chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

安倍退陣記事への英語コメント !?

今日8月29日土曜日、ワシントン・ポストで安倍晋三総理の退陣記事を見つけました。この記事そのものは全く大したものでなく、ただスペースを埋める程度のもの。すぐに他のニュースが取って代わるのは時間の問題でしょうが、この記事についての読者からのあるコメントに目がとまりました。英語のていねいさからおそらく日本人の方によるものでしょう。下はその内容と拙要約です。

 

Nobody seems heartbroken to see the back of Mr. Abe, to put it mildly. If I had understood it correctly, these are mainly for 3 reasons:

一般的には誰も安倍退陣でそんなに悲嘆にくれている人はいないようだ。私の考えが正しければその理由は3つある。


1. Abe san fawned deeply humiliatingly to curry favour with a foreign leader and, worse, a ridiculous and universally despised foreign leader, namely Mr. Trump. That wasn't good. Worse, it didn't even work. 

安倍さんはある外国首脳に気に入られようと非常に卑屈にへつらったわけだが、事もあろうに、その首脳は国際的に嘲笑の的となったバカ丸出しのトランプ氏。見かけもよくないどころか、全くの大失敗。

 

2. His handling of the CV-19 crisis makes Boris Johnson seem positively resolute by comparison. Abe has basically dithered himself into a ditch with ever-changing quarantines, lockdowns and and social-distancing rules. 

彼のコロナ対策はボリス・ジョンソンさえ積極的で前向きに見せる。安倍はステイホーム、ロックダウン、ソーシャル・ディスタンスで優柔不断に見え、穴に落ちた。

 

3. But first and foremost, Japan has the developed world's worst record in equality between the sexes, and half of Japan's population, the female one, finds itself under constant discrimination, sexual harassment and powerless to fully participate in what is still basically a 19th century patriarchy based on patronage, corruption and nepotism. As Mr. Abe, himself the son of a former PM, is very much himself living proof of.

 

しかし何といっても一番目立つのは、先進国日本には、男女差別、セクハラがはびこり、19世紀そのままの男性中心社会、つまり縦社会、親族友人優先社会に代表される、に全く無力のまま組み込まれていく、という事実である。日本は先進国の男女平等に関して最低に位置している。安倍氏自身も元首相の息子として女性差別の生き証人のような人だ。


In short, Japan is in dire need of a huge shake-up. This great country is slowly dying, and its long-suffering population deserves a far, far better leadership than Mr. Abe and his cronies have forced upon them for the past 50 years.

 

 要は、日本には今大きな変革が必要だ。この偉大な国は一歩一歩衰退に向かっている。長い期間抑圧され続けてきた女性達には安倍や過去50年間同じ事を続けてきた彼と似たような者よりも、もっともっとましな指導者が与えられるべきだ。

 

上のコメントはイギリスからだそうです。このコメントを書いた人はひょっとして、英国在住のあのジャーナリストだろうか?なんて想像してしまいます。

 

ウィスコンシン黒人銃撃事件大騒動

このところ米では11月の大統領選に関連する重要ニュース続きで息つくひまがない。もし、最後のトランプのしかける"オクトーバー・サプライズ"までこの調子なら米は大混乱に陥るだろう。

で、今回の大事件は23日の夕方、共和党大会開催の前日、ウィスコンシン州の地方都市、ケノーシャで起きた白人警官による黒人射撃事件だ。被害者は29歳のジェイコブ・ブレイク(Jacob Blake)。

 

至近距離から背中へ7発もぶち込まれ、何とか一命を取り留めたが、脊椎損傷で一生半身不随だそうだ。それが現時点での公表であるが、下腹部損傷で、結腸、大腸の大部分を切除、という報道が流れていることからすると、この若者は、回復後は人口肛門(腸上の穴)で排便、尿はカテーテルからという次第。当然性的インターコース不能、車椅子生活を余儀なくされる。その上、車椅子ズレ悪化やカテーテル使用からの感染症リスクに常に晒されるということになる。同様の運命に陥った人の中には命が助かって有難たいと言えない者もいる。私としては医療の進歩を祈るばかりだ。

 

