chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

マット・ゲイツ、人身売買で起訴迫る!?

先週5月14日、マットゲイツ自身が"wingman"  (=盟友、戦闘機団を追う後方機のパイロットから)だと言った彼の地盤、フロリダ州セミノール郡の元"税金徴収人"(=tax collector)だったジョエル・グリーンバーグが、33項目の起訴の内6項目の有罪を認める事で、ついに司法省と妥協したと報道された。トランプ司法省のビル・バーによりグリーンバーグはすでに起訴中だったが政治的理由で捜査が停滞していた。それにはトランプ側近中の側近の下院議員、マット・ゲイツが絡んでいたからだ。

 

このグリーンバーグ、反中央権力を旗印に、トランプ旋風に乗って2016年に共和党から郡の"税金徴収人"に初当選したのだが、その直後から彼自身の権力濫用が凄すぎた。

税金を契約や経費として自分や知人にバラまいた。その一つが今回登場する$7000(=約75万円)相当の帳簿上契約の相手の金髪美女。この方はパーティ要員なのに、LLC(=オーナーが債務責任を負わない会社組織、別名ペーパーカンパニー)を設立、そこに税務所からこの契約金が振り込まれていた。

 

マット・ゲイツをゲスト・スピーカーに据えた2019トランプ献金集めの金持ちリトリート大パーティでも彼女は大活躍。ゲストルームのバス・ルームカウンターにコカインのパウダーラインを手早く並べたのが焦点となっている問題の彼女。

これをマット・ゲイツはツツーと鼻へ吸い込んだそうだ。この女性をめぐりグリーンバーグとゲイツとは X 兄弟になったかどうかははっきりしない、と" The Daily Beast"はかなり突っ込んで書いている。この"The Daily Beast"はグリーンバーグによる告白状を入手した、といい大特ダネをものにした。

 

この告白状に関しては大手メディアは確認していない、と断ってはいたが、皆揃って詳細を報道していた。

 

しかし別のメディアによると、コカインを一緒にやらないかと薦められ、凍り付いて逃げたエスコート嬢の話としては、そこで3人乱交、となっている。

 

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なぜ連邦法にひっかかったのか? このグリーンバーグに関しては速くから違法行為が公務監視機関に報告され、FBIに捜査が依頼された。その結果、このフロリダの"税金徴収人"は自分の役所を私物化していたのが発覚。その一つはセックス目的のエスコートを役所専用のコンピューターから次々とピックアップ。多くはぴちぴちの女子大生とモデル志望。偽IDカードも税務所で偽造、彼女達に一回各$500(=54000円相当)をアプリで払っていた。アプリ上の名目は"アペタイザー""レモン"と様々だがそれに"ass" (=尻、だが口語でズバリ、セックスの意)があった。

 

売春は州犯罪として取り締まられ、軽反罪(=misdemeanor)として罰金と短期間の禁固か課せられる。公衆道徳に反する罪という法的視点も日本の"醜業"と共通である。

しかし日本の売春防止法では売春は禁じられているが、懲罰規定がない。今でも売春防止法は売春を禁じていないが仲介業のみを禁じている、と信じている人が圧倒的に多い。

しかし、米では売春人と客、双方が取り締りの対象であり、客の方の罰が重い。この売春法にひっかかり有罪になれば政治家の政治生命は絶たれるのが通常だ。

 

今回持ち出されている連邦法の反人身売買法は、1910年制定の反白人奴隷法の流れを引いている。"白人奴隷"というのは当時は人身売買を指している。つまり、グリーンバーグによって今様の人身売買=エスコートサービスが組織され、ゲイツ自身も金を払い、エスコート・サービスを使ったということである。マット・ゲイツのように、フロリダを超えてエスコート女性を連れ出したケースでは連邦法が適用される。彼は外国であるバハマまで連れ出しているのだ。

 

その反人身売買法では、18歳未満の未成年に関しては法的レイプが適用され、最低12年の禁固刑だ。グリーンバーグは今回、司法省との妥協で、未成年者をエスコートとして勧誘し、彼もセックスし、他の男も彼女とセックスした事を認めている。他の男とは、ほかならぬゲイツなのだ。

 

