chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

新コロナと戦うファウチ博士 ! ?

日本でも知られているように、米の新コロナ感染阻止のリーダーはNIH(=国立衛生研究所)のファウチ博士である。しかしこの人の敵は新コロナだけではない。新コロナを最大限利用して再選を遂げようというトランプとも正面切って闘っている勇気ある医師だ。彼は80歳に近い。

 

ファウチの名で1980年代のあのエイズ大騒動を思い出した方もおられるはずだ。

エイズウィルスの発見をめぐり、フランスのパスツール感染研究所と米のNIHが争った事件だ。1983年、NIH側はパスツール研究所から一年前に送られてきた世界最初に隔離された正体不明のウィルスでエイズ・ウィルスを発見したと発表。両国が対立する大騒ぎとなった。両国の大統領が中に割って入り、発見を共有するという話し合いがついた。しかし、後になってノーベル賞委員会はフランス側が100%発見と認め、仏人発見者にノーベル賞を与えている。明らかにNIHは汚名を被ったが、ファウチ博士が中心となり米国内のエイズ研究・感染対策に取り組み、米国の業績は米国内外で非常に高く評価された。いわばこの人のおかげで米国研究者はプライドを取り戻す事ができた。

 

トランプはこの2月から感染対策本部をホワイトハウスに鳴り物入りで打ち立てペンスを筆頭に置いた。しかし、ライムライトはあくまでトランプ自身にあたるようにしていた。毎日TVで1時間にも渡るブリーフィングを続けたのはトランプだった。しかも嘘だらけ。

しかしファウチ博士は最初からトランプの非科学的見解に批判的。トランプがしゃべるバラ色の新コロナ対策に厳しい警告を与えていた。つまり、自己を天才と信じ込んでいるトランプの予言とファウチ博士の疫病学者としての見解はまるで正反対。これには米市民も大混乱となった。

 

しかし、トランプの側近と彼の翼賛TV・フォックスを除き米国民はファウチを信じた。ファウチが毎日のブリーフィングを欠席すると、フェイクニュースがファウチはどこだ!と大騒ぎした。

 

6月からのビジネス再開を強行した共和党州に合わせるかの如く、対策本部もいつの間にか視界から消えた。しかし、怖ろしい事には、それらの共和党州では感染者数が急上昇。今やフロリダ、オクラホマ、テキサス、アリゾナ州の大都市では病院崩壊が始まった。米国の医療研究のメッカとして知られ大病院が集中するテキサス州のヒューストンでさえ、ICUは満杯だ。慌てた共和党知事は、再びビジネス封鎖をせざるを得ない状況に陥った。がそれをするとトランプが怖い、という忖度ぶりが嵩じて各市に任せるという無責任ぶり。

しかも7月中には失業保険の金も特別お手当も打ち切りという危機的事態が一般市民の目の前にせまっている。

 

下の動画はRepublican Voters against Trump(=反トランプの共和党投票者)という、共和党内の反トランプ派の動画アド。ファウチのサウンドバイトを使っている。しかし、この動画は事実だ。

 

テーマは、

感染数が打ち上げロケットのように急上昇、

しかしトランプはファウチの警告を無視。

その結果米市民が犠牲になった。

 

以下はファウチ氏のサウンドバイト

人混みの中でも、マスクを着けず、2mの距離を置かない人々がいる。(トランプのタルサ再選ラリーのシーン。マスクを着けず、トランプの周りに6000人がかたまり、笑い、叫んでいた。)

 

次のシーンでは共和党の南ダコタ知事が、私の州では、2mの距離は置かない、と誇らしげに宣言。

 明日7月3日(金)には、トランプがお出ましになって、南ダコタのマウント・ラシュモアで大花火大会を予定。しかし住民の間では日ごとに批判が高まっている。

 

最期に:ファウチ博士はこのまま米市民が感染予防をしないと、一日10万人が感染するようになる、と警告している。怖ろしいことは、彼の警告は最初からすべて当たっている。 

 

https://www.youtube.com/watch?v=fTgxqfgz_xc


Trump Ignores Fauci. America Pays The Price.