chuka's diary

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R.I.P  コリン・パウエル

今朝日本のニュースで知りました。コリン・パウエル元国務長官(82歳)がコロナ関連疾患で亡くなっています。最近の米のニュースは日本と同時なので驚きです。

下の動画で、大ベテラン・ニュースキャスター、アンドレア・ミッチェルが明かしていますが、パウエル氏は晩年の三年間、MM(multiple myeloma=多発性骨髄腫、悪性のプラズマ血球病)という不治の難病にかかっておられたようです。このような方々は🤧カゼでも容易に肺炎や血液感染症に繋がってしまう。

 

ところでこのパウエル氏のスピーチを私は80年代に直接聴いたことがある。彼は某大学の卒業式の送辞スピーカー(=commencement speaker )だった。

 

その時私は大学の体育館の二階の最先端に陣取っていました。

たしかパウエル氏はその時国家安全保障補佐官だと思います。とにかく彼は時の人だった。理由は米で最初の黒人政府主要高官でしかも共和党政権下だったからです。

1964年の公民権法確立以来20年、黒人スラム街の拡張が社会問題化した半面、やっと黒人ミドルクラスの拡張が見え始め、保守共和党支持が黒人層にも広がっていった時期でもあった。これはアファーマティブ・アクションの成果だと見られている。

 

パウエル氏はスピーチがうまかったというのが拙印象でしたが、しかしとにかく長かった。1時間近く話していた。集中力に問題のある私は持て余し気味。

 

内容で今記憶に残っているのは、パウエル氏がベトナム派遣を終え米国に帰還した際、奥さんの実家のあるアラバマ州へ旅した時も黒人専用のモーテルを使わなければならなかった、と述べたこと。

時は1960年代初頭、ジム・クロー("カラスのジム"法)と蔑称された州法で南部では厳しいアパルトヘイトが実施されていた。

そうなのです。アパルトヘイトは南アフリカだけではなかった。"separate but  equal"(別々だが平等)が米最高裁の修正14条(=法の下の平等)解釈として通っていたからだ。

 

最後にパウエル氏は、

" I envy you"

(=君たちが羨ましい)と卒業生に繰り返し言っていたことが記憶に残っています。

コリン・パウエルはNY育ちなので南部のアパルトヘイトを知らない。しかし彼が南部に旅する時には、"グリーン・ブック"を携帯した、とアンドレア・ミッチェルは動画で述べている。"グリーン・ブック"は黒人用旅行ガイドで、黒人専用のホテル・モーテル・レストランが載っていた。一歩間違えば、命にかかわりますから。

 

動画では、パウエルはクリントンを毛嫌いしていた、と面白い事を言っている。理由はクリントンを徴兵逃れと見ていたからだそうだ。それならトランプの方がもっと酷い。こちらは親子ぐるみの陰謀。しかし、パウエルを国務長官に抜擢したブッシュも徴兵逃れをしているしゴアもお仲間の一人です。

 

パウエル元国務長官は後年オバマ氏を支援。去年はバイデンに投票し反トランプ共和党の一人だった。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=M8pOgzRCzJc