未成年レイプ犯罪者となると、出所後は性犯罪者として住居届出が義務付けられる。多くの法曹関係者はこの事件が報道された時から、ゲイツには腕のよい犯罪弁護士が絶対必要だ、とTVで忠告してきた。しかし、彼はすべてを全面否定、それどころが、親分トランプを頼みにし、彼に向けられた疑惑には正面切って挑戦してきた。下の動画にも先週の水曜日にレポーターを無視して歩き去るゲイツの姿がある。

今週の月曜日に、グリーンバーグはフロリダ州の連邦裁法廷で公式に有罪であることを認める予定となっている。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=qGg_P2qRjLY

トランプ:リズ・チェイニーへ復讐の鉄槌!?

拙"トランプのアメリカ"はバイデン政権成立後のトランプを追っています。

 

落選大統領トランプと共和党のお姫様ことリズ・チェイニーの対立はズバリ1月6日の議事堂襲撃で始まった。

リズ・チェイニーはブッシュの副大統領だったディック・チェイニーの長女で共和党中の正統共和党として知られている。彼女がワイオミングから下院議員に初当選したのは2016年だから、いわばトランプの波に乗ったと見ていい。

 

この時彼女は"カーペットバガー"(=carpet bagger)という全く有り難くない名で呼ばれた。つまり、親の名をかたに住んでもいない州に全米共和党の名をしょって乗り込み、地元候補を蹴散らした、という意味だ。

しかし、リズ・チェイニーは1月6日のトランプ扇動事件の弾劾を支持した共和党下院議員10人の一人となって事態は急変。理由は彼女は2019年から下院の共和党議員団の幹部#3、共和党議員会議長になっていたからだ。この為彼女はトランプの個人的ヘイトと復讐の的となった。

 

彼女の存在は、来年2022の中間選挙で下院多数を狙い、さらに2024で大統領に返り咲こうというトランプの復讐(妄想)シナリオの大きな障害となっている。2回目のトランプ弾劾の失敗後、2月3日に下院共和党議員団はトランプ派の忠臣議員達、マット・ゲイツ等が、まずチェイニーを追い出そうと、匿名投票を行ったが、145対61でチェイニーの勝ち。この時は下院共和党幹部#1のケビン・マッカーシーがチェイニー側についたのが原因だ。マット・ゲイツは今、セックススキャンダルで起訴寸前だと報道されているが、この直後ワイオミング州までわざわざ出かけて、チェイニー批判をぶってトランプへの忠誠心を見せびらかした。

 

しかしその後、下院共和党幹部#1のマッカーシーはマーラーゴ参りをしてトランプと仲直り、今回は彼自身の忠誠の証として、チェイニー追い落としの先頭に立ち、今日5月12日の朝、再び共和党下院議員による、"yea" (=ィえぃと発音)か  " nay"(=ねぃと発音) の掛け声投票、つまり皆の一斉掛け声の大きい方が勝ち、によりリズ・チェイニーを下院共和党議員会議長から引きずり降ろした。

 

 下は昨日の夜、リズ・チェイニーの下院でのスピーチの一部。

 

・・・数百万も数百万も、前大統領がこの人達を道に迷わさせた。この人達は前大統領の発言を聞いた。が、それは真実ではなかった。

トランプは民主主義の原則を突き壊し、有権者に疑いの種を撒き散らした、民主主義は成り立っていけるのかという疑いだ。

私は保守の立場の共和党員だ。保守の中の保守は法を遵守する。各州選挙員は投票した。前大統領による不正選挙クレームは裁判官によりすべて却下された。その中にはトランプに任命された判事が含まれている。

トランプ司法省は不正選挙クレームを調査したが、結果として何も出てこなかった。大統領選は終了したのだ。これが法だ。これが憲法の規定だ。これに問題がある人達は憲法に戦争を挑んでいる。

ここでの私達の義務は明らか。私達一人一人は皆米国憲法を守ると誓った。それならばここで皆は憲法を、破壊する者から、守らなければならない。・・・・・

 

果たしてリズ・チェイニーの政治的将来は?

 

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https://www.youtube.com/watch?v=kUPB5NRJfJU

IOC のバッハはぼったくり、中国はアナコンダ!?

