chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプ、バカ丸出し!? 

拙ブログの"トランプのアメリカ"シリーズは面白半分も手伝ってここまで続けて来たわけですが、事態は本当に全く予想もしなかった方向に進んでいます。拙州の共和党知事がトランプのヨイショをしたおかげで、Covid-19の感染が暴発。ただ今市は病院崩壊中です。つまり私達は皆、ロシアンルーレットに命をかけているようなもの。この先サバイバルできるのかどうか、疑問です。

 

つい先日リークされたCDC疫病学者の予想は、トランプ政権の強者生存政策、つまり自然淘汰に任せ何もしない、でこのまま行けば、9月には死者が20万人に達し、最終的には100万近くの死者がでる。この20万は1918年のスペイン風邪死者とほぼ同じ。補助酸素も抗炎症ステロイドも存在せず、薬は売り出されたばかりのアスピリン錠があればラッキーで、呼吸困難を生じた患者はベッドで寝っころがし。これがこの時代の進んだ医療体制でした。当然大量の死者が出たが、死体は穴を掘って投げ込んだ、しかし今は穴ではなく、冷蔵トラックに放り込まれる。私の市ではそのトラックがすでに待機しております。

 

それに対して再びロックダウンをし、厳しい再開基準を守れば死者は半分から1/3以下となる。このCDCによる報告書をトランプ政権は隠していた。都合の悪い情報は徹底的に隠匿、これがトランプ独裁政権のやり方だが民主主義下では情報は必ず洩れる。

 

トランプは7月20日の日曜日の時事報道解説番組で一時間あまりのインタビューをしたのですが、そこでバカ丸出しを演じたので視聴者は目を剥いた。

これ決してジョークではないです。しかもこのインタビューはトランプの翼賛放送局となってしまったフォックスニュース・チャンネルが作成した。当然、視聴者は共和党支持のトランプ派。

 

相手をしたのはクリス・ウォレスというこれも著名な報道人。クリス・ウォレスの父、故マイク・ウォレスは伝説上のニュース・キャスターだった。息子の方は生真面目が売り物で、フォックスではトランプの極端な奇説にただ一人反論を唱えている。これをやっていられるのも"親の七光り"のおかげ、と悪口を言う人がいる。しかし、このインタビューがあまりに滑稽で、ワシントンポストがハイライトを4分間あまりに絞って編集し、YouTubeで流している。画面のトランプは汗だくだくだそうです。

 

以下はトランプ主張のハイライト。

 

トランプはヨーロッパ各国の低感染者数の理由はテストをしていないからで、多くの感染者は自然治癒しているので数に含められていないからだ、と自説を披露。

クリス・ウォレスは政府にコントロールする気がないので感染が広がった、トランプにその責任を取る気があるのか、とせまった。トランプは責任を取るのは私の仕事、と調子よく答えているが、テストのし過ぎだ、と後にひかない。そこでウォレスは、テストは39%増えたが、感染は194%増えている、と反論する。それに対して、トランプは増大したのは若い人がテストを受けたからで、若者が吸い込んだウィルスは翌日どこかに行ってしまいもう治っているはず、と珍説を披露。

 

さらに、若者は再開される公立学校に行かなければ政府は補助金を出さない、と脅しをかける。脅迫はトランプの常套手段で悲しい事に私達はもう慣れっこになってしまっている。

 

政府によるマスク施行は人々の自由を妨害するから賛成しないし、それに効果があるとは思わない。

 

南北戦争時の南部連合の国旗は南部人の誇り。憲法では表現の自由が保障されている。それをキャンセルカルチュアで突然変える方がおかしい。

 

ウォレスはさらに、あんたは学校でアメリカを憎むことが教えられている、とあちこちで言っているが、証拠はあるのか?とせまると、何やらあいまいな答えぶり。が、突然バイデンは警察を廃止しようとしている、と言い出した。その証拠ははどこだ、と訊ねられて、トランプはバイデン・サンダース協定に書かれていると主張。そこで実際に協定書を持ち出して調べる結果になった。当然、警察廃止は書かれていなかった。

 

ウォレス記者は、現時点での支持率ではあんたは負ける、と率直に指摘。トランプは負けていない、と反論。理由は支持率調査はでっち上げ、と主張。

 

国民健康保険=オバマケアをトランプは大統領令で事実上廃止したが、それをここで指摘されると2週間以内に新しいプランを出すと弁明。つい先だっての最高裁の判断(実際にはトランプ敗訴)で私に権限があるから私ができる、との事。

 

ここには入っていないが、出始めにコロナの死亡率は米が最低と主張、ウォレスに資料を見せて欲しいと言われて、出した資料では米は上から7番目で最低だが、しかしヨーロッパ各国や韓国などはすっぽり抜けていた。

 

このインタビューで視聴者を一番怖がらせたのは最後の部分だ。郵便投票は選挙詐欺なので認めない、バイデンが大統領になれば米は崩壊する、私はそれを許さない、とサラリと言ってのけた事だろう。大多数の視聴者はこれを聞いて背筋に悪寒が走ったと言っていた。 

 

https://www.youtube.com/watch?v=nof1LyQudAM


Trump's Fox News interview, in 4 minutes

この動画には含まれていないのが、有名になった痴呆テストの言い合いです。トランプは先にホワイトハウスの執務室で、私は痴呆テストを受けたが、完勝した(=I aced it!)と宣言し、フェイクニュース&視聴者を苦笑させた。エース=aceは日本語化しているので意味お分かりでしょうが、スポーツの勝負に使う言葉です。痴呆テストを"受けさせられた人"の表現としてはブラックユーモア的ですが、この人のアタマはかなりおかしい、と思わざるを得ない。

この "完勝だ"をこのインタビューでも得意げに繰り返し、10歳以上も年少のフォックスのトップ記者に、あんたにも私のように全部正確に答えられない、特に最後のいくつかが難しすぎるから、と主張。ウォレス記者は、私もこの(モントリオール)テストをしてみたが、あんたの指摘する最後の問題には、100から逆に6つ数えろ、というのがあり、決して難しくない、と反論。しかし通常通りトランプは自説を曲げることはなく、痴呆症のバイデンはこのテストには失格する、とTVで堂々宣言。

 

これについてあるフェイクニュースの反トランプ解説者は、このテストは去年トランプに何か、例えば精神錯乱、が起こり、ウォルターリード陸軍病院に駆けつけた時に行われたものではないか?と示唆していた。TVでも散々録画されているように、トランプは突然フラッと関係ない方向に行ってしまったり、記憶の間違いが甚だしい。このモントリオールテストの結果は信用できるか?という問題もある。より正確な症状診断は、特にアルツサイマー系はMRI等で脳に異常が起きているかどうかの検査でなされている。しかし、多くの"痴呆症状"は現実認識のずれとそれに伴う異常言動となって表れるので、家人、知人の観察で発見されるケースが多いのだが、本人の自覚もかなりある。

 

下はフォックスの全インタビュー。興味のある方はそちらをどうぞ。

 https://www.youtube.com/watch?v=W6XdpDOH1JA