chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

シアトル大騒動:CHOP(キャピトルヒル・オーガナイズドプロテスト)

下の動画はシアトルの黒人差別反対デモの参加者が警察署・公園を含んだ一区画の通りを占拠、毎日がお祭りになった様子を報道しているニュースです。これが起こったのは6月1日。この事件は全米を驚かせました。しかしその後のシアトル市長の発言にはもっと目を剥いた。

 

最初はCHAD(=キャピトルヒル自治区)と名乗ったためトランプはANTIFAによる武装蜂起だと自らツィート。日本のトランパー達も同じ事をTVで言っている。

 

この市長はトランプに、口を出すな、地下壕に戻れ、と応戦。いつ取り返すのか、というニュースアンカーの質問には、まだ決まっていない、と答えました。理由は、キャピタルヒル一帯はシアトルでもLGBTの人達が住む最も進歩的で平和な区域で、プロテスター達はそこでフリードリンク、スナックを提供してブロックパーティー(近隣合同パーティー)を楽しんでいる、からだそうです。それはあの、"Summer of Love"

のようなもの、とたとえたので、この市長、一体いつの時代に生きてんねん!という驚きの声があがったのです。

 

"Summer of Love"というのは1967年、つまり今から57年も前にサンフランシスコに全米から若者が集まった夏のことを指している。あの夏のテーマは"愛"でした。私達から見ると確かに西海岸は変人の住む地だが、まさかシアトルにはヒッピーカルチュアが未だに残っているとは夢にも想像していなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=krgZ4X7tK2g


Seattle's 'Capitol Hill Organized Protest' makes national headlines amid differing views and names

特に週末の日中にはもの凄い人が集まり、露店やミュージックもあり大フスティバルの雰囲気。この事態をどう収束するのか、双方で話し合いを続けているそうだ。

 

下の動画はこの区画が占拠される直前の動画で、WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)による。何が原因かを追究する目的で作成された。それによると、双方が対峙した時、ほんの少しの挑発がエスカレーションに繋がっている。特に武装警官側は、非武装の年長女性デモ参加者達が傘を広げただけで興奮し、デモ隊に催涙弾を使うので引き下がれ、という告知も忘れて一人が発射、続いて多数の発射となっている。この後、市長は警察隊を引き揚げさせている。催涙弾使用は禁止された。

 

ところで、トランプはまた報復行動に出ました。今度はオバマケアにあるLGBT(性転換)差別禁止を廃止するよう命令しました。これは米には性転換者を憎む医者がいるわけで、これをクリスチャンの義務だと思っている。そういう医者による性転換者の治療拒否をトランプ政権は認めるという事です。内容はともかくとして、何か自分に反対する事が起こると、こうして報復するのが、これまでのトランプのやり方です。つまり、人々の恐怖を呼び起こすということです。プーチンや習とどこが違うのですか?このトランプが香港の自由を守るリーダーとは、笑わせます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=MMjExztMbyA&t=8s


Video Investigation: How a Seattle Protest Ended in Chaos | WSJ

 一番下は世界で大ヒットした”花のサンフランシスコ”です。この歌詞は、1967年の”Summer of Love" をテーマにしています。

 

に花を飾ってサンフランシスコに行こう、やはり頭に花を挿した平和で親切な人達が待っている、そこで"愛のアセンブリー"に集まろう、というものですが、その愛が何を指しているのかは、皆さんのご想像にお任せします。

 

しかし、こんな大昔の事知っている人今時いるのですかね?

 https://www.youtube.com/watch?v=obsAUJHMOZs


Scott McKenzie "San Francisco" 1967 Hippies

 

 

 

アンティファ・ANTIFAの陰謀がついに発覚!? 

