これが問題となったバーバラ・ストライサンドの豪邸
多くのブロガー達が口を揃えたようにこの訴訟をストライサンド効果(=Streisand effect)だと指摘していた。初耳な言葉なので調べてみた。
ストライサンドというのは、もちろんあの米国の大女優兼大歌手、バーバラ・ストライサンドを指している。2003年にバーバラ・ストライサンドは海に面したマリブーの豪邸の写真が、海岸線侵食リサーチの目的で取られたカルホルニア州海岸線の航空写真の中に含まれていることを知り、写真の一般公開禁止を求める訴訟を起こした。
この訴訟はストライサンド側の敗訴に終わっている。
慰安婦訴訟がこれほどまでに米国人の興味をかきたてているのは、米国の司法制度と関連があるようだ。米国は日本と同じく三権分立であるが、その三権、司法、行政、立法、のどの分野でも主権は市民にある、という立場を固守している。従って司法の分野では、市民は同僚の市民によって裁かれる、というのが原則なのである。法的には、市民は普通の常識ある行動を取る人達として定義され、この法的市民が米国の一般市民による裁判員制度の基盤となっている。だから多くの一般市民が日頃から法に関心を抱いている。
また重要な裁判がTVで公開されることも多い。だから、法に関心のある多くの米市民の間でこの訴訟が話題になるのも当然だ。
ところでほとんどの人がこの訴訟はトンデモ訴訟(=frivolous lawsuit)の一つだと考え、原告側とこれを取り扱っている法律事務所に呆れ果てている。当然ながら裁判にまでには至らない、という予想が圧倒的に多かった。
米国ブロガー達はこの訴訟の背後で日本のネトウヨ衆が糸を引いていることをしっかりと見抜いているように見える。もう日本=ネトウヨとは簡単にはいかないようだ。もちろん、法を話題にするブログにコメント を送る米人は一般人よりも教育程度の高い人だろうということもあるようだ。
ネット上で裁判所に提出した公式訴状のコピぺが出回っている。
こういうお年寄りがなぜ原告として引っ張り出されているのか理解に苦しむところである。
このミチコ女史の訴訟状に述べられた苦情の第一は、慰安婦像は一方的に韓国側に立つものだから、現在日本と韓国は米国の戦略的同盟関係にあるが、その戦略に将来問題を起こす可能性があること、という全く訳のわからない個人的見解である。グレンデールに慰安婦像があってもなくても、日米同盟を必要以上に強調しているのは、どう考えてもアベッチ内閣の方だ。
第二は、慰安婦像はグレンデールの姉妹都市プログラムにとっても障害となるということ。
また個人的には、あの像がセントラル・パークの中に建ってからというもの、女史は疎外感、居心地悪さ、怒りの感情につきまとわれている、ミチコ女史はセントラル・パークに行ったりパークの中にある成人レクレーションセンターを利用したいのだが、それができないでいる、理由は、女史はあの慰安婦像が日本の国と国民に対して批判的であるということで全く感情を害してしまっているからだ、と。
確かに東大阪市との姉妹都市は活動休止となっているらしい。非常に残念なことだ。日本人の中に、この姉妹都市活動を積極的に援助する人はいないのだろうか。過去の醜い歴史に囚われるよりも、将来に希望を持って物事を進めていく方がもっと大切だと私は思っている。
日本側の訴訟の費用は一時間$800(8万円)という高額なもの、について多くの関心が寄せられていた。明らかに日本からの寄付金が必要である、とブロガー達は見なしている。また、グレンデール市が訴訟費を原告側に逆請求できるか、ということもブロガー達の議論のタネになっていた。
他の原告、NPOのGAHT=歴史の真実を求める世界連合会、は2月6日、何と訴訟の2週間前に結成された団体だそうな。この団体は明らかに訴訟資金調達の目的のようだ、とはあるブロガーの指摘だ。
ネトウヨの衆、寄付金の用意はいかに?
あの親日家のウィーバー市長が
市議会は公園の慰安婦像設置を投票で決議した、慰安婦像はそこに立っている、決議はなされたのだ、これからも慰安婦像はそこに立つ、議論の余地無し
ときっぱり宣言したとの報道は、Glendale News-Press から。