chuka's diary

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度を越えた小室バッシング : 国民に謝れ!?

下は『女性自身』の小室バッシングの記事の一部。

 

ノルウェーのホーコン王太子と結婚したメッテ=マリット王太子妃は、連れ子のいるバツイチで、過去にマリファナパーティにも参加していたことが明るみになり、国民から結婚への猛反発が巻き起こった。しかし彼女は婚約会見で、自らの過去の過ちを認め涙ながらに謝罪。会見を機に、ノルウェー国民の見方も変わっていったのだ。 ――小室さんの文書発表は、メッテ=マリット王太子妃と比較していかがでしょうか。

 

皮肉なのは、メッテ=マリット現王太子妃の婚約会見での謝罪は、メッテ=マリット・バッシング事件としてよく知られているという事だ。原因は彼女が平民出身であること、しかも 英語でいう" low-class" 、米口語でいう"トラッシュ"の部類の属する平民の中でも標準以下の人としてメディアに書き立られたからだった。

 

ノルウェーの人々はルーテル派が国教となっているくらいだから、心情はかなり保守的のようだ。オラフ現国王が王太子だった時も平民女性との結婚を反対され、10年近くも待たなければならなかった、という驚くべき過去がある。しかも現女王は平民でもレッキとした名家の令嬢で王太子の幼友達であったというから恐れ入る。オラフ国王は二人の婚約を支えた数少ない一人でもある。

しかしずっと後になって結婚したチャールズ英王太子でさえ平民との結婚はご法度であった時代だった。ノルウェーのバッシングも、『ハーコンはダイアナよりサラ・ファーガソン(=アンドリュー王子の元妃で平民)を選んだ』、というレッテルが張られたことからもメッテ=マリット・バッシングは差別的ヘイトが底に流れているようだ。

 

しかし、この記者会見で彼女は、ドラッグに影響された過去を若い頃の過ちと認め、涙を流して痛恨の意を表明、ドラッグに絶対反対という決意を述べた。その瞬間、バッシングは消失。この会見直後、王室支持率が58%だったのが90%近くに跳ね上がり、結婚後はヨーロッパ王室で最も評判の高い王室メンバーとして称賛あるのみ。

 

この事件も小室さんのパターンと全く同じ。最初は王太子の婚約というので祝福気分に包まれていた。しかしすぐにメディアはメッテ=マリットの過去を執拗に記事にし、ついには王太子に王室の存続を選ぶか婚約者を選ぶかというところまで追いつめた。

ハーコン王太子は、結婚をあきらめる、という考えは頭の中によぎったが、これを実行しようと思ったことは一度もない、と率直に答えている。

 

では、ノルウェーの『サラ・ファーガソン』とまでレッテルをはられたメッテ=マリットのどこがメディアに叩かれたのか?

 

メッテ=マリットさんは当時28歳で4歳の子持ちのシングルマザーであり、両親は子供の頃に離婚していた。ろくな学歴もなく、十代から二十代前半はドラッグ・パーティーの常連として仲間に知られていた。子供の父はドラッグに関連し刑務所に送られたという前科者。もっとも北欧の刑務所は米にくらべるとリゾートホテルに見えるが。

その後彼女は息子を育てながら一時はウェイトレスをして更生の道を歩みノルウェー大学に入学を許されるのだが、そこで知り合ったのがハーコン王太子となっている。

二人はよほど気があったのか彼女の連れ子ともどもすぐに同棲生活に入り、この会見時は同棲6か月であった。この同棲はルーテル派では道徳的罪にあたる、とメディアは非難。その上、彼女の父は15歳年下の元ストリッパーと再婚、というのでメディアは一家に対してヘイトを煽りたてた。その理由の一つには彼女の連れ子が王室に入ってメンバーずらをするのは不愉快、というのがあった。

 

これまで聞いてきた社会福祉先進国の北欧のイメージからほど遠いのにも驚きだ。

 

またこの会見で、彼女は過去に関する彼女の発言はこれっきりで、これ以上問い詰められる事がないのは嬉しい、とも述べた。この会見は彼女にとっても非常に辛く苦しいトラウマであったに違いない。

結婚式では伝統を破って父親の付き添いなしで歩き、祭壇で牧師に、いろいろ苦しい思いをした、と慰めの言葉をかけられた、という報道もある。

 

彼女のケースは、平民階級へのこだわりと現代的ライフスタイルの受け入れ拒否がメンタルブロックを呼び起こしバッシングの原因となったと解説する記事もいくつか目にした。

 

下は連れ子を中心にしたノルウェー王太子一家の動画であるが、この青年はハーコン王太子の正式の養子となりイケメン王族としてアイドルとなっている。しかし20歳になって公式行事の出席をしない、と発表して王族の地位から縁を切った。しかし彼のガールフレンドのゴシップ記事が執拗なので、メッテ=マリット王太子妃から、プライバシー尊重の要請がメディアに対してなされた。

 

メッテ=マリット妃は不幸にも数年前に pulmonary fibrosis という治療法のない病気にかかっていると診断され、公務を出来る限り続けるが覚悟はできている、と公表、人々の同情をかった。肺組織の病的変化で機能できなくなるが、それを止める治療は今日ない。あと余命5-6年という宣告を受けている。メッテ=マリット王妃が常に勇気ある女性である事がわかるはずだ。ご家族の試練に心を動かされない方はいないでしょう。

 

 

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https://www.youtube.com/watch?v=jUnNM3G8aO0