chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプの、トランプによる、トランプの為の共和党大会

米内戦で北軍優位の先駆けとなったのは1863年夏のゲティスバーグの対戦であった。ここで北軍は南軍の首都ワシントン占領を阻止することができた。それまでどちらが勝つのかは実際は明らかでなかったという説が今日では次第に有力となっている。その年の秋、戦場のかたずけが終わり戦死者の墓をリンカンは見舞った。彼の演説の中の有名な一節、私達が目指しているのは、人民の、人民による、人民の為の政府、は、今日のアメリカ民主主義政府の基本理念となっている。

 

しかし先週の共和党大会は、トランプの、トランプによる、トランプの為の共和党大会、となってしまった。共和党のこの先4年間の基本政策を定める"プラットフォーム"は必要無いとしてあらかじめ廃止された。これは米史上初の出来事だそうだ。まさに独裁者大統領にふさわしい。

 

3日間の大会の話題はトランプ一族の顔見世に集中だ。トランプと側近達は皆口を揃えて、コロナ感染の猛威はすでに過去、トランプのおかげで命が救われた、これから先はトランプ大統領の再選ですべてがバラ色のアメリカの復活が待っている、というトランプ・ヨイショに終始。特にペンスは、"Make America Great Again, Again"   と滑稽なスローガンまで持ち出し、米市民の嘲笑の的となった。この共和党大会でトランプに対する人気度は30%台に落ちたと報道された。

 

このバカげた3日間でもっとも話題となったのは、初日の長男ドナルド・トランプ・ジュニアと彼のガールフレンド、キンバリー・ギルフォイルさんのスピーチ。妻や婚約者でもない"ガールフレンド"が大統領を指名する大会壇上に登場するのも史上初。

 

トランプの長男ジュニアと弟のエリックのコンビは、なぜかあのイラクの独裁者フセイン元大統領の粗暴な息子二人を連想させる。特にこのジュニアは粗暴発言が目立ち、トランプも長男はトラブルメーカーと認めていた。返って幼児的でいつもどこか抜けているような印象を与える弟のエリックの方がお気に入りだと言われている。

 

今回もジュニアの方は、バイデンのことを、スワンプのロックネス・モンスターだ、とたとえ、多くの失笑を買った。"ネッシー"ことネス湖の怪獣が異臭の漂う黒い泥水の南部の沼地にいるという発想自体が漫画的。しかし、今回はスピーチの内容には全く関係ない。下はこのカップルを話題にした短いニュース動画ですが、題はズバリ、

『皆が注目したドナルド・トランプ・ジュニアの涙目のナゾ』。

 

涙を目に一杯浮かべて粒がいまにも流れおちそう。この目について、アレルギー、いや気の強いガールフレンドにいじめられた、とか眼の乾きを防ぐ目薬をさした、とかいろいろ憶測が出された。しかし極めつけはなんといっても、晴れ舞台を前にコカインをやったというもの!

 

コカインやアンフェタミンは脳を興奮させハッピーにするアドレナリン系神経を刺激する化学物質と見なされている。しかも個人のパフォーマンスをダントツに極める働きがある。歴史的にはドイツ軍や日本軍もこれを広く利用していた。しかし影響として、目の涙の吸収ダクトが収縮してしまうので、涙目を生じる。この噂に対して、ジュニアはさっそく翌日、俺はハンター・バイデンとは違う、と毒舌返し。しかしトランプ長男のアル中とリハビリの繰り返し有名で、トランプが彼を低評価しがちな理由もそこにあるのではないかと言われているくらい。目くそが鼻くそを笑うの類だ。

 

このジュニアの9歳年上の姉さんガールフレンドは彼に続いて登場。下の動画の最期に出ている。肩をいからせ両腕を広げ、濃いメークアップに唇を歪めながら、バイデンとフェイクニュースを大攻撃。フェイクメディアはこのカップルのはまるでナチ集会のアジ演説とレッテル貼りで応戦。この動画でもご丁寧に人気コミック映画のスーパー悪女のシーンが挿入されている。

 

この、キンバリー・ギルフォイルはプエルトリコ系女性。この人の経歴は本当に凄い。地元カリフォルニアの美人州検察官からスタート。つまり副大統領ハリスとほぼ同じ。

その後エンターテイメントで活躍を目指しNYへ移り、米裁判TVの解説者として有名になった。その間、最初の結婚をしている。その相手は何と今のニューサム加州知事。彼は当時も今も、金髪長身の超イケメン。ニューサム氏は民主党からサンフランシスコ市長に見事当選。だからギルフォイルさんはSF市のファーストレディだった。しかし、SFとNYの別居結婚は続かなくて、離婚で終わった。その後、ギルフォイルさんはフォックス時事コメンテーターで大活躍し、押しも押されぬ政治セレブの地位に到達。トランプに気に入られた事は確かだが、報道官の職は共和党大物のアーカンソー元知事の娘にさらわれてしまい、今はトランプ選挙対策本部で働き、ジュニア離婚時から彼のガールフレンドとして二人はピッタリと寄り添っている。

ところで今回姿が見えないのはトランプの姉、マリアン。彼女はNY連邦判事を今年引退。しかし彼女の録音が暴露本を書いた姪により共和党大会と同時に公開。トランプの姉は、弟トランプは嘘つきで絶対信用してはいけない、と話していた。これも史上初の出来事だ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=p0KhwfPUX4A


Why Everyone Is Talking About Donald Trump Jr.'s Watery Eyes