chuka's diary

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エコノミークラスシンドロームは貧乏人をバカにするネーミング

 エコノミークラスシンドロームとは、貧乏人を全くバカにしたネーミングではないだろうか?

この名を初めて耳にしたときは、正直言ってかなりムカついた
拙者の住んでいる米国とは違い、日本は格差社会。つまり、『上からの目線』がものを言う国。要するに、‟上”に自分のアイデンティティーを合わせる人が多いということか。これが米国ならば、立場は逆になる。
 
しかしイシューは国民心理(=national pshychology)はなく、事実に関してなのである。
エコノミークラスシンドロームは、米国医療が早くから予防に取り組んでいるのだ。
病名は、深部静脈血栓症=DVT( Deep Vein Thrombosis)
これがもっとも頻繁に起こるのは、飛行機のエコノミークラスからではない、手術後である。特に、骨折修理や、下腹部の手術後の発生率は非常に高いのだ。
だから、手術直後米国の病院では、カーフポンプ(ふくらはぎにつけて足を交互に圧縮)とヘパリンという血液の血小板の働きを妨害する薬を注射するのだが、この注射は、一日3回で、かなり痛い上に、青あざができるなどするので、非常に評判がワルイ。それでも、手術後数時間後には、もう立って歩いてもらう、ということになっている。歩くことが最大の予防だからだ。
 
このDVTは、足の静脈に発生する場合が多い、静脈を離れると、大静脈、心臓、肺動脈、そして肺に到着するのだが、大き過ぎて肺の毛細血管に入ることができないので、毛細血管は血栓に塞がれ機能停止、一時的壊死だ。重症だと、呼吸困難、心的鼓動が異常に高まり心停止となる場合が多い。こうなるともちろんメディカル・イマージエンシー。
 
DVT発生の理由は、体を動かさないから、ということになってしまっているが、それだけではない。
DVTが発生しやすい人がいるのだ。50才以上、体に脂肪部分が多い、避妊薬を飲んでいる、タバコ・酒・ヘロイン・覚せい剤の常用または過去の常用、とかリストは延々と続く。
 
手術後に頻繁に発生するDVTにつては、手術そのもの、つまり、麻酔薬で血液循環の変化、長時間にわたる手術台で特定の体位が必要な場合、等々、に起因するのではないか、とも考えられ、はっきりした原因そのものは明確ではない。
 
統計的には、エコノミークラスから発生する率は気にしなくてもよい、と言われている。しかし、エコノミークラスから、またそうでないにしろ、DVTは手術以外でも発生している。もし、私達がハイリスクのカテゴリーに入っていれば、可能性に注意することが必要だ。特に日本は美食天国、つまり、ビールや酒のつまみにハイコレステロールを含んだ食品が好まれるような国だから、本人のきずかないうちに、DVTリスクが高くなっている、ということも考えられる。

 

 

 

足を心臓より高めにするだけで、静脈の流れはよくなる。
フライト前の数日前からアスピリン錠を取るという手もあるが、胃腸の弱い人には進められない。