閥の弁護士からウクライナには直接関わらないようにという警告を受けたというのが過去メディアによって報告されている。そこが2人の運命の分かれ目になったのか?

 

検事総長辞職についてのメディアの見解は全くグレンベック氏と相反。検事のショーケン氏はオリガルヒと親ロ政権の元大臣により設立されたウクライナガスの汚職疑惑を捜査しなかった。これは他の疑惑企業についても同様である。それでウクライナに資金援助したEU諸国との合意のもとショーケン氏辞任にこぎつけた、というのだ。ショーケン氏後の新検事総長はウクライナガスもハンター氏も汚職に関わっていない、という結論を出している。ウクライナガスに関してはかなり疑惑があると言われているにも関わらず。

だからウクライナガスが米副大統領や国務長官のコネクションを金で買い、汚職捜査の手から逃れようとした、という声も無視することはできない。それが前回の拙ブログのABC動画の結論のようだ。

しかしこの動画ではバイデン汚職はここで終わり。その後のストーリーは民主党が雇ったうら若きウクライナ系女性調査員がワシントンのウクライナ大使館に身分を隠して潜入、親ロシア政権の選挙戦略コンサルタントとして巨額な金を受け取ったポール・マナフォートの金隠しを掘り出し、連鎖反応でウクライナがヒラリーを助ける為にサイバーアタックでトランプを妨害した、というちょっと理解できない方向に回転して行く。グレンベック氏自身も難解だと動画の中でしきりこぼしていた。この動画のソースはトランプ支持者の膨大な情報網から。それらを整理編集し動画にまとめた、と彼は述べている。

 

グレンベック氏の動画の感想コメントをみていただければ、そこは彼のウクライナ大統領選介入説を信じる米人のコメントで一杯。

これらの人達がトランプのベースなのだ。

米国の"格差社会"の現実がここにある、というのが拙感想だ。

 

自ら大使を辞職したボルガ―氏の調書によるとウクライナ大統領がバイデン汚職疑惑捜査開始を公式に読み上げるというプランのもとにその声明を現EU大使と共に作成したのだが実行されなかった、となっている。この現EU大使はトランプ就任式実行委員会に1億ドル寄付し大使となったホテルチェーンの経営者。

バイデン汚職はトランプの2020を目指しての戦略と見た方が筋が通っている。しかしいずれにしてもトランプ情勢は凄いスピードで回転中、行きつく先はまだ遠い、というのがこれまでせっせと米メディアを追ってきた拙者の視点。

今日米時間10月10日、トランプは弾劾、つまり上院で裁判、にかけられ辞めるべきだという意見が少なくとも50%に達している。こうなるともう死に物狂い。トランプの攻勢はいかに!