当然このクラシック・モデルの如き"白人警官による黒人青年射撃事件"はたちまち全米にバイラル。主要都市でも" Black Lives Mtter"(=BLM)というスローガンの下で再びデモのツナミが押し寄せている。しかも今回はNBAまでもが予定試合を一時停止した。

 

しかし25日、いや26日の早朝、地元ケノーシャでトランプ・カルトに洗脳された17歳の白人少年が、戦闘用ライフルを持ってデモ隊の中に突入、2人を射殺、一人に重傷を負わせた上に警察側に投降。それが事態をさらに悪化させた。

トランプはウィスコンシンの知事の要請で、これまで非難の対象となっている武装連邦警察官をケノーシャに派遣すると発表した。

 

このこじれにこじれそうな事件、最初から問題があった。事件の発祥地は典型的な田舎町。田舎と都市ではこれが同じ国か、というくらいサブカルに違いがある。

 

何しろこれまで警察官が起訴された事はない、というような田舎なのだ。捜査ももたもたで、有名になった射撃シーンのみでも容疑者の白人警官はすでに逮捕されてしかるべきなのに、一か月以内に、と規則を盾に取って腰を上げない。しかも、公正な捜査を、という理由で司法省捜査を依頼した。

こうしている間にも人種差別騒動は拡大するばかりだ。この市の捜査当局がこういう状態だから、事件の詳細は未だにぼんやりで様々な噂がSNSから流れてくる。

これまで被害者側はBLMをひたすら強調するばかりだったのだが、背景がかなり漏れてきた。どうやら被害者はDV男だったらしい。ケノーシャではDVで7月7日に逮捕状まで出ていたので、所轄の警察署内では知る人ぞ知る存在だったのではないか、という憶測も出ている。彼の裁判所からの逮捕命令はすでにネットで一般公開である。私も読んだ。

 

さて下の動画はWSJことウォールストリート・ジャーナルによるものです。今日掲載されました。

 

*まず、冒頭はこの事件に呼応する加州オークランド市のデモ。放火が出た。

 

*次は地元ケノーシャ、解散時刻午後7時を過ぎても群衆は去らない。

 

*被害者ブレイク氏が射撃直後に救急車で運ばれるシーン。

 

*州検察長官の報告発表。容疑者は車内にナイフを所有、というのだが、至近距離で背後から7発撃つ、という言い訳には全然ならない。ただひたすら捜査中だそうだ。

*共和党知事の要請で州兵500人派遣。

*トランプ系民兵も攻撃用ライフルで武装し街路に出兵。

 

*攻撃用ライフルを抱えデモの中を走り抜ける17歳の少年、邪魔した黒人は容赦なく射殺。

*すぐに装甲車に向かい両手を挙げ投降。腰には攻撃用ライフルがぶらぶらと。しかし少年はそのまま釈放され、翌日イリノイ州の自分の家で逮捕。

 

一体どうなってるねん!

 

https://www.youtube.com/watch?v=QXs3uuF4Wxs
Jacob Blake Shooting: Protests Spread to Other Cities | WSJ

 

この事件、テニスの大阪ナオミ選手も全米オープンに抗議の手紙を送り、準決勝戦をボイコットしている。おかげで日本でも有名になりました。米でも主要メディアに取り上げられていました。

 

 

 

放浪革命家、バノン逮捕!?

民主党大会の最中の8月20日、全米に驚きのニュースが流れた。それは2016大統領選のトランプ支持層"ベース"の名付け親とも言えるスティーブ・バノンの逮捕だった。

 

"ベース"というのは革命家を自称しているバノンにとってのレーニンのプロレタリアートに当たる人々、つまり弾圧を跳ね除け革命を起こす主体。米の経済的には低収入で低学歴の白人ブルーカラー層、社会的には黒人・女性優遇のアファーマティヴアクションで最初から不利な立場に置かれている。この"ベース"の敵はかってのブルジョワジーに代わる"グローバリスト"だそうだ。

しかもこの"ベース"の先頭に立つのはALT-Right (極右)の武装した白人優性主義者だ。

 

下の動画は去年2019年6月にメキシコ国境の壁建設の寄付金あつめの目的で作成された。その冒頭で、バノンは、コルファージは寄付金を全額横取って今南仏沿岸の地中海に数億円のヨットを浮かべて休暇中、などとブラックジョークを飛ばしているのだが、まさかそれが現実になろうとは!?

