今週はウクライナのニュースで一杯です。そんな中、先の水曜日、下院1/6調査委員会はトランプの弁護士を自称するイーストマン氏に対し、チャプマン大学アカウントからのe-mail提出を提訴しました。この件はもう数か月ももめている。日本では下の記事となっています。
しかし内容は非常に曖昧で読者も何を言っているのか理解しがたい。
下院調査委員会の61頁の起訴状はネットで公開されている。それによると、イーストマン氏がトランプの弁護士であることを示す文書記録は全く無い、と書かれている。
この訴状がニュースとなったのは、今やトランプ自らも認めたペンスを使って選挙結果を覆す陰謀はトランプの詐欺行為だ、という調査委員会の結論です。
イーストマン弁護士はカリフォルニア州のチャプマン大学法学院の教授だったが1/6議事堂襲撃事件に加わったことを理由に辞職させられた。今ではカリフォルニア州の法曹協会で弁護士資格剥奪の審査にかけられている。
彼は大学アカウントからトランプやペンス側とe-mailを交換していた。特にチャプマン大学を通じてのコネがあったペンス側の顧問弁護士に強いプレッシャーをかけたことが関係者の証言や証拠で明らかになった。相手のペンス側の弁護士はイーストマンは弁護士として当然知っていながら違法行為をしているとe-mailで彼に通告までしていた。
これらの重要参考資料であるe-mailを、弁護士・顧客の関係(=fiduciary duty)を盾に法でブロックしているのがイーストマン氏の現在のスタンスなのだ。
それに対して調査委員会側は、イーストマン弁護士は詐欺及び選挙結果転覆陰謀の共謀者だと告発。つまりイーストマン弁護士とトランプの間の顧客・弁護士関係が自身の犯罪行為により成立しない事を主張。これが裁判所で受け入れられれば、トランプ側の詐欺が刑事起訴にまで発展する可能性が高いからだ。
訴状によると、イーストマン弁護士がトランプの顧問役になったのは、2020の8月まで遡るとなっている。トランプが選挙結果に介入するというシナリオは2019年からあったので、驚くには値しない。
しかし、イーストマン弁護士は、不正選挙はなかったという事実に反して、トランプに同調しデマを流し、選挙後は激戦州に頻繁に足を運び、州の共和党賛同者の中から偽州選挙人を組織した。調査委員会によれば、偽州選挙人達は、トランプ選対からの命令に従ったと証言している。
一方のトランプは、ホワイトハウスの弁護士顧問から選挙に不正はなかったと報告されてもなおも否定。最後には司法長官ビル・バーから司法省捜査の結果不正はなかった、と報告されても自己の判断で否定だ。
さて、1/6調査委員会がトランプによる国家を相手の詐欺行為という結論に到達したのなら、トランプ起訴もあり得る、ということになりそうだが、司法省の動きに注目が集まっている。
現在バイデン大統領とガーランド司法長官に対する非難が非常に拡大していることは隠しようもない事実です。米が事実上内戦状態であることをプーチンが計算にいれていないはずはない。トランプカルト共和党からのロシア非難の声は全く上がっていない。
下の動画はビル・バーのインタビューから。トランプに司法長官を辞めると告げたパートです。これは昨日報道された。
>私はトランプに(不正選挙についての)全部はクソ(=bullsxxt))だと言ってやった。その時トランプは他の不正説についていろいろ質問してきたので、私は彼の見方が間違っていることを一つ一つきちんと説明してやった。それでトランプの怒りが増したのに気付き、
"オーライ!あんたが私に対してもの凄く怒っている事情は理解できた、だから双方がハッピーになる為に私はここで辞職することにするよ"と申し出たら、トランプはいきなりデスクをドーンと叩いて、
"accepted !(=了解だ!)"と2回大声で叫んだ。
そしてもう一度ドーンとデスクを叩き、"もう帰れ、二度とオマエのオフィスに戻るな、オマエはもう必要ない!"と私に言い渡した・・・
これが本当のアメリカ式クビきり!
興味がわいたのは、バー氏はトランプのオフィスからそのまま帰宅させられたのかどうか、という事。そこまではバー氏は触れていないけれど、職場の中には機密厳守の為にクビを言い渡し、そのまま該当者をエスコートして外におっぽり出す例も多い。しかし司法長官もこういう目にあうとは・・・・さすがに復讐の鬼、トランプです。