WaPost 5/4   の論評で日本政府の五輪開催強行を真っ向から批判するのが出た。IOCのバッハ委員長につけたあだ名、" Baron Von Ripper-off "  =ぼったくり男爵  が日本国内でちょっとした流行語となってしまっているようだ。

従来の英語では" robber baron" =泥棒男爵  だが、米口語の rip-off=ぼったくる、 を当て嵌めているのが今様で斬新だ。

 

バロンとは殿様を指し、中世の頃、有力領主御一行は毎年領内数か所を移り住んだ。理由は御一行が滞在した辺りが飢餓に陥るのを防ぐ為であった。これは論評筆者の解釈です。

 

筆者は、オリンピック開催で日本はIOCに主権を委ねたわけではない、自国に危険と害をもたらす事は主権国家として断固止めるべきだ、今からでもこの先の予想もつかないコスト高は切り捨てることができる、と主張している。

 

以下は記事の拙要約。バッハの率いるIOC、は近年ぼったくりが加速、米、中国の経済大国やプーチンのような"thugocrats"(=ごろつき独裁者)しかIOCのぼったくりについていけなくなり、それ以外の国での夏季オリンピック開催が困難になってきている。

 

thugocrats は、thug=ごろつき+autocrats=独裁者のコンボ。2語の融合でロシアを皮肉っている。

 

4年前に日本が開催国となった時の見積もりは約7千億円。しかしこれまで日本はすでに2.5兆円使っている。これからコロナ対策費、テスト、ワクチン、隔離 などを含めるとどこまで費用が膨れ上がるか予想できない。特に契約に従えば日本側は選手や随員など一万人の医療費全額負担と期間中は特別に病院や医療者1000人を準備することになっている。

 

このようなオリンピックコストの暴発(=cost blowout ) は今回の日本だけではない。オリンピック後のブラジルの借金まみれは誰もが知っている。原因は見積もりから最終コストが少なくとも3.5倍に膨れ上がったからだ。その前のロンドンでも事情は 同じ。その一大要因はIOCのエスカレートする最上への要求だと指摘されている。だがIOCは最初の見積もり額の9.1%増しが実際のコスト、と全くいい加減にごまかしてきた。事実は平均213%増しとなっている。ここでの日本のケースはすでに4倍近くに膨れ上がっているのだ。

 

こうしてコスト暴発は契約を盾に開催国に一切押しつけ、自分達はスポンサーである大企業からの契約金をしっかり確保するのがIOC流だ、と筆者は告発している。

 

日本はこのIOCの金儲けの為の踏み台になっているのだ、と。

 

それから契約違約金だが、筆者はIOCは一体どこの裁判所に違約金を請求するのか、という疑問を持ちだしている。IOCは国ではない。参加国による連合組織で日本もその参加国なのだ。それでも日本に違約金を請求したとしても、IOCが国際的非難を浴びるのは必至だと。そもそもコロナ事態は開催国日本の責任ではないのだ。

 

ところで筆者は2022の冬季北京オリンピック・ボイコットも主張し、WaPost で論評を書いた。筆者によれば、中国は今や巨大蛇で知られる"アナコンダ"になった。それがいつのまにか世界という家に入り込んでしまった。しかしあの眼に睨まれると住んでいる人達は恐怖で凍り付いてしまうのだ。このアナコンダがIOCをはじめオリンピックのスポンサーとなった大企業を蛇の目で睨みつけ恐怖の虜にしている、と主張。

この記事へのコメントの大半は中国人差別だと筆者を批判している。

 

論評のタイトルは" Japan should cut its olympic losses"です。

 

 

 

 

東京オリンピックが危険な綱渡りになった!?

