chuka's diary

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トランプのアメリカ : キングコングvs.ゴジラ

前回のブログで書いたように、米政界はこのところ毎日が驚きの連続だ。 去年の10月に民主党が下院を掌握し、一月に新しい議会が招集、下院議長にナンシー・ペローシが正式に就任した。以来、トランプはフェイクニュースに加えて下院民主党連合軍を新たに敵方に回すことになった。政府機関閉鎖は過去に幾度も繰り返されてきたが、これは下院が米国連邦政府の財布を握っていることが原因だ。これは大統領権限の制限が目的だが、今回はトランプもペローシ議長もいまだに妥協する気を見せていない。
ペローシ議長(写真左)の狙いはモラー捜査を守り、トランプを大統領罷免に追い込むことだから、もうどうなるか本当に先が怖い。
国民への年次基調報告という大統領の大演説が下院で行われるのが毎年恒例となっているのだが、それが1月29日に予定されていた。ところが昨日、ペローシ議長は公式レターで、大統領にこの演説を延長するように要求した。理由は下院も部分しか機能していないので、大統領はじめ政府要人全員が一挙に下院に押しかけられても困る、どうしてもしたかったら文書でどうぞ、というもの。トランプのツィートは誤字が多いので、多くの人々の笑いを誘った。
 
 
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ところがトランプはこの公式レターに対して24時間だんまりを決め込んだ。そしてその理由がつい先ほどやっと判明。実はペローシ議長と下院議員団は今日の夕方ワシントンDC郊外のアンドリュー空軍基地から軍用機でアフガニスタンの米軍を訪問し、ベルギーのNATO本部を訪問する予定だった。ところがである、米軍の送迎バスが議会に到着するやいなや、トランプが待ったをかけたのだ。軍の総帥である大統領権限で軍用機を使わさせないと妨害に出た。その上、民間機を使うのはそっちの勝手、と暴言を吐いた。これに反論するペローシ議長は普段の冷静さとはうってかわって言葉も震えてつまりがち。視聴者にも怒りがしんしんと伝わってきた。
 
これについて、ある共和党の有力議員は、これは『キングコング対ゴジラ』の対決というコメントを出していた。
 
ペローシ議長がベルギーのNATO本部を訪れるのはやはりトランプに対する当てつけでもある。トランプは就任以来、NATOを抜けたい、と繰り返し話していたいう事が政府内の要人からリークされ、メディアによって数日前に報告されたばかりだった。理由はおそらくプーチンとパートナーを組んで新しい世界秩序を築きたいということだろう。多くの米人は、トランプはKGB上がりのプーチンにまんまと乗せられたのではないか、と疑っている。