ボサボサ頭でむさい恰好のバノンの横には、もともとこの"We Build The Wall" 基金を始めたブライアン・コルファージ氏。この若者はイラク戦争で、両足と右腕を失い車椅子で暮らしている。実はこの人にも民主党から共和党へという複雑な政治的背景がある。このバノンとコルファージ氏、それに他の2人が今回起訴された。

 

https://www.youtube.com/watch?v=nYNg8J4c_pM


UNCOVERED: Steve Bannon Jokes about “taking money from Build The Wall” to buy “million dollar yacht”

起訴したのは、NY南地区の連邦検察官。当然司法長官の監督下にあるのだが、司法の独立をモットーとし、トランプには目の上のたん瘤。トランプの手下、バー司法長官はこの6月に筆頭検察官が辞任しセキュリティ取引委員会の会長に栄転したとTVで噓つき会見し、大騒ぎになった。筆頭検察官は辞表を出していないどころか寝耳に水と反撃。結局バーがトランプに泣き込み、クビにした。しかしバーの乗っ取りは延期となってしまった。その時からこれは底に何かがある、という憶測の対象となっていたのだ。

 

検察側の起訴状がネットで公開されているので、以下は起訴理由の簡単な説明です。

2018年の末にコルファージ氏が寄付集めのウェブサイト, "Go Find Me" で"We, the people build the wall" を打ち立て草の根寄金を募ったのだが、そのキャッチフレーズは、すべての寄金はそっくりそのまま政府の壁建設資金に寄付。目標は約1000億円。しかし一か月の間に約1.5億円近くが集まり、ウェブサイトの運営者側から、額が大きいので公約通り政府に寄付するか、寄付者に金を送り返すよう勧告された。そこで翌1019年の一月中に、コルファージ、バノン氏など4人は寄付金を政府に渡さず、別のノンプロフィットである"We build the wall, Inc"を設立。寄付者にサイトで通告した上で寄付金を後者に転送。寄付金総額約24億から7-8億相当を出資し、ニューメキシコやテキサスでモデルの鉄柵壁を施行。これが上の寄付集めの動画の背景です。

その間、"We build the wall , inc" からバノンが運営者となっている別のノンプロフィット基金#1へ金を一億余り転送、そこから請求書を装ってコルファージやバノンに手渡るように金が払われた。特にこのコルファージ氏にはまず約1000万円が最初から振り込まれ、その後月200万相当が妻宛てにコンサルタント料として払いこまれていた。使い先は整形手術やボート、車など様々。

 

もう一つ、これに関連して起こった事件がある。今年の6月に動画で宣伝されたテキサスのモデルの壁の土台に大穴が開いてしまいこのままでは危険だという事が政府関連の不正を暴く組織により公表された。その時トランプ氏はこれに口を合わせるかのようにツィートでコルファージ氏を非難する立場を取った。しかしそれまでコルファージ氏をトランプや特に息子が強く推していた。しかもこのモデル壁を建設したのは、一番低い見積もりだったとかで政府によるトランプの壁の独占契約を獲得した建設会社であるのでこれも背後に何かあるのでは?と言われている。

 

バノン氏は住居を持たない放浪者ライフスタイルで知られている人だが、今回逮捕された時には反中国系の大富豪の豪華ヨットに長期滞在。金が先か、反中国が先か、判断はちょっとしかねるが、バノン氏はクシュナー氏からホワイトハウスを追い出されて以来、資金難に陥っていた、という噂もある。この反中国系の大富豪は元は中国のお役人。フォーブスでは世界大富豪の一人だが汚職で中国から逃亡。中国は人口14億の巨大国だが、一介の政府役人が世界の富豪番付けにのれるなど、私達には想像もつかない不思議な国だ。

 

バノンは、これは政治的に仕組まれた事件だ、皆さんは私は闘うのが大好きな事を知っているだろう!とTVで宣戦布告。

この事件、一体どの程度深く掘り下げられるのか、ちょっと見当がつかない。

 

ゴールデンシャワーの謎が解ける!?

