chuka's diary

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沖縄女性死体遺棄事件とは?

 

沖縄女性遺体遺棄事件の波紋は今やビッグウェーブに。
 
まず、日本政府はケネディ米大使を呼びつけて叱責、今回の志摩サミットを訪問中のオバマ君にもアベッチからのキツいお達し。地元沖縄では、基地撤去と声をからして叫んでいる人達がモメンタムを得ている。
 
容疑者は,シンザキ・ケネフ・ フランクリン。アメリカ国籍のAA、アフリカンアメリカン、(つまり、黒人)。しかし彼の苗字は沖縄系だから、皆を一瞬戸惑わせることに。しかしこの事件は、単なる個人の凶悪犯罪の枠をこえてしまい、今や沖縄・日本では政治的ビッグイシューとなっている。
 
まず、容疑者は、SOFA =The Status of Forces Agreement でカバーされているのか、ということ。日本のマスコミは皆一応に、容疑者が元海兵隊員であったこと、事件発生当時、嘉手納米軍基地で働いていたから軍属。だから、この犯罪は米軍に責任があるの一点張りである。
しかし、法的にはシンザキ容疑者は、米国籍の民間人であり、国防省の公務員でもなく、基地の労働請負会社の契約派遣従業員。だから米政府はシンザキ容疑者はSOFAには適応されない、と言っている。容疑者は、沖縄女性と結婚し、沖縄姓を名乗っているくらいだから、国籍こそは米だが、一体本人は何人と思っているのかもっか不明。しかし、ダイハード(=Die Hard) な基地撤去派にはこういった個人的事情はとても理解できない。
 
それにカルチュアギャップというイシューが加わる。
米国は移民の国、だから全体としては、外国人による凶悪犯罪が多いのは当然。
 
2001年の9・11、当時2997人が殺害された、犯人は19人、国籍は、サウジ・アラブ首長国連邦・エジプト・レバノン
2007年9月、バージニアの名門大学で、韓国籍学生による乱射事件、32人殺害、負傷者多数
2013年 チェチエン共和国からの難民兄弟がボストンマラソンに爆弾をしかけ、3人殺害、負傷者多数
 
また、最近では この5月14日に、日本人男性が結婚解消を恨んでニューオーリンズで地元女性を殺害し、前婚約者の両親に傷害を負わせた。
等々、探せば続々と出てくる。しかし、米政府が、サウジや韓国・日本の大使を呼びつけ、叱りつけたという報道はない。
 
しかし、日本人には、日本人がひき起こした事件は、起こした個人の責任よりも、日本の恥という感情が先行する。そのいい例は、1972年、日本赤軍がテルアビブ空港で乱射しプエルトリコからのエルサレム巡礼団を殺害した事件である。日本政府は自主的に150万ドル(約4億60万円)を迷惑料や見舞金としてイスラエル及び関係者に支払った。
だから、その裏返しとして、アメリカ国籍者の犯罪は母国が責任を、となってしまう。つまり日本はあの頃とちっとも変っていないのだろう。
 
しかし、だからといって、こういった日本人の国民感情(=national pshych)を、やはり日本は、といって批判するのもどうか、というのが最近の米国事情。たとえば、NYの暴言王トランプ氏は、回教徒の米国移民の禁止、メキシコ人は強姦魔だから、米メキシコの国境に壁を建設する、などと息巻いているのだが、これがもの凄く受けている。
経済事情の悪化でたまりにたまった社会的うっぷんを外国人や自分以外の他人種にぶつけるのは、歴史の中のどこか来た道。