chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプ、ついにニューヨーク検事に追い詰められる!?

"トランプのアメリカ"はバイデン政権成立後のトランプを追跡しています。

 

5月18日の夜、レティシア・ジェームスNY州検事が、これからはトランプ捜査を民事から犯罪捜査に切り替える、それからマンハッタン地区検事と協力して捜査を推し進める、と発表したので、メディアがまた大騒ぎ!

 

ちょうど、リズ・チェイニーが"掛け声投票"で共和党下院役付#3から引きずり降ろされた直後で、トランプはこれを見せしめとして、下院共和党議員団を彼の方に固く引き留めておくつもりだった。そしてこの先の下院で1/6国会襲撃事件議会合同調査委員会の設置案を阻止しようと企んだ。これが上院を通過したら、トランプも下院共和党リーダーのマッカーシーも必ず議会であの日の電話やり取り内容の証言を求められ、へたにウソつくと偽証罪に問われるからだ。

 

しかしこの公表でトランプ巻き返しの勢いはそがれた。翌5月19日、下院で共和党議員35人が民主党案を支持。弾劾支持はたった10人だったのを考慮すればちょっとしたトランプ離れと見るべきだろう。この案は上院へ向かった。

 

米の法制度は各州や地区で違うので私にはよくわからない点がある。原因の一つは日本のように上から下への行政の流れがない事だ。NY州検事とマンハッタン地区検事はそれぞれ選挙で選ばれ独立に機能している。現在は双方とも民主党であることで協力ができると解説されていた。

 

トランプはNYマフィアのボスように陰でいろいろ悪徳を重ねてきたが、皮肉にも大統領になったせいで裏の悪事がとても世間から隠し切れなくなった、と言われている。 

NY州検事は2018に、長年慈善団体を装ってきたトランプ財団に慈善以外に使った額を弁償させ、罰金を課し、資産をすべて慈善団体に分配させて強制的に解散させた。トランプが大統領だったので刑事起訴を避けたようだ。

 

一方のマンハッタン地区検事はトランプの大統領就任前からトランプの悪事を追っていた。今年の2月になってやっと最高裁判断でトランプ個人の過去8年の連邦税収入申告書コピーがトランプの会計事務所よりこの地区検事に渡された。それとドイツ銀行からの取引関連書類も地区検事側に引き渡された。ドイツ銀行はトランプ企業の最大の債権銀行である。とにかく膨大な量の書類でナビゲーターの助けが必要だと言われている。

 

偶然かも知れないが、今、騒ぎの焦点はトランプの経理担当重役、ワイセルバーグ氏である。この人はトランプの親の代から仕えてきたいわば忠実な奉公人。

 

トランプ企業の金の流れをすべて知っている唯一の人がワイセルバーグ、とトランプのフィクサーで元個人弁護士のマイケル・コーエンが議会で証言した。このワイセルバーグ氏を落としてトランプの犯罪の確証を是非とも掴みたいのがNY州とマンハッタンの検事達だ、と報道されている。

 

これまでワイゼルバーグ氏一家はトランプに非常に厚遇されてきた。車、家、孫の私立学校授業料、等々、トランプ企業から一家に対して寛大過ぎる金銭的援助が出ていたという情報を検事側がつかんだ。もちろん米の税制を少しでも知っているならばこれらは容易に一転して脱税疑惑に変わる。

 

車は州の購買税の対象だが、トランプ企業から貸りれば税金は払う必要なし。NY中心地の高価な高級アパートもトランプの所有だから購買税も固定資産税も無し。ワイゼルバーグ氏も息子もトランプ企業幹部なので、社宅に住み社の車を運転するという事になるが、税務署からすればこれらは現金に換算できる収入を構成する。このような脱税忌避が数十年も続いているのだから悪質で事は重大だ。

 

両検事達はワイセルバーグ氏と司法取引して彼を検察側につけ御大トランプの捕獲を一挙に狙っている。

 

トランプは今、ニュージャージー州の彼所有のリゾートゴルフクラブに引っ越したところで、NYのトランプタワーにも顔を見せている。NYタイムズなどによると、トランプは、NY州検事の公表に激怒したそうだ。翌19日には、これは法の濫用、NY州検察のウィッチハント(=魔女狩り)だと反撃声明を出している。

 

下はCBSニュース動画です。トランプ、ジェームズ州検察官(黒人女性)、ワイセルバーグ経理担当重役、の顔が出ています。この動画でワイセルバーグ氏の長男の嫁の存在がちょこっと言及されていますが、離婚した彼女は前夫と子供をめぐって争っており、彼女の情報がトランプとワイセルバーグの税金癒着関係に検察側が目をつけたきっかけだと言われている。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=42pPi6qxbYA