chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプのアメリカ:大統領が任務遂行不能!?

 
 

今週も政治的重大イベントが続きます。

 
>トランプと金正恩@ハノイ会談:
>トランプの元弁護士、コーエン氏の議会公聴会  
>反緊急事態宣言案を民主党が議会へ提出
 
しかし何といっても一番のビッグニュースは、
 
>モラー捜査の終結と捜査報告の提出
しかしトランプが国外にいるうちはステータス・クォで現状維持のまま、トランプの帰国を待って公表ということになるそうだ。この報告でモラー捜査官が、トランプは弾劾せられるべきかどうか、判断することになっている。
 
ところで‟先週の時の人”は、アンドリュー・マケイブ元FBI代理長官だった。
先週に彼の著作❝The threat❞が出版され、飛ぶように売れている模様。
実はこの実直そのもののマケイブ氏こそモラー捜査の生みの親である。トランプにメチャ憎まれて定年日の数時間前に職務パフォーマンスに問題があるという理由でクビにされた。理由のあるクビだと待望の公務員年給が貰えるかどうか疑問だ。マケイブ氏はFBIを相手取って提訴するつもりだそうだ。
 
この人にはロシア介入捜査開始にまつわるある噂が流れていた。それは米国憲法第25修正条項に関してである。
 
第25修正条項では現大統領が任務遂行不可能に陥った場合、副大統領と閣僚が大統領を職務から取り除くことになっている。
この条項は1963年ケネディ大統領暗殺後、付け加えられた。ケネディ大統領は頭の一部が銃弾で吹っ飛び脳が飛び散った。その一部を夫人のジャッキーが手の中に握って、ダラス・パークランド病院の医師に手渡したくらいだから、おそらく即死だろうと思われる。
しかし、もし大統領が重傷を負って生き残ったらどうするか?という事態に関しては憲法では何も決められていない。
トランプのケースは、もし大統領がプーチンの隠れたエージェントであったら、ということになる。
 
トランプは大統領に就任した最初からロシア介入事件に付きまとわれていた。
FBI長官のコミ―氏を就任早々の5月にクビにしたのは、コミ―氏のFBIがトランプはロシアのアセットではないか、と疑い出したことを知らされたのが理由だと言われている。アセットとは持ち主に利益を生み出す資産という意味だ。
コミ―氏の後、FBIの臨時長官となったのが副長官だったマケイブ氏だった。
コミ―氏の忠実な部下であったマケイブ氏はトランプ疑惑をその時点で法務省代理長官だったローゼンスタイン氏と相談、結果としてFBIとしてトランプ大統領を疑惑の対象とする捜査を開始した。
それから8日後に、ローゼンスタイン氏はモラー元FBI長官を特別検察官に任命、FBI捜査はモラー氏に引き継がれた。
ローゼンスタイン氏と相談中に彼が口にしたのが、この米国憲法第25修正条項であったのだそうだ。
つまり、トランプがロシアのエージェントであれば、彼らはトランプを大統領職から取り除かなければならないことになる。これは米国憲法を守る国家公務員の職務である。
ローゼンスタイン氏は、あれはジョークだった、と釈明しているのだが、生え抜きのFBIエージェントのマケイブ氏は二人の会話は真面目そのものと反論。トランプがロシアのエージェントであるかを確かめる為に、隠しマイクをつけようか、とローゼンスタイン現法務副長官が申し出た、と主張。
 
トランプ派の共和党リーダーであるグラハム上院議員は、これが本当なら、二人はクーデターを企てたことになり国家反逆罪だ、という意見を公表、上院の公聴会に査問すると宣言。
こうなるとどちらかが偽証罪に問われる事となるから、当事者にとっては極めて深刻な事態であることがお分かりだろう。
 
下のはPBS(=米のNHK,視聴料金無料)のインタビュー。
マケイブ氏はくそ真面目で官僚英語ですが、このインタビューの内容が一番順序だっている、と思う。
 
 
トランプものの本について:記録的に多い。
この❝The threat❞ はぜひ読みたいものです。
今は❝Fear❞ を読んでいます。この本はノンフィクションですが、トランプをはじめとする登場人物がTVでお馴染みなので、凄く近親感を感じてしまう、といったところです。