下はIOCの公式サイトから。

IOCは東京オリンピック2020の開催は日本側との合意の結果だと明言している。日本では開催はIOCの意向だと誰かが吹聴しているそうだ。

第3者として国際社会は開催に口を挟む余地はない。しかし今度は日本及び日本政府批判をするメディアがポチっと現れてきた。

https://olympics.com/ioc/news/joint-statement-by-the-ioc-ipc-tokyo-2020-tokyo-metropolitan-government-and-the-government-

 

下のように、この先の国際社会との悪化を予想するブログも現れた。

東京オリンピックを中止しなければ、日本は国際社会で悲劇的な評価を受けるだろう | Social Chemistry

 

下は、4月13日付けのBMJ(=British Medical Journal ) に掲載された論評であるが、医学的視点から東京オリンピックを中止するように警告している。書いた4人のうち3人は日本出身の研究者のようだ。

約10か月前にIOCはオリンピック延期を決定。理由はコロナ感染の終息予測だった。その間にコロナテスト・個人隔離の強化とワクチン開発を見越しての楽観的予測に満ちていた。しかし現在事態はIOCの予想に全く反したものになっている。

 

米はワクチン無料接種が60歳代と肥満・糖尿等のリスクあり層をすでにカバーし終わり、ターゲット人口の50%に近ずいている。それと経験取得による医療の著しい改善でコロナ感染死者数が減少している、と分析されているが、それでも地方で感染再発の波が起こり感染は充分に制御されていないと見なされ、バイデン政権は通常化に対して慎重である。

 

世界的にはインドやブラジルで新たにコロナ大暴発が起こっている。医療側から現在必要なのは、ワクチン接種にマスクと個人隔離等の予防対策及び感染者の治療向上と言われているが、東京オリンピックはその動きに何やら逆行、オリンピック後に国内で感染ツナミを発生させるのではないかと内外の医療専門家側から疑われている。

特に日本政府の今回の東京オリンピック強行決断は医療視点がモヤモヤで不透明だと指摘しているのがこの短い記事の要旨なのだ。

 

ところでIOCのプレイブックでは、オリンピックに参加するアスリート及び随行者たち約2万人は入国者隔離を免除となっている。その代わり、コロナテストを入国前と後も実施、それに入国前のワクチン接種を実施するということになっている。入国後は関係施設以外の外出を基本的に禁止しているが外出するな、という方が無理だろう。

同様に、日本側のボランティア、約78000人にも予防に関して同じ措置がなされると思われる。

 

この論説記事では、オリンピックに関連する人達の感染予防の特別扱いに関しては命を救うので反対してはいないが、これは一般市民にも同等に適用されるべきあり、オリンピック関係者の特別扱いは医学的倫理に反する、と批判的だ。

日本国内ではコロナに対応する医療施設が全く充分ではない。ワクチン不足とワクチンに対する拒否反応で2%の低接種率。コロナテストすらも充分に普及していない。この時期でオリンピック開催は危険過ぎる、というわけだ。

 

IOCのプレイブックでは、コロナテストの対象となる接近者の定義として、15分以上感染者と1m以内で接近したマスクをしていない人、となっている。これでは、皆マスクをしているので日本側の接近者はいなくなってしまいコロナテストの対象にならないという言い訳になりそうだ。外国からの観客禁止で観客は日本人又は在住者のみというのもかなりおかしい。オリンピック・ブーム後に日本国内で感染が暴発しても日本の問題だから国内で対応すればいい、というわけなのだろうか?

 

妙なところで"日本人特別説"が顔をのぞかせている、という印象を私は受けている。

  

Reconsider this summer’s Olympic and Paralympic games | The BMJ

 

"ノマドランド"はアメリカの貧乏人ツーリズムなのか!?

"ノマドランド"は作品、監督、主演女優賞で21年のオスカーを獲得した。その前にはトロントとベネチア映画祭でも賞を取っていたという名作の誉れ高い映画というので好奇心にかられてHULUで見た。愚娘がついにCable TVを解約、HULUでTV番組を一切見るはめになってしまい、検索するとこの映画がHULUストリーミングにあった。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=89a0cFJypww

 

これもこの映画紹介で必ず出てきているのでもう耳にタコだろうが、ノマド(=nomad)というのは遊牧民のことだが、個人的には一つの住居に長く落ち着けない人を指している。ここではRV(=recreational vehicle)に住んで移動生活をしている人達のことだが、RVで旅しているのは若い人から年寄りまで、貧乏人から富裕層まで、多様であり、一概にこのグループが貧乏人とは決めつけられない。

 

