chuka's diary

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トランプ: フロリダ住居ガサ入れ大騒動

私のビューティフルな家がFBIの大部隊に包囲され、ガサ入れされ、金庫まで破られた、奴らはまだそこにいる、とTruth  Social にツィートしたのは今週8月8日の月曜日の6時30分頃。この捜索でFBIは12箱を押収。

 

まず真っ先にSNSで反応したのはトランプの忠臣マッカーシー下院共和党リーダー。

"中間選挙の後あんたはスケジュールを開けとけ、このままでは済まさないぞ"とガーランド司法長官を名指しで恫喝。

似たような脅かしと糾弾のツィートがトランプに忠誠を誓う子分議員から続々と出た。彼らは口を揃えて、権力の弾圧だのバナナリパブリックの司法省と非難ごうごう。その一方で下部のトランプカルトからは、"内戦を始めるぞ、銃を持て"、という暴力メッセージがバイラルとなった。

このような憤怒のツィートを踏み台に、トランプは捜索で偽証拠を植え付けられたとまで言い出した。この流言もあっというまにバイラル化。フォックスでもニュースとして取り上げている。

 

トランプのナチ流プロパガンダに驚愕したのは米市民。

 

こうして市民を混乱させ内部対立を煽り、8月10日(水)には召喚先のNY州裁判所でトランプの天敵ジェイムズ州検事の約440の尋問に対して第五(the fifth)と呼ばれる黙秘権を行使。これによってトランプは有罪を認めたことになるのだが、その理由がふるっている。今回のFBIによるガサ入れのように、私はバイデン政権のウィッチハント(魔女狩り)のターゲット。生まれて初めて政権に迫害される人達の恐怖が理解できた、と証言拒否にまわった。以前は第五黙秘権を使う人は不正直で罪を隠しているせいだ、と非難していたのにもかかわらずだ。

 

ウソをつけば偽証罪に問われ、真実を述べると犯罪起訴につながる、という追い詰められたトランプの苦肉の策が証言拒否の真の理由。

しかし、木曜日になって詐欺老人の化けの皮が早くも剥げてきた。

 

まず、トランプの指摘、大統領公文書に関して交渉にあたっていた司法省とは友好関係にあった、というのは真っ赤なウソだった。

 

今年の一月に司法省は15箱の公文書をマーラーゴの地下の倉庫から接収した。しかしそれが全部ではなかったようで、これに関してウォールストリートジャーナルは、内部の情報提供者の存在を昨日記事にした。司法省とトランプは4月に直接会合、6月にもマーラーゴに司法省関係者を送り、交渉にあたった。今回の捜索は交渉では解決不能という司法省側の判断によったものと見られている。

またワシントンポストはこの極秘文書は核兵器関連の疑いがある、と今日報道したばかり。

 

それに対してトランプ側は残っていた文書はトランプがホワイトハウスを離れる直前になってトランプ自ら極秘文書を取り消した、と反論してしている。しかし核文書は大統領が勝手に決められるようになっていない、というのが国家機密法専門家の批判的意見だ。

 

米の中間選挙は急速に"関ヶ原"化。このせいで社会不安が急激に増大している。米社会がこれ以上2分するのを防ぐ為、ガーランド司法長官自らが異例の会見をしたのが今日の午後3時過ぎ。

 

彼は、すでにフロリダの連邦裁判所にマーラーゴ家宅捜索の令状と押収品リスト公開を連邦判事に要請した、と発表。下はガーランド長官のニュース動画。判事はトランプの許可がでれば明日の午後3時に公表すると答えた。

しかしだ、トランプはすでにこの令状とリストを所持している。事実は、トランプの公開は彼の自由だし、フェイクメディアも政治解説者達もトランプにこれを公開しろ、と早くから要求していた。しかし、トランプ共和党側はガーランドに令状を公開し透明化させよ、と要求。相方の間で話が全く食い違っている。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=6fHJko3enX4

会見するガーランド司法長官の方は抑えこんだ怒りが透けて見える。法は大統領であろうとなかろうと米市民に同一に適用されなければならないことをここで宣言。

そして以下の3点を強調。

まず、この捜索は彼の命令で行った。

家宅捜索は法の手順に従って行われた。捜索は突然ではなく、捜査過程での法的判断に従ったものである。

家宅捜索に従事したFBIを非難するのは間違っているのみか、法の執行に命を捧げている職員を屈辱する根拠のない発言(証拠を植え付けた)は上官として聞くに堪えない。

 

ところで、夜中頃に、トランプは司法省の捜索令状公開には反対しないことをSNSでツィート。この老人の深夜ツィートは有名だから驚くにはあたらない。ガーランド司法長官も指摘したように、トランプには手持ちの令状を公開することができる。しかしそれはなぜか無視。

 

この説明として、トランプはネットなどの操作ができない人で、情報は口頭かプリントに依存している、というのがあった。しかも公式書類は面倒くさがって一切見ない人なので彼の判断には大きな問題がある、というのだ。ツィートは側近に口頭でさせ、彼へのe-mailはプリントして貰って読んでいるとのこと。このような情報処理が驚くべき無知の原因なのだ、というのだ。