大統領選挙まで70日余り。拙州は共和党州なので郵便投票が可能かどうかこれから調べてみるつもり。トランプ情勢は日々に緊迫度を増している。TVでは、トランプが何をしでかすか分からない、という警戒警報が大っぴらに流されている。

 

先週の政治的大ニュースは何といってもバイデンのVP(=副大統領)にカマラ・ハリスが選ばれたという事。今週はバーチャル民主党全国大会でバイデンが指名される予定。この超高齢者の大統領指名も史上異例の出来事だ。

 

しかし、関連ニュースはまだまだ続くのだが、これらは日本ではほとんど取り上げられていないようだ。その中の一つは、ボルトン前国家安全保障長官、トランプの姪、メリー・トランプに続いて暴露本第三弾が出版される、というニュース。しかもこの本の著者はトランプと決別した元フィクサー、マイケル・コーエン元弁護士だ。トランプの最も恐れていた悪夢が選挙前に実現する。

 

マイケル・コーエンは選挙間際になって、トランプと一夜を過ごしたストリップダンサー、ストーミー・ダニエルズに慌てて口封じ金を払った。これが、大統領選の結果に影響するような情報を故意に隠してならない、という選挙法に触れ、起訴されて約2年間の禁固をくらった。

 

起訴状にある共犯者"個人#1”とはトランプを指している。この11月に再選されなければトランプは起訴され有罪となるのは確実だ。現職の大統領は起訴されない、という司法省ルールが適用されなくなるからだ。

 

ところがこの6月のコロナ感染の激発で刑務所がホットスポットとなった為、禁固数年程度の囚人は自宅監禁に回された。コーエンもその一人だった。しかし、コーエンは一週間も経たない内に再収監。理由は司法省の条件を拒否したからだ。その条件とは、自宅監禁中に暴露本を書かない、その目的でマスコミ関係と交流しない、というもの。これに対して連邦判事は、フリースピーチに反する、として刑務所から自宅監禁への再移送を命じた。その上、このような条件はこれまで先例がない、とコーエンを特別扱いしたバー司法長官を厳しく公開で批判した。

 

下はストーミー・ダニエルズ嬢の2018年の拙記事ですが、この時点ではコーエン元弁護士はトランプ側近でした。

 

 https://chuka123.hatenablog.com/entry/2018/03/28/155527

chuka123.hatenablog

コーエンの暴露本、題は、ズバリ"Disroyal". その イントロの部分が公表された。それによるとトランプのロシア・コネクションとビズネスの裏が暴露されるという。すでにコーエンは去年下院公聴会で、担保用には資産評価を大幅にジャックアップ、しかし税金には超過小評価にして払わない、というトランプ方式を証言し、それに依拠したNY地方検察庁がトランプ関係の書類をドイツ銀行からすでに取得している。この差額がコーエンの証言通りだと詐欺罪が成立するからだ。トランプはドイツ銀行からのローン返済に失敗、しかし逆にドイツ銀行に対して訴訟を起こしている。普通では考えられない関係だ。

 

しかし何といってもマスコミの注目は、あの"ゴールデン・シャワー”に。これは2016の民主党本部ハッキング調査をした‟スティール報告”(=Steele Dossier) に言及されすっかり有名になっている。

 

スティール報告ではトランプはモスクワのホテルに数人の売春婦を呼んでおしっこプレイ、ロシア側にビデオに撮られた、というもの。

一方のコーエンは、これは本当だが、しかしホテルはモスクワではなく、ベガスで、しかもそれはトランプ夫妻が滞在したルームのベッドだった、となっているとか。ひょっとしてトランプはこういうフェチにハマっていたのかも知れない。

 

下はコーエンの暴露本動画。

もしこれが事実なら、トランプがけちょんけちょんに貶なしているスティール報告の確実性がまた上がります。まず、動画冒頭は、本を書くつもりかどうが共和党議員からしつこく質問されている下院公聴会のシーン。それほどコーエンの暴露本はトランプにとっては怖ろしいものになる。まさに”オクトーバーサプライズ‟そのものだ。

 