下のニュース動画が先週NYのバッファロー市で起こりました。抗議に参加した75歳の老人の方が警察官に突き飛ばされ転倒、意識不明となったのです。後頭部から出血しているのが写っている。突き飛ばした警官をはじめ部隊全員が倒れている御老体をほったらかしにしてサッサと傍を通っていく。このシーンに視聴者は本当に驚いた。それでこの動画は警察暴力のシンボルとして繰り返し全米で流されたのです。

この一部始終を撮影していたTVクルーが救急車を呼びました。しかし警察側は、けが人は警察の救急班が担当することになっている、と説明しました。

 

警察官は全員CPRの訓練を毎年受けている。すぐ救急を呼び、駆け付けて呼吸と脈拍、大量出血の有無をチェックするべきです。ほぼ即死に近い可能性もある。頭部・脊椎損傷の怖れがあるのでクビを動かさないで、救命部隊が現地に到着するまで、CPRをスタートするなり、インストラクションに従うべきです。

直接実行者の警官二人はすでに逮捕され重傷を負わせた容疑で起訴される予定です。すると、この部隊全員は任務変更願いを出したのです。

 

何かもの凄く混乱しています。

 

https://www.youtube.com/watch?v=QFeewU0HhNE


Video at Buffalo protest shows police pushing 75-year-old man

下は今日のトランプによるツィート

拙訳:バッファローで警察官に突き飛ばされたデモの人はANTIFAの扇動者に違いない。75歳のGugino氏は押され飛ばされた、見ての通り、彼は警察官のコミュニケーション装置をスキャンした後で、その装置をブラックアウトするつもりだったのだ。

 

ホンマかいな!

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Donald J. Trump
 
@realDonaldTrump
 
 
 
Buffalo protester shoved by Police could be an ANTIFA provocateur. 75 year old Martin Gugino was pushed away after appearing to scan police communications in order to black out the equipment.
I watched, he fell harder than was pushed. Was aiming scanner. Could be a set up?
 
OANNとは、トランプの新しいヨイショ・メディアです。
ここのヨイショ・キャスターは、
 
私も見た、彼は押されてというより、もっと強い力で倒れた。スキャンしようとしていた。これは計画的か?とツイート。それをそっくり受け売りにするトランプ。
 
こういう自分へのヨイショを見つけると抵抗できないのがトランプ。
 
事態を収拾する能力に欠けるトランプはさらに混乱を増している。
 
 
 
 
 
 

トランプの日本:フリン不起訴事件に至るタイムライン

"トランプのアメリカ"というテーマで好き勝手に書いているうちに日本には熱狂的トランプファン(=trumpers)が多いらしいのに驚かされた。"trumper" という新語はトランプ自身もツィートで頻繁に使っている。日本の"trumpers"には、トランプは彼らの大統領でもあるのだ。

 

そのせいで、日本では"オバマゲート"が大きく取り上げられ、これでトランプ再選は決まった、という政治解説者が多く表れている。

先月、フリン氏起訴取り下げをバー司法長官が裁判所に請求したのだが、それに呼応し

てトランプは、モラー捜査はオバマ氏の陰謀でフリンはFBIに嵌められ嘘を強要された、とツィートやTVで声高々に主張し、オバマゲートを自ら打ち上げた。

だが、この不起訴の請求は担当判事の"待った"で依然として宙ぶらりんのままだ。しかも判事はこの請求を拒否するつもりのようだ。

 

バー司法長官の起訴取り下げ請求に対して、元連邦検事及び裁判長達2000人以上がバー氏の司法長官辞任を要求している。

理由は、バー氏はトランプ大統領の要求通りにフリン氏を特別待遇することで、法の下の平等という米憲法の原則を破った、というのだ。

 

フリン事件は非常に複雑である。下はそのタイムライン。

 

日本の代表的トランパーこと及川幸久氏によればフリン氏は、事実は小説より奇なり、という言葉通りの人だそうだ。

 

まず、フリン氏とロシア疑惑の繋がりについてのタイムラインとナラティブが下です。

 

2016年5月、米民党本部議長ポデスタ氏のe-mailがハッキングされた。後にロシア軍部が犯人とCIAにより結論付けられた。その後、少しずつリークされたが、ウィキーリークスではなかった。

 

2016年10月7日、トランプの"ハリウッドアクセス動画"が公開。これは10年以上前のものだが、トランプは、"ワシのようなセレブになれば女はどんどんプッシーを掴ませてくれるんだ"と豪語、あまりの下品さに国内がショック状態になった。

 

