chuka's diary

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トランプのアメリカ:壁と共に去りぬ!?

1月25日の金曜日、ホワイトハウスのローズガーデンでトランプはこれまで34日間続いた連邦政府機関閉鎖を一時停止することを宣言した。
民主党とディールが成立した、米国人は本当に素晴らしい、ビューティフル、など例のトランプ調でひとしきり喋りまくった後、レポーターの質問は一切受け付けず急いで館内に戻った。
トランプは『オオカミ少年』ならぬ『オオカミ老人』だ。
 
そんな大袈裟な、と笑う人もいるかも知れない。理由はよくわからないが、日本ではトランプは今もって大人気らしい。自称関税マンのトランプの真似して韓国に関税をかけろ、と言い出す日本人も出てきている。
しかし今や米国民の半数以上がトランプは米国を崩壊させるのではないか?と強く疑っている。それでこの先一体どうなるのだろうか?と思って書き始めたのが、このトランプのアメリカ・シリーズである。
 
彼の繰り返す『民主党とのディール』は真っ赤なウソだ。前日上院では閉鎖解決の二つの議案を投票にかけた。最初はトランプを支持する共和党の決議案でトランプの要求する国境のウォール建設金を政府に与えるというもの、次は民主党からの決議案で閉鎖を3週間停止しその間に折衝を続ける、というものだった。両案とも60票に達しなかったので上院では多数決による通過投票に持ち込めなかった。これは米上院の規則である。
 
閉鎖中にフェイクニュースは給料を一か月貰えない連邦職員の困窮ぶりを大体的に報道した。トランプの、連邦職員は国境のウォールを支持しているから閉鎖を支持している、や彼の息子の嫁の、連邦職員は閉鎖を誇りに思うべきだ、などの無神経な発言が報道され、トランプの好感度は下がるばかりで約30-37%に落ちた。 約60%近くが今回の封鎖はトランプの責任、という世論調査も出、最後は共和党リーダーから、このままでは上院の共和党は割れてしまう、という最後通牒をつきつけられ、、トランプは民主党リーダーのペローシ下院議長に大きく譲歩して民主党案が通ればサインする、と言って政府閉鎖は終わった。
 
トランプによると、ラテン系不法移民は、テロリスト、麻薬密輸業者、犯罪人、レイピストに米国人から職を奪う者、という事になっている。そしてウォール無しではブラウン色のラテン系が国境を越えアメリカを乗っ取ってしまう、と白人を煽り立てている。しかしこれは事実とは違う。
過去5年間不法侵入で逮捕された移民の人数は大幅に減り、今はほぼ横ばい状態である。これは米国の移民法の大幅改正とも関連している。不法移民には米国籍が取れる事はない、不法移民雇用の禁止、家族が国外追放になれば米国籍の子も親についていく、などの厳しい法が実施されている。移民狩りで、長期の不法移民は怯えながら隠れて暮らしている、と報道されている。
コカイン・マリワナ・などの麻薬は、空港や国境の検問を抜けてくるので、不法移民が足で運んでくるのではない。
不法移民の犯罪率は米国全般に比べて低い。トランプはレイピストに人身売買を付け加えているが、眉唾ものだ。
不法移民狩りというのは、建設現場やトレーラー住宅街を移民局のトラックが乗り付け、そこにいるラテン系に身分証明を出させ、それを持たない不法移民をその場でトラックに放りこんで拘束し、国境でポイっとはきだすという、信じられないほどの人権無視の行為である。これが白人不法移民だったら、こんな事をするだろうか?拙者は一人、建設現場で働いていて拘束され、メキシコ側におっぽり出された人を知っている。この人によると、それは仕事の最終日一日前で、結局給料が貰えなかった。間違いなく米の悪徳業者の仕業のようんだ。
 
不法移民のする仕事は日本でいう3Kであり、最低賃金の上、国税及び老齢年金積立を徴収される。州によっては州税を徴収される。このような低所得労働者は申告すれば税金免除で払った国税額がそっくりかえってくるのだが、他人の社会福祉番号を使用しているので申告することはない。だから金はかえってこない。
米国の慢性貧乏人のほとんどは3Kで働くよりフードスタンプや国からの福祉補助金をもらい州の提供するウルトラ低家賃住宅に住んだ方がまし、だと信じている。
だから、トランプの国境ウォールは『白人没落中産階級』の怒りや恨を非白人に向けたヘイトの象徴にしか見えない。この『白人没落中産階級』がトランプ支持者の核だと言われている。
 
トランプの天敵、フェイクニュースではトランプの嘘を一つ一つ記録し数える人達がいて、大統領就任いらい約8000ぐらい嘘をついたという。またトランプのウソ傾向を分析する学者も現れた。人のウソは3種類、思いやりウソ、自分のプライドを高める自己満足うそ、相手を傷つけようという悪意のこもったウソ。
結論としては悪意のウソの割合が一般人のに比べて格段大きいのがトランプのウソの特徴であることがあげられていた。
 
ところがこの日はトランプの閉鎖停止ニュースと匹敵するもう一つの大ニュースで湧いた日でもあった。
トランプの脳みそと呼ばれたロジャー・ストーンの逮捕である。彼はトランプとは40年の親交がある。両方とも巨大サイズのエゴの持ち主でメディアなくては生きていけない。
 
彼の逮捕は、モラー特別検察官によるもので、罪状は議会での偽証である。この男は19歳の時にニクソン大統領選のキャンペーンメンバーとしてスタート、代々の共和党候補の選挙戦を牛耳ってきた伝説的人物である。今回はウィキーリークスのジュリアン・アサンジとの接触を隠した罪に問われた。
ロジャーストーンは熱烈なニクソン崇拝者で背中のニクソンの顔の入れ墨は有名だ。下は彼の背中のニクソンの顔。
 
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