chuka's diary

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白人警官による黒人容疑者殺害の謎!?

私は記事を書く前、必ず複数のネット記事にあたっている。中には非常に優れたものもあるが、多くの記事は内容が曖昧かつ杜撰であることに気付いた。その一例が前回拙ブログに書いた白人警官による黒人容疑者殺害事件だ。

 

そもそもこの殺害事件の発端は何か?もちろん、絶対多数の米人は知りたがっている。そこで私はネット記事を探してみたが、内容が記事によって一つ一つ違う。そこでほぼ確実だろうと思われることを拾い挙げて見た。(?)は異説があるという意味です。

 

被害者のジョージ・フロイド氏が逮捕されたのは彼が偽札を使った(?)からだ、いや そう信じられたからだ。警察側は捜査結果をいまだに公開していない。殺害場所近くのコンビニで彼は$20札(?)を出し、タバコやスナックを買おうとした。しかし、応対に出た店員は彼の$20札(=2014円)は偽札と判断した。それで売るのを断った。フロイド氏は空手で店を出た。

このコンビニは全米の多くのコンビニと同じくオーナーは移民で中東系だ。記事の中にはフロイド氏はこのコンビニをひいきにしていた、と書いたのもあった。

 

フロイド氏とカウンターの店員のやりとりは店内モニターに録画されていた。オーナーはその時店にいなかった。しかし後で警察からビデオをメディアに公開するなと言われたそうだ。

 

それからオーナーは応対した従業員は若い十代のパートで、よく事情を知らなかったのではないか、といささか謝罪めいた発言をメディアにしている。彼によると偽札を使う人はそれを知らないで使っているケースが多いのでフロイド氏もその一人である可能性が高い、とも言っていた。

 

私はほとんど現金を使わない生活をしているので知らなかったのだが、巷では偽札が大量に出回っているらしい。だとしても私にも本物と偽物の区別はつかないと思う。

 

ところが、コンビニ従業員はフロイド氏を追って外に出、店の前で車のドライバー席にいたフロイド氏に、彼の偽札を渡せと要求、フロイド氏に拒否された。店に戻った従業員は110番に通報(米では911)し助けを求めた。

 

従業員の911通報は文書で公開され、私も読んだ。それによると、フロイド氏は偽札を使った、その上彼はひどく酔っぱらっているかドラッグでも使っているのか普通の状態ではない、と報告している。

 

しかし、後に出た検死報告書では酒も薬もフロイド氏の体内に残っていなかったことが記録されている。

 

この通報でパトカーが到着だ。

 

この通報を読むと、コンビニ従業員はパニック状態からだろうが、極度の被害者意識に駆られているのががわかる。ひょっとしてこの店員もドラッグの影響下にあったのではないかとかえって私は疑う。米では驚くほど多くの人(人種の別なく)がドラッグを使っている。

 

この先は公表された警察側の調査書からである。最初に到着したパトカーの警官の一人は、車中でためらうフロイド氏の面前に拳銃をつきつけ、車外に出るように命令した。理由はフロイド氏のためらいがを銃を隠していると思わせたからだそうだ。

 

だが、事実はフロイド氏は車中に銃を保持していなかった。

 

動画の中では、この警官にフロイド氏は車から引きずり出された格好に見える。ここからはすべての動きは店外に設置されたモニター及び警察官のボディカムに記録されている。この殺人事件で"3級殺人"で起訴されたデレック・ショーバン前警察官は応援にかけつけたパトカーの2人組の一人であった。

 

3級殺人とは一体何なのか、と問うアメリカ人は多い。米には日本と違い各州ごとに憲法があり、州法があるので、私のように州から州に移動すれが法も変わる。だから殺人罪は各州に違いがある。ミネソタ州では3級とは最初から殺してやろうという悪意に欠ける殺人で最高25年の刑務所行きとなっている。死刑の無いこの州では一級殺人は終身刑である。

 

なお、このショーバン容疑者の奥さんが離婚請求の裁判を起こして先日ニュースになった。この奥さんはラオスの山岳民族の避難民出身。もう十数年近く一緒だったとかで、ショーバン容疑者は白人崇高主義者のステレオタイプにはそのまま当てはまらないように見える。奥さんは、このような怖ろしい騒動に子持ち(前夫との)の母として巻き込まれたくない、という理由をあげていた。家族をそっとしておいて欲しいと。実際、ショーバン氏の住居は外から駆け付けた人々によって包囲され、外出も外からの訪問(食料配達)も不可能になっていたと報道されていた。

 

コンビニ・オーナーをはじめ市民の大多数から聞こえてくるのは、たった$20(?)で逮捕され殺されるのは全く馬鹿げている、という声である。それは"Black lives matter!"(=黒人の命を軽く見るな)というスローガンと一致している。