共和党有力議員故マケイン氏を中心に、トランプは大統領候補を辞退せよ、さもなければ共和党候補を取り消すという声が高まった。トランプ陣営の大危機となった。

 だが、この動画公開から30分後に、ウィキーリークスがヒラリーのe-mailを一挙に大量公開。その中にはヒラリーの大きなイメージ・ダウンにつながるものが含まれていた。

 

トランプはTVで一応謝罪し、共和党大統領候補の地位を維持した。

 

 2016年11月、大方の予想に反してトランプは大統領選に勝利した。

 

2016年12月10日、オバマ・トランプ引き継ぎミーテイングでオバマ氏はフリンを閣僚ポストにつけないよう忠告。理由はフリンはプーチン大統領に近い、それに人物に問題があるという2点だった。フリン氏はFBIによる最初のロシア疑惑捜査の対象4人の一人。

憶測として、オバマとフリンの間は険悪であった、というのがある。フリンはオバマ政権によって陸軍を強制退役させられた疑いがあるからだ。美人女性スパイと秘密に交際していた、というのもある。当時、フリンはオバマ政権の国防省情報局長であり、これが本当ならクビは間違いない。事実彼は解任されている。しかし真偽は明らかではない。

 

12月29日、オバマ政権はロシア軍のハッキングに対してロシアに新な経済制裁、ロシアスパイ36人の米退去、関連するロシア政府施設押収等、を課した。

しかしその同日、フリン氏はロシア大使と電話連絡を取り、オバマ政府の制裁についてロシア側と交渉、ロシア側が制裁を受け入れる合意を得た。ロシア側は見返りとしてトランプ政権の制裁解除という約束を得ていた。

しかしロシア大使との電話はロシア疑惑捜査の為FBIに盗聴されていた。

 

なお、文書化された内容は、一週間前にすでに公開された。内容はモラー報告書と同一であり、モラー捜査の正確度の高さを示している。

 

ロシア側の無反応ぶりに驚いたのはオバマ政権だった。過去の制裁にプーチンが黙っている例はない。フリンの電話内容からこの原因が明らかになった。

1月5日のブリーフィングはこの電話に関連しているようだ。オバマゲートを叫ぶトランプ側は、オバマ氏による陰謀会議と主張しているのだが、当時のイェーツ司法長官も単なるブリーフィングであると下院で証言している。

最近オバマゲートの陰謀の証拠としてライス国家安全保障補佐官の自分宛てのe-mailが公開された。それによっても明らかだ。このブリーフィングでロシア疑惑捜査をトランプ政権下で引き続き法に沿って進める、ということをオバマ政権は確認しているのだが、これは慣例、新政権で変わるのは必然だ。ライス長官のe-mailにはこの捜査で得た情報をトランプ政権に伝えることを確認している。しかしロシア疑惑捜査の全情報が最初から伝えられたというのではないようだ。

 

2017年1月13日、トランプの大統領就任の直前に、ワシントンポストの有名なコラムニストが、フリンが制裁発表の当日ロシア大使と会談し、トランプ政権は制裁を廃止する事を通告した、とリークしたので、また大騒動になった。

 

翌14日、日曜日朝のニュース番組でペンス氏は"フリンは制裁の件については話していないと私に報告した"、とTVできっぱり公言した。だが、疑惑はますます深まるばかりだ。

1月23日に、FBIはフリン氏を査問、制裁について交渉したのかどうか質問しフリン氏はしていない、と答えた。それに対してFBIが反論すると、憶えていない、と言った。

 

モラー報告ではフリン氏は自分の意思でFBIの査問に出た、と書かれている。

 

1月26日、イェーツ司法長官代理は、FBIのフリン査問に基ずきフリンの公然の嘘が米国の安全性を脅かす危険がある事をトランプに通告した。しかし、フリンは否定を続け、トランプ政権はフリン側に立ち続けた。

 

2月10日の夜になって突然、フリンが政権を去ったことがホワイトハウスからメディアに報告された。

 

翌2月11日、トランプ政権は副大統領ペンスに嘘をついたという理由でフリン解任を発表。しかし、ボブ・ウッドワードの"Fury"では側近連から解任するようにプレッシャーをかけられ、追い詰められたトランプが報道官に何とかしろ、と言ったことになっている。この報道官はフリンを捕まえて、ホワイトハウスに近ずか無いようにというヒントを与え、フリンはそのまま辞任したことになっている。