しかしこれに関連するかのように、つい先日、上院のロシア捜査の報告書が公開された。これは共和党下でなされたものでモラー以後も調査が続けられていた。驚くべきことは報告書はコーエンを裏ずけている。トランプはロシアから違法ハッキングの情報を受け取り、盟友ロジャー・ストーンを使って公開させた、という結論。しかも、選対委員長だったポール・マナフォートはロシアの情報将校とペアで活動していた、つまりロシア・スパイだった、という事です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=3NZZ-XaUdk8&t=141s


Michael Cohen Releases Forward To New Memoir, ‘Disloyal’ | All In | MSNBC

遂に出た!アタックドッグ、カマラ・ハリス

米国でのコロナ犠牲者は17万人を超えた。この8月からは数億人にのぼる失業者は援助金ゼロ。ホームレスや飢える家族が大量に出て来るのはもう時間の問題だ。病院崩壊のままトランプは学校再開を推し進めているのでこのままいけば感染ツナミに襲われる、という怖ろしい予想が流れている。こういった緊迫した社会的危機状況の中、先週ついにバイデンはカマラ・ハリスを彼のVP(=副大統領)に選んだ。

 

 カマラ・ハリスは現カルホルニア上院議員で、10人以上もいた民主党大統領候補の一人だったが去年の12月に資金不足を理由に民主党大統領候補指名選から抜けた。カマラ・ハリスが野心家と言われるわけは、彼女は2018年に選ばれた新米議員に過ぎないのに大統領指名選に打って出たことが理由だ。それはセクハラ容疑で#me too の天敵となったカバノー現最高裁判事、ついでバー司法長官指名公聴会での鋭い質問ぶりで名声を獲得したことが基盤となっている。

 

下の動画はカバノー上院公聴会でのほんの一コマにしか過ぎない。しかしここで冷や汗をかいているのはカバノー判事。ハリス上院議員はカバノー氏に、トランプの個人弁護士団とその時進行中のモラー捜査について話したことがあるのか、と質問している。カバノー氏はここで嘘をつくと偽証罪に問われる。しかし彼がイェスと答えるとカバノー判事はトランプに寄り過ぎと見られ上院で推薦されない可能性が出て来る。しかしノーとは答えず、あれやこれや言い訳をつくり返事を避けている。このカバノー判事はセクハラ容疑の公聴会では完全にキレてしまい、最高裁判事にふさわしくない、と米法曹界から散々の批判を受けた。

 

それでハリスをトランプが"nasty"とレッテルを貼っている。正確には”the nastiest"。

この言葉にピッタリする日本語訳はない。決して品のいい言葉ではない。逆に使っている本人の人格が疑われる言葉でもある。

https://www.youtube.com/watch?v=3DH8WnLLT4I&t=72s


Senator Kamala Harris Grills Brett Kavanaugh On Robert Mueller Investigation | NBC News

 

次の動画の最初の一コマはバイデンによる指名直後のハリスのスピーチ。"Kamala Harris Comes Out Swinging "とあるように、ハリスはバイデンのアタック・ドッグ。

 

"米に何億人もの失業者が出たのはトランプのせいだ!トランプはオバマ・バイデン下で歴史上もっとも長期に渡った景気拡大をそっくり受けついだが、他にそっくり受け継いだものと同じように、それらを全部ぶち壊した。原因は無能な人が大統領になったから!"とトランプを正面きってメチャこき下ろす。

 

お分かりのように、他にそっくり受け継いだもの、というのは、トランプ・ビジネスへの当てこすりである。

トランプのビジネスは本人の調子いい宣伝とは全く裏腹に、父親の金を次ぎこんだもので、トランプ個人による失策でことごとく破産に終わっている。

しかし、ハリスに対するトランプの憎しみは深く、週末には、ある有名な教授がこのカマラ・ハリスにはアメリカ国籍に関する疑惑があると書いている、とツイート。Here goes again!  これもオバマ大統領の時と全く同じ。

https://www.youtube.com/watch?v=CxLyKCzZB2o&t=151s


Kamala Harris Comes Out Swinging. Trump Can't Seem To Land A Punch. | The 11th Hour | MSNBC

