chuka's diary

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アジア系 vs. 黒人:どっちがヘイトクライム!?

トランプ政権下、暴力的な対立が急増した事は間違いない。世界をリードする民主国家アメリカの大統領まで最後はデマ宣伝と暴力に依拠したのは事実だ。しかしポスト・トランプ時代になって急速に目立ってきたのはその場で実行型のヘイトクライム。

 

今のアメリカは異様、という日本からの見方も含めて、私達長年の在米組にとってもこのようなアメリカの状態は決して通常ではない。

 

3月17日、テキサス州ヒューストン市の韓国系一家が経営するビューティーショップで、5人の若い黒人女性グループが大暴れ。その結果、ストア・オーナーの年配女性が顔を数回殴打され血まみれになった上、さらに鼻骨まで骨折した模様です。このニュース、日本国内でも一連のアジア人ヘイトクライムとして報道されている。

 

明らかに人種問題が原因だが、この背景は決してシンプルではない。下がそのニュース動画だ。犯罪が起こった場所は、テキサス州ヒューストン市のアジア系移民が多い郡で、韓国系が経営する美容商品ストアですが、かつら商品の大きなセクションがあるところから、客の多くは黒人のようです。これは他の動画に映っている。

 

監視モニターによると始まりは異常に興奮しているような女性達の一人に被害者女性の息子が何か言ったことのように見えます。大柄で頑丈そうな若い女性の間に入りこんでしまった小さな被害者の位置も原因の一つでしょう。暴行を働いた容疑者は、被害者を " little asian girl" と茶化したそうだが、"sir" "ma'am"が日常化している南部では無礼に聞こえる。 

 

加害者が、なんでアンタ達アジア系が黒人にかつらを売っているのか?と不満を言っていたと息子さんは伝えている。

かつらは黒人女性にとって必需品と言っていいだろうが、決して安価ではない。米国内では韓国系ビジネスが主要供給者だそうだ。

 

この暴力行為で21歳の黒人女性が軽犯罪暴行、24歳のもう一人がこの女性の運転するSUVを止めに回った経営者親子をひき殺そうとした容疑で逮捕された。実際に暴力をふるった前者はわずか$100の保釈金、だが後者は重罪なので$40,000の保釈金を積んで釈放され、両人は出廷日を待っている。

 

被害者の息子は、ヘイトかヘイトではないかよりもとにかく暴力は間違っている、とコメントしている。

 

テキサス州ではヘイトクライムであれば刑も重くなるので法廷で犯罪動機として証明されなければならないが、現時点では暴力行為として起訴される予定だ。これに関して現在捜査中、と検事側。

ところで加害者側は、彼女らは黒人であるがゆえに最初から店のオーナーに万引きするつもりだったと決めつけられた、と逆差別で抗議している。

 

歴史的に戦後の韓国系移民と地元黒人との緊張はよく知られている。1992年のLA暴動ではそれが表面化、その時"Kタウン"の商店街が暴徒に襲撃され韓国側から銃撃戦犠牲者が数人出た。それ以前から韓国系は貧困で荒廃した黒人街にコンビニと酒屋で進出、そこでも数々の対立が起こっていたのだが、私自身はそれはもうとっくに過去のことだと思っていた。

 

この先ヘイトクライムで起訴されるのかは疑問だが、気の毒なのは被害者の方のようです。容疑者2人には州から弁護士が指名されたという報道からすれば金には縁のない方々のようで、たとえ損害賠償で被害者が勝っても金は全く取れない、と想像させられるからです。

 

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=RGYDl1drwAw