 

上のタイムラインから見えて来るのは、トランプ政権内部の対応のまずさだ。フリン氏は婿クシュナー派だった。もしクシュナー一族の天敵、クリスティ元知事がトランプ政権に参加していればこのような不手際は起こらなかったかも知れない。

 

この時点でコミFBI長官はフリン氏を起訴するつもりは無い、とメディアに公表している。このコミ氏を逆恨みから突如解任し、FBI捜査を引き継ぐ形でモラー独立捜査を引き起こしてしまったのは他ならぬトランプ自身なのである。フリン氏はこのモラー氏によって起訴された、という事実を都合よく忘れているのが今のトランプなのだ。

 

トランプの奇行が内戦危機に発展!?

昨日6月1日、トランプの記者会見があったはずだとYouTubeを探すと、驚きのニュースに出会った。場所は首都ワシントンDC。平和にデモしている人達が突然向かってきた武装警官隊に催涙弾とゴム弾をしたたかに浴びせられた。それから騎馬警官隊がデモ参加者を暴力的に蹴散らすシーンが続いたのだ。この警官隊の制服にはシークレットサービスと書かれていた。

 

ニュース・アンカーは6時の大統領記者会見が30分間延期され、また延期となった、と伝えていた。再び催涙弾の煙とドンパチの銃音を背景に逃げまどう人々のシーンに戻り、その内ローズガーデンでの会見がスタート。TVの画面の半分はデモの様子、半分はトランプの演説という同時中継となった。実は逃げ惑うデモ隊はローズガーデンのすぐ横に位置していたのだ。頭上では陸軍のブラックホーク攻撃用ヘリが低空旋回していた。

 

トランプはいつもの様に、バー司法長官やエスピー国防長官、それにものものしい戦闘服の軍統合指令部長官、等々の側近を引き連れて会見に現れた。 

 

トランプは、まず、"法と秩序"を繰り返し強調!言わずもがな、これ、ニクソンと全く同じ。

 

"私は白人警察官に殺されたフロイドの側に立っている、

私は黒人が好きなので黒人の味方だ。平和デモを支援している。放火や略奪はアナーキストや極左集団の仕業だ。彼らの略奪が収まらなければ米軍を派遣して間髪おかずに制圧するぞ。現に今首都には何千人もの陸軍兵士を待機させてある…、"

 

視聴者はトランプの言葉に唖然。

 

米憲法では米大統領には米軍を国内で戦闘に従事させる権限がないのだ。理由は憲法により米軍が米市民を襲うことを禁じているからである。ただし州知事の要請で可能となる。しかし今、州知事は誰も要請していない。

  

米首都ワシントンDCでは先週からデモ隊がホワイトハウスを取り囲んでいた。先週の金曜日夜にはホワイトハウスの通りの向かい側に立ってした聖ジョン・エピスコパル教会が焼き討ちにあった。トランプはその間、ホワイトハウスの地下壕に身を隠し、メガツィートだ。フェイクニュースに、まるで末期のヒトラーだ、とTVでからかわれ、相当頭にきたはずだ。

 

昨日の朝、地下壕を出て、州知事に電話で、弱虫め、道路を制圧するんだ、グズグズしているとわしが軍を派遣して戦場都市を即座に制圧するぞ、と怒鳴り散らしたのだが、それがフェイクニュースにリークした。

ある民主党知事からは、あんたが口を出すと事態は悪化する、だから口を出すな、という反撃すら受けていた。

 

 

下の動画のタイムライン(経過)は

ホワイトハウスの横での平和的デモの様子

バー司法長官が側近とデモの様子を下見

トランプ、ツィートで到着を知らせる、

デモ参加者、突然警官隊に襲われる

トランプ会場に現れる

トランプ、デモ参加者が追い払われた通りを抜け、聖ジョン教会へ。

トランプの後をぞろぞろ追う一行の中には、ハイヒール姿の娘イヴァンカと婿クシュナーがいた。

 

教会の柵の入り口で聖書を掲げ、ハイ、チーズ!