 

カマラ・ハリスは従来の副大統領の役目から大きく外れている。かって副大統領は大統領からスポットライトを奪わないのが絶対条件だった。しかし今回はおそらく表むきには実質大統領となる可能性が強い。これに関して米国内外で様々な憶測が流れているのも事実。が、現時点ではっきりしているのは、バイデンに必要なのは黒人票をてことする反トランプの大量動員である。2016年のヒラリーの敗北は、黒人票に見捨てられたということが主要原因であると見られている。果たして、バイデンのアタック・ドッグとなったハリスがそれに成功するかどうか?今回の米大統領選、もの凄い事になりそうです。

 

トランプのアメリカ:最悪のインタビュー

米のコロナ死者は昨日8月7日に既に16万人を越えた。約2週間前に顔に汗を浮かべてフォックス・ニュースのベテラン、クリス・ウォレス記者とことごとく言い争ったトランプの姿は最低と批判された。それにもかかわらず今週の月曜8月2日に米国HBO(有料映画チャンネル)で放送されたデジタルメディアAXIOS(アクシオス)のジョナサン・スワン記者とのインタビューが今回はバイラルになった。このインタビューはフォックスのよりも最悪でこれでトランプの支持率は確実に30%台まで落ちたとさえ言われている。

 

下の動画は最初のほんの一コマであるが、トランプは米のコロナの死亡者数増加を頑として認めようとしない。明らかにトランプにはメンタルブロックがある。

 

コロナは現時点では感染者数が拡大するにつれ死亡率も増大する。理由は完全治療法がないからだ。しかしトランプはここでも米の死亡率は各国間で最低だと言い張る。これはフォックスのインタビューの続きを思わせる。

ここでのトランプの根拠は米の感染者数に対する死者数の割合である。米国での死者数の割合が低いのは米の医療水準が高いせいだと言われている。しかしトランプは全人口に対する死者数の増加は正しくない、として一切受付ない。低死亡者率なのでコロナは私のコントロール下にある、と主張。

 

しかしスワン記者が、あなたを信じて高齢者はマスクも付けずにあなたのラリーにやってきている、事実は米国内の死者数は毎日うなぎ登りに増えている、と反論すると、トランプは死者数増大は認めたが、"it is what it is" (=それはそういうものだ)と全く無関心で冷淡な口ぶり。すでに全死者数は10年以上も続いたベトナム戦争戦死者を越えているのだ、このような非常事態に対しての彼の反応はゼロ、政府として何らかの手を打つ気は全くない。

反対に、コロナテストを実施したり、呼吸器を各州に配ったり、私ほど感染者の命を救った大統領はいない、という逆説を堂々披露。スワン記者のあなたの動員力には誰もかなわない、というお褒めの言葉に、いや実は前回のタルサ集会では市側の発表の6000人は間違いで、実際は12000人だった、会場がデモ隊に囲まれ中に入れなかった私の支援者を数えていないからだ、と自らの妄想を披露。

 

すべては私のコントロール下にあり、私のおかげで米の経済も失業率も史上最高に素晴らしかったのに、これもすべては"チャイナ・ウィルス"のせいだ、感染を世界中に広めたチャイナを忘れるな!と繰り返す。だから私は一つ一つ、チャイナにやり返すつもり、と復讐を宣言。その時の歪んだ表情は本物だ。

『チャイナ、聴いているか?聴いているならバイデンの汚職を調査してくれ!』とTVで大声で頼んだのはつい数か月前の事なのだが、自分に都合が悪い事はケロッと忘れている。

 

その他に以下の如く、このインタビューはトランプの暴言虚言の宝庫。

 

・ロシアが米兵のクビに賞金を懸けたという報告は私の机に届かなかった、の一点張り。これがリークされた後もプーチンと電話では一切触れていない、理由はこれはフェイクニュースのでっち上げとブッシュ元大統領の側近が言っていたから。(ブッシュ元大統領と彼の側近はトランプに投票しない、と宣言している。)

 

・西海岸のポートランド市に国境警備隊員を送りこんでデモ隊と武力衝突を連日繰り返し市民を無差別逮捕し続けている為、オレゴン州から違憲と起訴されているのだが、あのデモは極左とアナーキストが扇動しているの一点張り。

