chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

敵国から見た日本文化!?

これまで日本文化と西欧文化の違いについていろいろ議論されてきた。mop**sr さんの今回の記事で彼の日本文化論に関してコメントを書いたら、ていねいに記事にしていただいたので、以下はそれについての私の所感。
 
・身の程を知る日本人   https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43897785.html
・西欧的組織に適合しない日本文化 https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43903944.html
 
拙者は長期在米で日本とは全く関わりのない仕事をして生きてきた。原因は、再入学先の米国の大学で日本人に全く出会わなかった、ということにあるらしい。自分はその他大勢の外国人学生の一人という意識が身についてしまった。だから自分は日本人だということを忘れてしまって、どこの国から来た?と問われてはっと思い出すといったぐあいだった。
 
Mop**srさんが日本文化の特徴として挙げているのは、『身の程を知る』、というよく聞く文句だ。
私は、身分不相応の言動、と理解したのだが、彼によればそうではない。
 
『身の程を知る』は、日本特有の山や川、岩、木などを神格化した原始神道の自然と日本人の認識関係を指している、と説明されていた。例として楢山節考をあげている。
この小説は戦後の1950年代に書かれた。日本では間引き=幼児殺し、の風習はあったが、姥捨てまではあったかどうか?だと私は思っている。この作品が発表された時も多くの人が私と同様な疑問を抱いたそうだ。
 
日本文化とは何か、ということで、以下のYouTubeに掲載されていたビデオを紹介したい。
一つは太平洋戦争中に米陸軍情報局が作成した‟Know Your Enemy,Japan”、
 
このドキュ映画は米の著名な監督、フランク・カプラによるものだが、米では兵士の教育映画として公開されたが、一方的という批判が出て、日本では公開されなかった。視聴時間は一時間。
 
もう一つは25分間あまりの短編 
" Japanese Culture WW2 Era"。これはCIAの前身であるOSSの制作でやはり米兵への教育目的であった。
 
従来の日本側の視点は日本人は日本人を単一民族と見なし、文化も世界に類を見ない単一文化と理解されるのが常である。
しかし米軍側は日本文化は実に多様だと見なしている。
理由は日本人は単一民族ではなく、もともと異なる地域から異なる民族が長期に渡り日本列島に住み着き混じりあって日本人となっていったという歴史、および半島や中国から進んだ外来文化を寛容に受け入れた歴史にある。
 
典型的な例は日本人の宗教である。神社・仏教が混合している上に、次いでキリスト教が来日したが、これは徹底的に弾圧された。これ以上の外国の影響を恐れて国は鎖国に突入。
日本文化は多様だが、一方向として日本庭園や茶道のように、徹底的抑制という意思が根底に流れている、とフィルムは指摘している。だからmop**srさんの箱庭盆栽とは正反対の見方のようだ。
 
米側の視点からすれば戦前の和洋折衷の日本文化はとりわけ理解しがたいものだった。西洋文化は進んだ新しい風俗として積極的に取り入れられたが文化の根底を為す合理主義は取り残され無視された。
明治以降の急速な日本近代化も同様で、日本の法制度は本家の欧米での17-20世紀の自由平等社会正義を求める市民の要求の成果であることは全くオミットされ、天皇から下賜されたものに変身してしまった。
天皇を神とし国民を奴隷とする軍国主義はこのような日本文化の特異性によって育まれていった、と結論ずけている。
 
このように見てくると、米側の視点と西欧合理主義の壁を越えられない日本人というmop**srさんの視点は一致している。
 
しかし、彼の原始神道が平和で争いを好まない、さらに議論のヘタな日本人集団へとつながっていく理由が私には分からない。
 
とにかく日本と米では仕事環境が違い過ぎる。しかし私は今でも米国はホワイトカラー不足であると思っている。だからインドや外国からITワーカーを大量にリクルートしているのだ。移民の頭脳が米の発展を支えてきた、という神話の存在も否定できない。米国のホワイトカラーは流動性が強い。気に入らなければ高給であっても一か月もいつかない。かっては言いたい放題言うとさっさと辞めてしまう、というのが当たり前だった。大抵はもっと給料のよい仕事を見つけていた。
 
転職が当然となった人口減少下の日本社会が今後どう変わっていくのか?面白いのは米国では社会主義的政策が受け入れられようとしていることだ。米に追従する日本への影響はいかに?といったところだ。
 
追記:2/22(2/23日本時間)の役所閉鎖時刻になって、ついにモラー特別捜査官が最初で最後の報告書を米司法省長官ビル・バーに提出。その内容の公表をメディアをはじめ関係者・市民等皆がクビを長くして待っている。今日は公表されないで、明日になる予定。
ロシア政府が軍部にハッキングをさせロシア軍関係者は米国で起訴が確定している。しかしプーチンはどうなるのか?またトランプはプーチンに嵌められたのか?またはそれにうまく便乗したのか、ということが捜査結果として明日公表されるはず。この事件はスパイ小説より凄い、というのが私をはじめ大多数の米市民の感想です。