ホームレスで車やバンに住んでいる人は珍しくない。しかし旅用のRVには中にキッチン、ベッドや収容棚等々の設備があり、そこが大きく違う。

 

とにかくRV生活者は、収入面はともかく、かなりモチベーションのある人達で、彼らの生き方が"終わりのない旅"や"自由"のイメージへと繋がっている。

 

この映画のはじめの部分では、RV生活者は Amazon のクリスマス時のパートに群がり生活費を稼いでいる高齢貧困者として描かれている。

1900年代の後半からリタイヤの三本柱として、社会福祉年金、職場年金、貯蓄が挙げられてきた。福祉年金は給料から政府が直接天引き、職場年金は職場で給料が払われる前に指定の投資ファンドに入れ後で現金化する際税金を払うしくみだが、ほとんどの職場はマッチングとして金を余分につけている。私の最初の職場は100%マッチングで月一万円入れると職場が一万円足してくれていた。しかし職場を去った後に初めてこれを知らされ怒りでムカついた。この倍々ゲームで得をしていたのは職場のオーナーだったからだ。

 

米では職場年金と貯蓄をすでに使い尽くし国民年金に頼るしかない高齢者が増えている、と報道されている。

それでも1980から90にかけては低賃金労働者不足で"マクドナルド・グランパ"が現れた。つまりファーストフードでリタイヤ後の老人達がパートとして雇われ奥でハンバーガーを焼いていた。それらの老人の姿がTVニュースになり世間を驚かせた。今回のAmazon 騒動はその続きみたいに見える。状況は変わっていないのだ。

 

ところでこの映画は、前半のノマドと呼ばれる人達のRVキャンプ・カルチュアから初老の女主人公ファーンの行動に焦点をあてた後半とに分かれている。貧乏人ツーリズムに浮かれている人はこの変化を見逃す可能性がある。

 

ファーンは少なくとも62歳前後の未亡人。これは彼女が Amazon のパートが終了した直後に社会福祉年金事務所を訪れたシーンからの推測だ。事務所はファーンに年金を早めに受け取るようにアドバイスしているのだが、彼女はアタマから拒否だ。私は生活の為に働かなくてはいけないし、働くのが好き、と妙な理屈までこねている。

多くは政府からの年金を貰うかたわら働いているのだが、ファーンは結構世間知らずの部類に属する人のようだ。

 

特にファーンは62歳になれば夫の年金を全額引き継ぐのだ。夫は癌で亡くなるまでネバダのある大会社の社員だった。管理職だといっているから年金額もかなりいいはず。月3万4千円のRVパーク料金、共同キッチン・シャワー・電気料込、はそんなに負担にならないはずだ。それを頭から断ったファーンは料金も払えず、RVを勝手にパークし、野原でおしっこ、大きい方はRV内でバケツに、という事態になっている。

 

映画の後半では彼女のRV放浪者としての破天荒な生き方は夫の死と密接に繋がっていたことが明らかになった。愛する者の死は残された人の心に大きな影を落とす。そのトラウマから回復できるかどうかは本当に個人次第なのだ。

数々の落ち目体験の末にファーンはある一大決心をした。レンタル倉庫に預けたままの亡き夫ゆかりの家具や思い出の品々を全部処分することにした。それらを引き渡す際のファーンの本当に嬉しそうな表情が、最後のシーンである。見事なアンチクライマックスだ。新しい人生を生きる決心をする石頭でガッツィ(=gutsy) なファーンを好演しているのが主演女優賞に輝いたフランシス・マクダーモンド。

 

なぜこの映画は"R"レイティングなのだろうか?セックスも暴力シーンもないのに、と疑問に思うのですが、理由はあの排泄シーンのせいか?とついうがった見方をしています。

 

バイデンの"ジャパニーズ・ボーイ"騒動!?

遅くなりましたが、まず

Congrats  松山君  on winning your Masters!

 

松山秀樹のビクトリー・スマイル、本当に爽やかです!

 

しかし、またまた 

バイデン、すわ失言?か!