 

 https://www.youtube.com/watch?v=dUn-BShWYOs


Trump Visits Church After Police Clear Protesters With Tear Gas | Morning Joe | MSNBC

 

トランプは言葉通りに重装備の陸軍部隊をリンカン記念堂前に配置。暴徒からリンカン像を守る為だそうだ。記者がどこに属している?と兵士に尋ねても、司法省に属しているとしか答えなかった。

司法省は、バー長官がデモの参加者攻撃を直接命令した、と重い口を開いた。

 

それで、トランプは私達市民を軍に殺させるつもりか!と今国中で大騒ぎになっている。民主党上院議員の一人は、市民を殺すなら私を真っ先に殺せ、とTVで感情的に叫んでいた。

 

今日6月2日、焼き討ちにあった教会の牧師がTVに出て、トランプはクリスチャンではない、聖書は見せびらかすものではなく、開いて読むものだ、私達に一言も知らせず勝手に教会を自分の政治目的に使って貰っては困る、とトランプをきつく批判した。

 

 

 

 

  

 

白人警官による黒人容疑者殺害の謎!?

私は記事を書く前、必ず複数のネット記事にあたっている。中には非常に優れたものもあるが、多くの記事は内容が曖昧かつ杜撰であることに気付いた。その一例が前回拙ブログに書いた白人警官による黒人容疑者殺害事件だ。

 

そもそもこの殺害事件の発端は何か?もちろん、絶対多数の米人は知りたがっている。そこで私はネット記事を探してみたが、内容が記事によって一つ一つ違う。そこでほぼ確実だろうと思われることを拾い挙げて見た。(?)は異説があるという意味です。

 

被害者のジョージ・フロイド氏が逮捕されたのは彼が偽札を使った(?)からだ、いや そう信じられたからだ。警察側は捜査結果をいまだに公開していない。殺害場所近くのコンビニで彼は$20札(?)を出し、タバコやスナックを買おうとした。しかし、応対に出た店員は彼の$20札(=2014円)は偽札と判断した。それで売るのを断った。フロイド氏は空手で店を出た。

このコンビニは全米の多くのコンビニと同じくオーナーは移民で中東系だ。記事の中にはフロイド氏はこのコンビニをひいきにしていた、と書いたのもあった。

 

フロイド氏とカウンターの店員のやりとりは店内モニターに録画されていた。オーナーはその時店にいなかった。しかし後で警察からビデオをメディアに公開するなと言われたそうだ。

 

それからオーナーは応対した従業員は若い十代のパートで、よく事情を知らなかったのではないか、といささか謝罪めいた発言をメディアにしている。彼によると偽札を使う人はそれを知らないで使っているケースが多いのでフロイド氏もその一人である可能性が高い、とも言っていた。

 

私はほとんど現金を使わない生活をしているので知らなかったのだが、巷では偽札が大量に出回っているらしい。だとしても私にも本物と偽物の区別はつかないと思う。

 

ところが、コンビニ従業員はフロイド氏を追って外に出、店の前で車のドライバー席にいたフロイド氏に、彼の偽札を渡せと要求、フロイド氏に拒否された。店に戻った従業員は110番に通報(米では911)し助けを求めた。

 

従業員の911通報は文書で公開され、私も読んだ。それによると、フロイド氏は偽札を使った、その上彼はひどく酔っぱらっているかドラッグでも使っているのか普通の状態ではない、と報告している。

 

しかし、後に出た検死報告書では酒も薬もフロイド氏の体内に残っていなかったことが記録されている。

 

この通報でパトカーが到着だ。

 

この通報を読むと、コンビニ従業員はパニック状態からだろうが、極度の被害者意識に駆られているのががわかる。ひょっとしてこの店員もドラッグの影響下にあったのではないかとかえって私は疑う。米では驚くほど多くの人(人種の別なく)がドラッグを使っている。

 

この先は公表された警察側の調査書からである。最初に到着したパトカーの警官の一人は、車中でためらうフロイド氏の面前に拳銃をつきつけ、車外に出るように命令した。理由はフロイド氏のためらいがを銃を隠していると思わせたからだそうだ。

 

だが、事実はフロイド氏は車中に銃を保持していなかった。

 

動画の中では、この警官にフロイド氏は車から引きずり出された格好に見える。ここからはすべての動きは店外に設置されたモニター及び警察官のボディカムに記録されている。この殺人事件で"3級殺人"で起訴されたデレック・ショーバン前警察官は応援にかけつけたパトカーの2人組の一人であった。

