chuka's diary

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トランプ退院:デキサメタゾン大騒動!?

前回のブログでトランプ入院のいきさつについて書いた。金曜日の夕方に入院、しかし土曜日の朝にはもうコリゴリ、日曜日には皆の反対を押し切ってジョイライド(=退屈しのぎでするドライブ)で病院の外へ出てフォト・オプ。いぶかるメディアには、明日どうせ退院するのだから、という口実が伝られた。

 

しかし、車の窓越しにファンに手を振るシーンがSNSで拡散されると、シークレットサービス要員を犠牲にしてこれがまともな人間のやることか、とフェイクニュースや知識人達から散々叩かれた。口実通り翌日退院したが病院側もさぞかし喜んでいるに違いない。トランプはモンスター・ペイシェントの見本だ。

 

このトランプのジョイライド事件と時を同じくして大騒動になったのは、トランプ付主治医コンリー海軍士官の記者会見の嘘である。前回で彼は信用できそうだ、と私は書いたのだが、それは大きな間違いだった。

なぜ私が彼から好印象を得たか?それは医者として珍しく酸素飽和率、通常の血圧値等々を数値で説明したからだ。米ではHIPAA(ヒパ)というプライ バシー法があり医者が数値を公開することはまずない。だが聴く側には数値がなければ納得できない。さすが大統領主治医という印象を多くの人は受けたはず。

 

土曜日の記者会見ではこの主治医はトランプは酸素飽和度は96%で低めだが補助酸素を使ったことはない、すべてがOKだ、とバラ色の展望をプレゼン。しかしだ、その後、トランプ氏は入院前に補助酸素を使い、バイタルサイン(血圧、体温、呼吸回数、脈拍、酸素飽和度)が不安定、という発表とは違うのがリークされた。それでフェイクニュースが主治医に嘘をつかれたと騒ぎ始めた。

 

そして翌日の記者会見では、トランプの酸素飽和度が93%まで下がった時に補助酸素が供給された、と主治医は告白。しかしこれだけでは別に大したことではない。喫煙が原因でCOPD(慢性的呼吸困難症)を持っている人には酸素飽和度が通常90%前後の者もいる。

しかし、主治医がトランプ氏に補助酸素吸入を薦めたがトランプは素直に聞くような人でないので、デキサメタゾンを投与した、という新な説明にメディアが驚愕!

 

デキサメタゾンは新コロナ感染に効果のある薬として一躍脚光を浴びた。しかしこの薬は抗炎症ステロイドとしてこれまで頻繁に使われてきた。この20世紀のミラクルドラッグのおかげで慢性大腸炎の安倍さんをはじめ莫大な数の人々が命を救われている。当然救急施設では呼吸困難の処置として頻繁に使われる。だがデキサメタゾンは同種のステロイドのうちで最強だ。それに無視できない反作用があるので重症用ということになってしまった。

 

また話を元に戻すと、トランプ主治医コンリー海軍士官は、トランプの抱くオプチミスティックなバラ色の見通しをつい自分の説明に反映してしまった、というのだ。フェイクニュース側では、この人、本当に医者なのか?という疑問が出され、実はコンリー士官はMD(=医者)ではなくDO(=法的に病名診断及び治療が許されているが、医者ではない)であることが報道された。しかしこの違い、誰にもはっきり分からない。

 

さらに日曜日の退院前の記者会見では、トランプの主治医はHIPPA(プライバシー法)を持ち出し、トランプの了解がなければ個人的な情報公開は不可能と宣言し質問には答えられないとの事。 

 

しかしフェイクニュース側では、トランプはデキサメタゾンを使ったほど重症だった、という憶測がすでに広がってしまい、大統領として市民に真実を話せ、という声が非常に高まってきている。

 

ホワイトハウスに戻ったトランプは、バルコニーに現れマスクをむしり取り、今回の経験で私は今や新コロナ感染に関するプロになった、こんなものに大切な人生を乗っ取られてはたまらない、治療のおかげで今の気分は20年前よりいい、と全く筋の通らない呼びかけを行った。しかしその時のトランプは肩で息をしていた、という観察を報道する記者も数人現れた。

そのシーンを見せられた医師は、これは間違いなくデキサメタゾンの副作用だ、とTVでコメント。確かにステロイドには人をユーホリア(強い陶酔感)に導く作用もある。

そして今日、議会の再度の失業者救済案について、自分が勝った後!まで延期する、とトランプが発表。それで景気の悪化が予想され株価が落ちた。フェイクニュース側は、トランプはもう捨て鉢になっているのではないか、と市民に警戒を促していた。本当に信じられない世の中になった。