自己陶酔性格障害の代表としてアドルフ・ヒトラーがあげられている。
ヒトラーはドイツ人ではない。オーストリアの田舎で生まれオーストリアで育った。しかし青春時代の約5年間を帝国の首都ウィーンで過ごした。芸術家志望で風景画を売りながら放浪者生活を送っていたらしい。その当時の事情はよくわかっていない。都合が悪いので隠された可能性もある。が、育った家庭環境はかなり複雑だったようだ。ヒトラー自身がうつ病であった事を認めている。
彼の父は私生児だった。で、父、つまりヒトラーの祖父、はウィーンのユダヤ系ではないかという憶測が今日まで付きまとっている。
だが第一次大戦が勃発するとわざわざドイツ軍の志願兵となって戦闘に参加。
理由は母国であるオーストリアと母国人を一段下に見下していたからです。
しかし失明し病院に入院中に終戦を迎えた。彼の病院カルテは残っていない。だから病因について、負傷か心傷性か、は明らかでない。退院後、彼の眼について言及されていないので、心傷性だったのかも知れない。
ヒトラーはドイツの敗戦を指導者のせいにした。世界一勇敢なドイツ軍が負けるはずがない、という論調です。この屁理屈には当時少なからずの同調者がいた。結成したばかりのドイツ国家社会党の支持者たちでした。この党はドイツ社会民主党の右翼版です。
そこから、天才的指導者ヒトラーに率いられたドイツ軍の勝利は必然、にジャンプするのはきわめて容易であることが見て取れる。
トランプの主張、私は常時天才、プーチンと話しをつけてウクライナ紛争はその日のうちに解決できる、と全く同類であることに注目すべきです。
自己陶酔性格障害の該当者は常に他者からの賞賛を期待して止まない。しかし、期待が外れると逆恨み。危険です。この性格障害では責任と罪はすべて自分以外にあるからです。
事実はトランプの自己陶酔性格障害に対して多くの臨床心理学者や精神医が警告を発してきた。2018年には "The dangerous case of President Trump " がベストセラーにまでなった。
心理学者達は警告している。自己陶酔性格障害は地位が上に登れば登るほど悪化する。大統領として一旦絶大な権力を握るともう引く道はなし。自己の絶対化に向かうのみ。これが今日トランプの辿っている道となっている。
しかし、ここで伏兵が現れた。認知症です。原因は老化です。
認知症の症状には特徴がある。
言葉に詰まってしまう、という事態は誰’にでもあることです。間をおけば出てくるということもあり、老人はゆっくり話しがち。バイデン大統領がそのいい例です。彼はノートを取る大統領としてもよく知られている。
バイデン大統領の正反対がトランプです。バイデン大統領も人名エラーが数々ありますが、最近のトランプほど頻繁ではない。
非常に目立つのは、トランプは頻繁に単語を変形しているということです。
つい3週間前、NYのブロンクスのラリーの例です。
パトリオティズム(=愛国心)というべきを、パトリジュリジュリスキー?と言っていた。後者では全くの意味不明。しかしトランプは全くの無関心。
センテンスも飛んで意味がつながらないのが通常化している。これも、テレプロンプターのせいだそうだ。それと、フィリングと呼ばれる意味のない単語をやたら連発です。ペンシルベニアでは、突然に、同州のゲティスバーグ古戦場の名を持ち出し、わお、有名!ワンダフル!グレート!と感嘆詞の続投で後が続かず、そのうち話題変換でコロッと消えた。一体何を言いたいのかわけがわからない。
認知症のしるしはちょっとした行動にもあらわれるようになった。
先のブロンクスのラリーでは暑さで参加者が倒れてしまい会場は一時大騒ぎ。これはTVでもニュースとして取り上げられた。
壇上からいち早く事情を察したトランプは、マイクで医者はいないか?と尋ねた。そこまではいいのだが、参加者数名が、ウォーター!と口々に叫んだので、トランプは、ウォーター?と口で確認、用意してあった壇上のアイスボックスから冷えたウォーターボトルを取り出した。しかし、そのままキャップをひねり、聴衆の目の前でゴクゴクと飲んでしまったのだ!
これには聴衆もあっと息をのんだ。
この動画を分析した心理学の専門家は、その時のトランプの無表情ぶりからして、思考プロセスが途中で切れてしまった認知症の現れ、と結論ずけていた。