 

3級殺人とは一体何なのか、と問うアメリカ人は多い。米には日本と違い各州ごとに憲法があり、州法があるので、私のように州から州に移動すれが法も変わる。だから殺人罪は各州に違いがある。ミネソタ州では3級とは最初から殺してやろうという悪意に欠ける殺人で最高25年の刑務所行きとなっている。死刑の無いこの州では一級殺人は終身刑である。

 

なお、このショーバン容疑者の奥さんが離婚請求の裁判を起こして先日ニュースになった。この奥さんはラオスの山岳民族の避難民出身。もう十数年近く一緒だったとかで、ショーバン容疑者は白人崇高主義者のステレオタイプにはそのまま当てはまらないように見える。奥さんは、このような怖ろしい騒動に子持ち(前夫との)の母として巻き込まれたくない、という理由をあげていた。家族をそっとしておいて欲しいと。実際、ショーバン氏の住居は外から駆け付けた人々によって包囲され、外出も外からの訪問(食料配達)も不可能になっていたと報道されていた。

 

コンビニ・オーナーをはじめ市民の大多数から聞こえてくるのは、たった$20(?)で逮捕され殺されるのは全く馬鹿げている、という声である。それは"Black lives matter!"(=黒人の命を軽く見るな)というスローガンと一致している。

 

 

アメリカの恥部暴かれる!?

下の動画は全米を再度揺るがせたミネアポリスで起こった黒人男性殺害シーンの一部です。つい三週間前にジョージアで私的白人自警団による黒人青年アマード・アベリーの殺害シーンが動画でバイラルし、全米を驚愕させたばかり。

この事件は5月25日のメモリアルデーに起こったのです。

 

動画の冒頭は、路上に横たわった黒人被害者の頸にブルーのユニフォーム姿の白人警官が片膝をついている姿です。すぐに、被害者の"プリーズ!”息が出来ない!"という悲痛な叫び声が聞こえてきます。それに答えて、警官は、

"これで息が出来ないのは当然だ!"

"ワシはアンタが起き上がれるのを助けようとしてるんだ!"(=つまり、黙れ!ていう意味)

 

立て!と被害者に言いながら、頸部の脳に繋がる太い血管を圧迫している彼の膝を全く取り除く様子はない。

その上、"What do you want!"(=何が言いたい) と、全く被害者を見下した態度。

"息が出来ない、どうか膝を動かしてくれ"

"静かにして立ち上がれ"、しかし膝は依然として頸の上。

"息ができない、気分が悪い、胃がムカつく、水をくれ"、と被害者が立て続けに哀願してもこの警察官は無視し続けた。

https://www.youtube.com/watch?v=lirHz93qJ50

 

実はこの動画は集まってきた人々の一人によって撮られたものの一部です。

この後、聴衆は、4人の警察官に向かい、いつまで続けるんだ!鼻血が出てるぞ!やめろ!救急車を呼べ!と口々に叫びはじめます。しかし群衆の前でもこの警察官は一向に止めない。近こうとした人が出ました。しかしこの人達は見張りの武装警察官に厳しく押し留められどうする事も出来なかった。

最後に被害者は意識不明に陥ります。二人の警察官が反応のない被害者を路上に仰向けに寝かせます。そして救急車の到着です。被害者は救急車内に運ばれました

 

しかし群衆の怒りはおさまらない。昨日5月27日夜、ミネアポリスの警察署にデモ隊が押しかけ、警察側は催涙弾とゴム弾で応酬。デモ隊は少し先のショッピングセンターに方向を変え、ターゲット、オートゾーンなどの大手のストアを略奪、放火です。

 

救急者隊員の報告書によると、現場ですでに被害者の脈拍が感じられなかった、と述べている。これも不思議です。

警察官も関係者が意識不明になった時点で、少なくともCPR(心肺蘇生)を行うことが義務付けられている。一年毎にCPR訓練及び試験にパスする事は職務上の義務です。たしかに動画では二人の警察官が意識のない被害者を仰向けにするやいなや救急車が現れています。しかし、被害者が窒息から意識不明となったのなら、その場でCPR及びEAD(電気ショック)で蘇生をはかるべきです。一秒を争う事です。救命規則に従っていれば被害者の方は少なくとも命を取り留めたのではないか、と私は思っていますが、まだ詳細は公表されていない。

 

この事件、最初は警察側は正当防衛と発表したが、現場の4人の警察官は翌日5月6日に解雇された。

当の殺人警官は過去に12回も暴力警官として苦情が出ていたという情報も今になって判明しました。

 

失業天国になったアメリカ!?

