chuka's diary

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女性国際戦犯法廷:消えた日本人慰安婦!?

最近日本人慰安婦に興味を持ちネットでリサーチしています。

 

日中戦争の初期1938年から日本の降伏まで1945年の約8年間の慰安婦総数は現在でも全く確定されていない。

20万人説の元は慰安婦リドレスムーブメントが起こる十数年前に韓国の新聞で報道されたものだが、この当時は韓国でも慰安婦は日本軍(陸・海)の制度としては把握されていなかったこと、慰安婦を女子挺身隊と見ていたこと、という理由からこの数は女子挺身隊の総数かも知れず、根拠に乏しいと見られている。

 

今日では帝国陸軍側の見積もり、兵士100人に慰安婦一人の割合い、あるいは実際に提供された慰安婦数と現地兵士数の割合とかを考慮し計算されたものがほとんどで、数も数万人から20万人以上までとさまざまだ。

 

だから総数については確定されていないというのが研究者達の早くからの一致した見解である。だが海外や韓国では声明や慰安婦の碑に、はっきり韓国慰安婦数として20万と宣言しているのが圧倒的に多く、世界中の多くはこの数字に依頼する状況となってしまっている。

 

慰安婦総数が確定できないのと同じく日本人慰安婦の総数もはっきりしない。

慰安婦総数の中で植民地朝鮮人女性がマジョリティを占めるという仮説はほぼ通説化しているが、これも確証にかけるというので一致している。朝鮮人慰安婦達のように多かったのは日本人慰安婦というのも通説化している。これは戦地に設置された慰安所の記録や日本人の記憶でも明らかだ。しかし、果たして初期には日本人慰安婦がマジョリティであったのかどうかは明確ではない。ただ基本線として言えることは、日本人慰安婦は朝鮮人慰安婦と共に数的に確実に多かった、である。

 

上の理由の一つは、日本人女性が慰安婦の理想だったと想定されるからである。中国の奥地の戦地で日本女性の声を聞くだけで慰みになった、という一兵士の声にもそれが表れている。朝鮮人慰安婦は片言の日本語が通じれば上等といった具合だったのだろうが、彼女らも2-3年の慰安婦暮らしで日本語がうまくなった人もいたはずだ。日本語と朝鮮語は構造上驚くほど近い。このことは韓国人がよく言っている。

 

私は日本人慰安婦に関して、2000年に開催された国際女性戦犯法廷の判決文を読んでいるところです。この英語版はネットで無料公開されている。

この判決文は、女性国際戦犯法廷憲章と起訴状の付録付きです。

 

憲章は東京裁判憲章を模したもののようですが、大きな違いがある。ここの検察は戦勝国である連合国を代表したものではなく、女性に対する戦争犯罪、レイプ・監禁・暴力行為等を含む戦場の性暴力、及び日本軍性奴隷制の起訴の権限を持っていると規定されている。

 

だから女性に対する戦争犯罪及び日本軍性奴隷制は、東京裁判ではほとんど取り上げられなかったことが今回の模擬戦犯裁判の唯一の理由のはずなのである。

しかし、この模擬裁判ではもう一つ全く新しい項目が犯罪理由として追加されている。これは日本という"国家総体"に対する東京裁判後の責任追及である。

 

東京裁判で取り上げられなかったからここで模擬裁判をする、までは理解できるが、東京裁判でとり上げられなかったのに、新レジームである日本政府が人道に反する犯罪の責任を追及されるというのは筋が通っていない、というのが私の印象です。

 

起訴は3項目です。

第一は、人道に反する犯罪:性奴隷制、

第二は、人道に反する犯罪:レイプ、

 

第一で起訴されたのは、昭和天皇を筆頭とする9人で天皇を除く他はA級戦犯容疑者のようです。

第2では、フィリッピンでの名高いレイプ事件の主犯として昭和天皇と山下奉文大将が起訴されている。山下奉文はフィリッピンの軍事法廷で同罪ですでに絞首刑に処せられている。昭和天皇は、東京裁判で戦犯起訴をされなかった、だからこの模擬裁判では東京裁判を超える証拠を検察側は握っているのか、という点にに注目されるべきだと私は思う。

 

第三は、現日本政府?の戦争後責任追及、

となっている。?は対象がはっきりしていないから付けました。

 

日本人慰安婦、及び、朝鮮人慰安婦、台湾人慰安婦は、この第一の起訴項目、人道に反する犯罪:性奴隷、に属するわけですが、日本人慰安婦の存在はすっぽり抜けている。

憲章によれば日本は加害国と規定され、慰安婦は被害国の犠牲者と規定しているので、加害国の国民である日本人慰安婦は該当事項から外されたようです。

 

しかし、これは国際法の性奴隷の定義を全く無視したもの。

従ってこの模擬裁判自体は最初から大きなバイアスが存在し公平性を欠いているという批判は逃れられない、というのが私の印象です。

 

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