chuka's diary

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R.I.P Ivana :イヴァナ・トランプと80年代

安倍晋三の死から6日後の7月14日、トランプ前大統領のファーストワイフ(=first wife)、イヴァナ・トランプが亡くなりました。"ファーストレディ"はメラニア夫人なので、元妻だったイヴァナさんは自分を"ファーストワイフ"だと主張した。

 

その日の正午過ぎに、彼女のマンハッタンの住居の玄関ドアを秘書とメイドがノックしたが内側からもロックされて応答がなく、ビルの管理人が呼ばれ中に入ったところ、イヴァナさんが螺旋階段の下で亡くなっているのを発見した。死体の傍にはコーヒーカップが転がり、床にはコーヒーがこぼれていた。救急隊がかけつけたが、現場で死亡宣告。死因は落下で胴体に打撲を受けたのが原因と公表された。73歳でした。

 

日本の記事のコメントにはこんな事で本当に死ぬのか?というのが多かったが、打撲による内臓損傷は事故死の主要原因の一つとなっている。現場での死亡宣告ですが米国のほとんどの州は死体の心肺蘇生を違法としている。日米の医学的視点にはかなりの温度差があるようだ。また、イヴァナさんがアドバンスダイレクティブ(=advance directive)を持っていてCPR (=心肺蘇生)やその他の延命治療を前もって拒否していたのかどうかは明らかにされていない。米国では上のを持っている人も結構いるのです。

 

米英語では有名人をその時代のアイコン(=icon)と呼んでいるが、イヴァナさんはまさにその一人。私が米に移住したのは80年代。ベトナム戦争後の経済成長及び社会の転換期。当時はインフレが凄かったが、都市部では人手不足が深刻化。移民が歓迎されていた。その反面、国内ではアファーマティヴアクションの成果が見えず特に黒人層や母子家庭の貧困が増大し社会問題になっていた時期だった。ラップミュージックはこの時期に生まれ、そのせいか歌詞に反社会的要素が強い。

 

この80年代にトランプとイヴァナさんは週刊誌・TVに頻繁に登場していた。トランプはその頃からNYの不動産を買いまくり、1988年には市の歴史的ランドマークだったプラザホテルをちょこっと衝動買いしてしまったと大放言。イヴァナさんがこのプラザホテルのインテリアの責任者かつ支配人として経営にあたった。しかも、彼女のサラリーはわずか1ドルとデザイナードレスの着放題とトランプが言い放ったのでさらに大評判になった。

 

その頃からトランプはアトランティックシティのカジノを買収しまくり、エアラインを買い、その為キャッシュフローに問題が起こり事実上破産状態になるのだが、このイヴァナさんとの離婚は彼の資金不足の原因とまで噂された。というのは離婚判事がイヴァナさんのビジネス貢献を認め、トランプは婚前契約での手切れ金約一億円をはるかに超える財産分与を余儀なくされたというのだ。しかし詳細は非公開である。約2年間交渉し、その間にイヴァナさんはトランプにレイプされたことを公開するなど泥沼化が起こった。しかし和解により1992年についに離婚が成立。その後二人は友人となっている。

 

下は1996年公開の大ヒット映画、" The First wives club"にカメオ出演した時のシーン。

 

Remember, don't get mad, GET EVERYTHING!

(離婚するとき)覚えておきなさい、カーっとなってはダメ、全部ゲットしなくっちゃ!

というセリフがもの凄く有名になったのですが、今でもパンチが効いてますね。

 

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ところでこのシーンのイヴァナさんの顔は整形されたものです。メディアがトランプの不倫を暴露するやいなや、彼女は顔を整形。新しい顔は何とトランプの不倫相手のマーラ・メープルにそっくりというのでこれも大評判になった。

 

イヴァナさんのアクセントからもおわかりのように、彼女はチェコスロバキア出身でオリンピック出場を期待されたスキー選手だった。しかし彼女は"冷戦結婚"をしてオーストリアのパスポートを獲得、カナダでモデルやスキー関係の仕事をしていた。

このフェイク結婚をした女性の元夫が大統領になり移民ヘイトを煽っているわけです。

 

NYで仕事をしていた時にちょっとしたセレブ・バーでトランプと偶然テーブルが一緒になり、人目惚れしたのはトランプの方だったようです。トランプは、自分と考え方が瓜二つの女性と初めて出会った、とTVで話していました。出会って数か月で結婚。長女のイヴァンカさんなど3人の子に恵まれています。

 

イヴァナさんは離婚後、今は懐かしいショッピングTVで商品を売りまくり、彼女の書いた?ロマンス小説がベストセラーになるなど、金儲けに専念。

離婚後に再婚を2回し、元夫トランプの再婚は全くスルーと言っていた。一回目はイタリア系米人の実業家だったが、2回目は本物イタリア人のイケメンモデルで2008年にマーラーゴでトランプが主催した実況中継で結婚。私もこれを見ました。理由はTVをオンしたので偶然見てしまった。当時のTVは今のネットです。

 

この時の新郎はイヴァナさんより23歳年下。その前に6年間交際していたそうだ。イヴァナさんの言い訳は、私はどうもイタリア男性が好きなようで。しかし、年下の夫とは一年で離婚。その後も非公式の仲が続いて2019年に縁切り宣言で正式に終了。しかし前年にはイタリア版”Dancing With Satrs "にカップルで出演、素晴らしいダンスを熱演。 けれども2021年に彼はメラノーマという強い転移性のある皮膚ガンで闘病の後亡くなった。それでイヴァナは物凄く気落ちしていたと親しい友人が述べていた。

 

ところで、イヴァナさんの死に関しても陰謀説が出ている。トランプの事を知り過ぎて殺されたというのだが、真偽のほどはわからない。

 

下の動画には、以下のクリップが含まれています。

 

トランプ一家が勢ぞろいしたイヴァナさんの葬式。評判になった金箔の棺=ゴールデンキャスケットに注目。

タウンハウスの螺旋階段は彼女の自慢でもありレポーターに見せていた。

イヴァナさんの成型前と後の顔に注目。彼女は1992年の離婚で約14億円相当を得た。

映画のカメオ出演のクリップ 

マーラーゴでの年下のイタリア人モデルとの豪華な結婚式ライヴ。幸せそうでした。

 

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