今日は5月25日月曜、米ではメモリアルデー(戦没者記念日)という祝日となっています。週末と月曜で3日間連休で、ここから夏が本格的にスタートするというのがこれまでのアメリカでした。しかしあいにく私の州では冷たい雨降りとなりました。これでは海岸の人手もないだろう、とほっと一息しています。何しろ感染者数も死者数も一向に増加が止まらないのが私達の都市です。TVでも感染ホットスポットとして注意を呼び掛けている。

しかし調子に乗ったトランプは今度は学校を再開、と息巻いている。ここ数年来、愚孫が学校から貰ってきたインフルエンザにかかってきた私としては、本当に恐怖ですよ。ジョークではなく、本当にトランプに殺される!

 

ところで、5月からぼちぼちビジネスが開き始めたのに、雇い人が還ってこない、というのが今ニュースになっている。mopyesrさんのブログにドイツ政府はコロナで収入を無くした人に3か月の給料を丸ごと政府が出す、というお目出度いニュースがありましたが、米のはそれをはるかに超えた大盤振る舞い。下がそのニュースです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=kLP-bwHjldQ


Workers declining jobs as unemployment pays better

上で登場するのは、サンディエゴの小さなフランス風レストランのオーナー。彼はラッキーにも$472000(=5074万円)の政府緊急援助を受け取り、店を再開しようとして元従業員に連絡すると、半分は7月一杯まで帰らない、と言ったそうです。理由は7月末まで毎週$600(=6万4500円)の失業援助金が受け取れるからだそうです。

動画でも説明されていますが、カリフォルニア州の平均年収は$34362(=370万円)で失業者には米政府の失業保険が70%、州の保険が30%でほぼ給料を4カ月間カバー。それに毎週$600が7月一杯まで貰える。だから給料貰うより失業している今の方が収入がいい。カリフォルニア州の平均収入は私達南部諸州に比べると高目です。私の州ではおそらく$30000前後でしょう。低所得層は少なくとも年収$20000(214万円)以下となります。なお州最低賃金を貰った場合の年収は定職で$10000(107万5000円)となりますが、こういう人達はほぼパートです。しかし失業保険は貰えます。

 

もう忘れてしまったかも知れないが、3月の終わりに、米政府から税金返金$1200(=12万9000円)+子供一人$500(=5万3750円)を税金申告者はすでに受け取っています。愚娘一家の場合は合計$3400(=36万5167円)だそうです。

 

だから失業保険に毎週$600の支援金、そして、毎月$640(=6万4448円)のフードスタンプを受け取っています。もうとっくの昔にスタンプ(切符)を止め、ATM式カードに変っていますが、このカードでスーパーで食料品ならほぼ何でも買える。愚娘からは私に食べたいグルメ食品があれば買って来る、とのありがたいお言葉までいただき感謝はしておりますが遠慮させていただいている。触らぬ神に祟りなし、です。

 

愚娘の職場は6月早々に再開されるそうですが、このまま家でしばらくのんびりしたい、と言っております。文句を言われたら、感染危機のある年寄りと一緒にすんでいるから、と言い訳するつもりだそうです。その年寄りっていうの、ひょっとして私の事ですよ。

 

今日で10万人近い死者が出てもビジネス全開を要求し続けているトランプの頭が狂っていることは皆知っていますが、それに呼応してビーチやウォーターパークに大量に押しかける人々。その一つが風光明媚なオザーク国立公園の群衆。TVで繰り返し放映です。そこの湖岸に集まった者は2週間の自己隔離をするよう今TVが呼び掛けている有様です。

 

社会全体がもうフツーじゃなくなってる、という認識が今アメリカのニュー・ノーマルとなっています。