chuka's diary

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ノーベル平和賞:戦略となった戦場の性暴力

今年ノーベル平和賞に選ばれたコンゴのムクウェゲ医師についてネトウヨがいろいろといちゃもんをつけている。この医師は2013年からノーベル平和賞候補だった人だ。2016年にはソウル平和賞を貰った。その時ソウルで、慰安婦問題も戦時性暴力の問題なので日本政府はこれに積極的に取り組むべきだ、と述べた。それが原因でネトウヨはすっかりムクウェゲ医師を敵視するようになった。
 
話がとんで申し訳ないが、この9月、ネトフリックスで ‟ City of Joy” というドキュメンタリーが公開された。このドキュメンタリーはコンゴ(旧ザイール)にある『兵士にレイプされた女性の家』についてである。この施設は2011年のVデー、2月14日にオープン。『Vデー』の‟V”はヴァギナの頭文字。
米の著名なフェミニストの、コンゴに革命的女性を生みだす、というアイデアをもとに、世界からの財政援助で6か月間に年間180人の被害者女性達が住み込みでリハブに励み、コミュニティのリーダーとして将来の生き方を模索している。
 
下のフォトでもわかるように、この施設は病院に併設され、城砦化されて私兵に警護されている。
病院はムクウェゲ医師が海外の財政援助によって運営、ここで医師は損傷された性器の治療を行っている。身体は回復したが精神的回復の必要性を認識、その方法を模索し続けてきたのがこの医師だった。
私もこのドキュメンタリーを見た一人だが、その時はこのフィルムに出てきたこのコンゴ人医師が10
月に平和賞に決まったムクウェゲ医師とは全く知らなかった。
 
コンゴは鉱産物の豊な国である。今日ではcoltan が携帯電話などのエレクトロニクス製品に使われ、日本の企業もここから買っている。しかし、アフリカ諸国の政情不安が原因で多くの鉱山は武装ミリシア(私兵)に守られている。この私兵達が過去数年来鉱山の周辺の村で残虐行為を行ってきた。住民の前で見せしめレイプを行い、妊娠女性の腹を裂き、陰部を撃つなどの女性に対する性暴力が酷い。ラッキーにも生き残れた村人は村から逃げ去った。そういったゴースト村が鉱山の周辺には山ほどあるそうだ。

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実際このコンゴ一帯の戦場の性暴力の現状は日中戦争時の日本軍の残虐行為に酷似している。アフリカは一夫多妻が盛んな男尊女卑の国である。大和なでしこは日本ではもはや過去の遺物のようだが現代の大和なでしこはアフリカで健在だ。
しかしこの女性の社会的地位の低さを悪用し、レイプ・殺人で非戦闘員を威嚇し服従させているという現実にはただただ目をむくばかりだ。一体歴史は前進しているのか、逆行しているのか?私にはわからない。
戦場のレイプは私兵だけではない、政府軍もしている。これもネトフリックスのドキュメンタリーで知った。