カマラ・ハリスが副大統領候補に選んだのはミネソタ州知事ティム・ウォルズ。多くはペンシルバニア州知事のベン・シャピロを予想していた。
この方はいわあば都から遠く離れた田舎州の知事。ほぼ無名に近かった。何しろ元は10年以上も高校のアメフト・コーチだったそうで、政治には全く縁のない人のはずだったのだ。
だがハリスと一緒に演壇に立った最初のスピーチで彼は聴衆を完全に魅了し人気暴発です。
しかも、もうその勢いが止まらない。
もともとこの方が共和党地盤で現役を破り下院議員になれたのは、あのエマニュエル現米国大使のテコ入れがあったからだ、というのは当時の民主党関係者の話です。エマニュエル氏はオバマ時代に民主党の若手戦略家として鳴らした人です。あの当時からウォルズにはある力を感じさせられたそうです。
慌てたトランプ側はトランプの副大統領候補JDヴァンスを先頭に立ててウォルズを戦闘から逃げた卑怯者とディスったのだが、見事にブーメランです。
ウォルズはトランプをコケにするのがとにかくうま過ぎて聴衆は笑いが止まらない。
このアメフトコーチのおじさん、今まで一体どこに隠れてたんや、と驚くばかり。
つい先日の民主党全国大会3日目の副大統領候補指名受託の挨拶では会場全体はおろか全米を魅了した。しかしその途中のハプニングで、彼の高校生の息子ガスがこの日の話題をかっさらってしまったのです。
妻とホープとガスが私にとって世界のすべてなんです、愛してるよ ❕
とウォルズが壇上から叫んだとたん、感激のあまりに息子は立ち上がり、これが私の父なんだよ、と大声で叫び涙ぽろぽろ。ウォルズの息子はADHDと診断されていた。そういう子が大勢の中で深い愛情を率直に表に出すのは稀でしょう。
ウォルズの全スピーチを堪能したければ下の動画を見てください。とにかくやたらめったら元気のいいアメフトコーチのおじさんです。
下の動画の息子ガスとウォルズ一家のシーンには全米が感動した。
ウォルズ氏の子供二人は体外受精で授かった。しかし極端な共和党州では体外受精を制限しようとする動きが出ている。これほど医療技術の発展した21世紀からなぜ暗黒の中世にリターンしなければならないのか、私にもちょっと理解できない。ウォルズ候補も親の生殖に関する選択の自由を壇上から訴えていた。
下はおまけ。ウォルズ氏によるミネソタのホットディッシュと呼ばれる簡単な投げ込み式ディナーの作り方。今日 X で評判になっていた。
これはテーター・トットと呼んでいるハッシュブラウンのナゲットを使ったキャセロールです。中西部の人達のソウルフードの、肉、ポテト、チーズというコンボ。下のはタコス味。タコスソースを投げ込むので当たり前ですが何か。
元はホワイトソースだったはずだが、どこで変わった?北でもタコスが好きとは知らなんだ。タコスはメキシコ系のソウルフードです。
下のは最低4人分でコストは約$15=2250円だそうですが、これ地方ではフツーの値段でしょう。冷凍のテータートットはひと昔前までは一般の家庭でよく食べていた安価な食材の一つでした。よく学校とかのブレックファーストのポットラックで見かけたものです。
肉はターキーミンチです。1パウンド=約500gとチーズたっぷりなので超栄養満点。これにガーリック・ブレッドとサラダでも加えるとビッグ・ディナーです。動画にはレシピも載っています。