と、この朗報がちょこっと政治的に問題となった。ちょこっとというのは、SNSで騒いだのは米の残滓トランピスト達だからです。下の動画は問題の部分です。動画の下部にはバイデン・ヘイトのコメントが延々と続いている。

 

www.youtube.com

 

https://www.youtube.com/watch?v=0Lk2pLu62A8&lc=UgzUMdHF3V2JoUKi72x4AaABAg.9MG4wkZtHiL9MMjC_qoKlD

 

4月17日、ホワイトハウスのローズガーデン。日米首脳の共同記者会見。

 

>ヨシ(=菅首相)、あなたがどんなに誇りに思うことか。日本の人達がどんなに誇りに思うことか。・・・あんた達の"ジャパニーズ・ボーイ"がこっちにやってきて、さてどうなったと思う? 彼はマスターズに優勝したんだ! 彼はマスターズに優勝したんだ! グリーンジャケットを勝ち取ったんだ! ミスター松山は日本人選手として初めてグリーンジャケットを家に持ち帰った・・・

 

松山秀樹29歳、を『少年』と呼んでバカにした、この時のPMスガのギョッとした表情を見ろ、日本に対する屈辱だ、おいぼれ認知症のバイデン、とトランピストは非難をあびせた。

この時同時通訳がどう言ったのか、知る由もなし。

 

"Boy"はまず少年と訳されるが、それだけではない。

 

父親から"my boy"と普段言われている人の反撃ツィートでは、父親は80歳で彼は60歳近いそうだ。boy  は若いもんという意味で年寄りが頻繁に使っている。

 

日本でよく知られている(いた?)のに、" boys be ambitious" (=青年よ大志を抱け)がある。だがここでは少年ではなく若者=青年を指している。これは札幌農学校の第一回卒業生に贈られた言葉だから、卒業生は若くとも22歳前後だと思われる。

 

最近のアフガニスタン撤退について、"it’s time for our boys to come home" というのがコメントにあって、ここでは米軍一般を指している。もちろんその中には十代のプライべート(=新兵)から50歳代のゼネラル(=将官)までいる。

 

だからバイデンの"boy" は口語としては一般的だが、面と向かってそう呼ばれて怒ってその場で職を去った人も知っている。特に自分と同等かそれ以下の人から言われるとムカつくのだ。

 

素晴らしいのは日本人は米では10歳若くみられるのがごく普通。だから松山さんは十代に見られているに違いない。しかも年をとるにつれ、その差が開き、最後は20-30歳若く見られる。これなどは嬉しい限りではありませんか!

 

実は"ボーイ"発言よりもっとおかしいのは、バイデン氏の会見ののっけの言葉だ。

"グットアフタヌーン、PM(=日本の首相)はここで日を登らせた、だから何でもござれだ。・・・・"

 

思わずクビを傾げざるを得ない、冗談にしてはひど過ぎる、とマジで指摘する米人が少なからずいた。おそらく日本通の人達なのだろう。確かに日本は 英語で" land of rising sun" なのだ。なるほどバイデンさんの言い方は独特でおもしろい。

 

 

フロイド殺人の元警官が有罪!?

ジョージフロイド殺人事件の主犯である元ミネアポリス警察官デレック・ショーバン 被告への判決が4月20日に裁判官によって読み上げられた。ショーバン被告の、" Knee on Neck " 動画はSNSでバイラルし全米だけでなく世界をも戦慄させた。

 

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この裁判がスタートする直前にミネアポリス市は被害者ジョージ・フロイドの遺族と約27億円という破格の損害賠償を払うことで和解している。

 

今回、裁判員(=jury)12人の内訳は男性5、女性7の割合。白人6、黒人4、その他2だが、私の注意を惹いたのは、黒人4の中に移民が2人いたことだ。特にアフリカからの移民は教育程度が高く母国では大卒以上で米では公務員やホワイトカラーとなっているという上昇トレンドが顕著なグループだ。

 

これは私の推察に過ぎないが、ハイ・サラリー(年収1000万以上)と思われている、IT関係、心臓・循環器専門ナース、化学者というのがメンバーとして挙げられていたところから収入の面ではスーパーリッチはいないようだが、貧困層の人もいない、という印象を受けた。

 