 

・郵便投票は不正投票だから認められない、この不正は南北戦争!の時代から続いている(虚言)、すでに亡くなった人や飼い犬にまで投票用紙が送られてくるから見ていろ、とここでもメンタルブロック発生。事実は郵便投票は本人が請求しなければならない、過去にもっとも不正が少ない、ということをすっかり忘れている。今回の投票はコロナという悪条件でどのくらい大規模に投票できない人がでてくるのか予想できないのだが、郵便投票以外の代替え計画無し。

 

・先日亡くなったジョン・ルイス氏の国民葬に出席しなかったトランプは、ルイス氏は彼の就任式に来なかったから、と軽い口調で受け流す。このルイス氏はキング師と共に公民権マーチのリーダーだった人だがトランプを毛嫌いしていた。トランプはさらに、リンカン以来、黒人問題解決にもっとも功績のあった大統領は、この私!と続けたので、スワン記者も驚きの表情を隠せない。

 

最後の極めつけは、未成年少女レイプで拘束中自殺したエプスタイン被告の情人で共犯のギレーン・マックスウェル被告に、私達はかって隣同志の知り合いだった、元気でいて欲しい、と発言し、これも散々に批判の集中砲火を浴びた。

 

視聴者の印象は、頭がおかしい上に痴呆症の気がある、というのでほぼ全員一致。

トランプの表情は以前よりもの凄く老け込んでいたのも事実だ。これではバイデン氏との年の差は全く感じられない。

 

スワン氏のアクセントはオーストラリアから。彼の話の運び方はプロの精神病カウンセラー以上、というのは私の印象です。特にトランプに妄想を話させておいて事実を突きつけるというやり方が凄い。トランプも他の患者と同様にメンタルブロックで抵抗。本当に興味深いインタビューでした。

 

特に、USは各国に比べて感染ケース数に対する死者数の割合が、最低で、各国別で一番下、つまり一番上でそしてこれは最高だ、とわけのわからない事を述べたてている部分に注目。本当のキ印の証拠だ。

 

CDCを始めとして疫病専門家は来る12月には死者数は30万に達する、という暗い予想をしている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=WQsLvvEdyOk


Donald Trump clashes with HBO reporter over Covid-19 death numbers

 

 下のはYouTube動画のフルインタビューとなっていますが米国外ではつながらないという報告がありましたので、先にお断りしておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=zaaTZkqsaxY

カサブランカ:名作 or 迷作!

懐メロを紹介しているある素晴らしいブログに、映画『カサブランカ』の主人公リックの完璧なキザ男ぶりがあのジュリーの往年の大ヒット曲、『時の過ぎゆくままに』、『カサブランカ・ダンディ』のインスピレーション源だと書かれていました。この記事にひかれて私もこの映画『カサブランカ』のハンフリー・ボガードの超キザぶりを見たくなった。この映画は昔見た事がある。

 

『カサブランカ』はハンフリー・ボガード&イングリッド・バーグマン主演で1943年のアカデミー賞3部門を受賞。その上、常に米のベスト映画"100"のトップ10に入っているクラシックの中のクラシック。今回はVEMEO映画チャンネルで見ました。無料だったけど英字幕無しで。早口なので聞き取りに苦労。しかし画面・音声ともボケがなく古い白黒としては最高でした。

 

これもよく知られている事ですが、この映画には最初から賛否両論が出ていた。それだけ大衆の心を引き憑ける何かがある、といってもいいだろう。

 

時代は第二次大戦のドイツ占領下のフランス。舞台は仏領モロッコのカサブランカ。この背景だけでも興味深々なのに、主人公リックとイルザは愛の本場"おフランスのパリ"で熱い恋に落ち、ドイツ軍のパリ占領で二人は引き裂かれ、再び地の果てカサブランカで運命の再会を果たす、といういわば恋愛映画の極みのようなストーリー。しかし、この映画には何かしらハリウッド製二流映画の匂いがする。

 