裁判員は検察及び被告側によりあらかじめ選ばれた市民の集団から慎重に選ばれる。メディアによると、容疑者に対して最初からネガティブな印象を抱いているのがほとんどだったが裁判次第、と皆が述べていた。この裁判は殺人罪3点について裁判員の判決を求めるもので、刑の重さから並べると、それらは、

2級犯罪殺人=最大限45年、3級職務上過失殺人=最大限25年、2級 manslaughter、違法行為による発生殺人、最大限10年と罰金、となっているが、裁判員にも一般人にもこの区別は分かりにくい。

 

最初の起訴では、3級、つまりショーバン被告が警察規則を意図的に無視したのが殺人に至った、というのだったが、軽すぎると外部から非難され、2級の犯罪殺人を加えた、といういきさつがあった。今回裁判員は上の3点に対してすべて有罪という判断を下した。しかしまず殺人事件であるから、ショーバン被告が殺人をした、という事が100%裁判員の前で立証されなければならない。そのせいか裁判中にそれまで9分以内であった"Knee on Neck"のタイムラインが9分30秒に延長となっている。

 

死後被害者の体内から、多量のメタアンフェタミン(覚せい剤)と麻薬認定の鎮痛剤フェンタニルが発見されたことで、死因はこの薬による急性心臓障害の疑いが主要な反論となった。被害者の慢性心臓不機能と薬使用が重なって心停止に陥ったという疑いの種を被告側が撒いたわけだ。

 

しかし検察側のエキスパートは、被害者は片膝でクビを圧迫されて約7分で意識不明となりその直後8秒以内に絶命した、被害者の表情、助けを求めている時の超拡大した瞳孔から目を閉じ失神、の急変化は外側からそれを指摘していると反論。しかもその時点で他の警官が脈拍がないことを報告、それでも被告は殺人行為を続けた。約2分間後には救急隊員も脈が無い事を報告、その時点で被害者の手足がぐったりとして力がなかったのは被害者が運送される映像でも明らかだ。

 

これではたとえドラッグによる影響が心臓に起こったとしても、ショーバン被告は、被害者の意識不明、脈拍なし、という警告も一切無視し、意識不明後の2分間あまり人命救助の心臓コンプレッションをしなかった、これでは被害者が生き残る機会が全くない、というので、殺人が立証された。

 

職務上過失についても、ミネアポリス市警は " knee on neck" は市警の行動規則に入っていない、とまで証言。ここらへんはかなりあやしい、は拙印象。

 

有罪となったショーバン被告の実際の刑期はヒヤリングの後、裁判長によって決定される予定だが、ミネソタ州の刑期ガイドラインではショーバン被告は初犯であることなどから12.5年前後となりそうだ、と報道されている。ショーバン被告が刑務所で模範囚にでもなれば刑期短縮で10年以下となるかも知れない。それに対して、被害者側は、もっと重刑を、と運動している。

 

下の動画には2019年にショーバン被告の夫人ケリーメイがミセス・アメリカ・ミネソタ州代表に選ばれたシーンが含まれている。夫妻のハッピーな日々が’伝わってくるようだ。彼女は米軍に協力したラオスの山岳民族の避難民として幼い頃米国に移民した。親による見合い結婚の後バツイチとなり、ショーバン被告の一目ぼれが結婚に繋がった。しかしこの事件が起きた数日後に夫人の方が離婚を発表。夫人は7040万、ショーバンは4210万という財産分割となっている。2人の間に子供はいない。

 

その他に非常に短いシーンだがフロイド被害者が救急車の中に運ばれた際、ショーバン被告の全く無表情な顔も動画に入っている。私は彼の無表情は現実隔離症状のようで普通の精神状態ではない、という印象を受けたが、裁判中もこの調子だから彼は普段もこういう人だったのかも知れない。

 

しかしこの事件は本当に黒人差別なのか、警察官の現場のレイジ(=rage、怒り爆発)なのか決めかねる、というのが私の率直な印象です。

 

この動画には全く言及されていないが、国税局は事件の数日後から夫妻に対する脱税捜査に着手、2か月後には夫妻を総額380万円の脱税容疑で犯罪として起訴している。おそらく誰かが連邦税務局にチクったようだ。 

 

 

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https://www.youtube.com/watch?v=eaml9K08OyY&t=1s