実はこの映画の脚本は撮影と同時進行で書かれ、ラストシーンも本当にラストで決定、という常識では考えられない作られ方をしていた。原本となった戯曲は、映画会社のワーナーブラザーズがヒットを求めて大量に安く買い上げたストーリーの一つ。もちろん劇として上演された事はなかった。この戯曲ではリックとイルザはパリに住んでいたアメリカ人夫婦だったが、やがて離婚。しかし、イルザは2年後、ひょこりとリックのカフェに現れた、しかもチェコ人の夫を連れて。その夫の後をナチが追っていた。ナチの狙いはレジスタンスを援助していたイルザの夫の莫大な財産だった。この戯曲では女と元・現夫の三角関係に焦点がおかれていたらしい。

 

しかし映画では、イルザの夫はチェコのレジスタンス・リーダー。収容所からの逃亡に失敗し殺されたと信じたイルザはパリで絶望の日々を送っていたが、アメリカ人でカフェのオーナーだったリックと知り合い激しい恋に落ちた、という筋書きに変っている。しかし、夫は逃亡に成功、イルザはドイツがパリを占領した日にリックとマルセイユ行きの汽車で逃げる計画だったのにドタキャン、黙って夫の元に帰ってしまった。

だからカサブランカで再会というストーリーは素晴らしいが、恋人同士の愛の行方についてはっきりとは決まっていなかった。原本の戯曲も結論なしで幕だった。

 

主演女優のイングリッド・バーグマンはスェーデンからハリウッドに移ったばかりで、かなり際どい役を演じてセックスシンボルになっていた。しかしこの時、彼女はビッグ・オファーを受けた。『誰が為に鐘は鳴る』の主演女優役だ。相手は、ゲーリー・クーパー、米の国民的イケメン大スター。

この映画の舞台はスペイン内戦で、クーパーは米志願兵、彼女は現地の左翼女戦士。原作は文豪ヘミングウェイの代表作。カサブランカのリックでさえ、このスペイン内戦の生き残りで米に帰れずヨーロッパの流れ者となったかなり性格の歪んだアメリカ人として描写されているほど、米ではヘミングウェイの描くロス・ジェネに人気があった。当然バーグマンは『誰が為に鐘はなる』に集中し、脚本が一日ごとに変った『カサブランカ』は2流映画と思いこんでいたそうだ。バーグマンは、ハンフリー・ボガードについて、キスはしたけれど全く知らない人、と言っていた。しかし、演技とは凄いもの。二人の冷淡さの下に見え隠れする熱い炎が見ている方にゾクゾク伝わってくる。

 

下は日本製の動画らしいが、BGMのカサブランカ・ソングは最近のものらしく、結構人気がある。この動画にはリックとイルザのパリの熱々シーンが含まれている。このリックによる回想シーンはイルザとのいちゃつきの連続。デレっとしたリックの表情には見ている方が笑ってしまう。実はハンフリーボガードは元々ギャングスタ―映画の準主役としてハリウッドでのし上がってきた。だから普段の表情もみるからにいかつい。下のはいい動画ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=-PSfcBhxGZM

 


「カサブランカ Casablanca ~時の過ぎ行くままに As Time Goes 」Dooley Wilson

上の動画には無いけれど、映画にはパリのリックの高級アパルトマンのいちゃつきシーンがあり、奥には大型ベッドがちゃんと映ってます。もちろん当時のハリウッドの性的シーンはキスまでですから、このベッドで興奮した人、特に女性達、も多いはず。見えてくるのは、大ヒット映画を製作するにはあの手この手を使わにゃならん、ということですな。

 

それから、この映画での名(迷)句、"Here's looking at you ,kid "ですが、日本語字幕では"君の瞳に乾杯"、というのがあります。映画の中ではイチャイチャ・シーンに3回とラストのお涙ちょうだいシーン、と計4回出て来るわけですが、はっきり言って意味不明。このセリフは脚本には書かれていなかった。いわばアドリブです。セットでボガードやバーグマン達が待っている間に一緒にポーカーをしていた時にボガードがバーグマンに言った一句、「注目されてるよ(=お前の番だよ)、イングリッドちゃん」がなぜか映画では二人でのイチャイチャ乾杯シーンに出て来ている。このセリフ、いかつい表情のリックにあっているようです。