chuka's diary

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J D ヴァンス、カルトに洗脳された正体不明の副大統領候補 ❕ ❓

JD(=ジェイディー)バンスは記事の題の通りの男です。

 

よく知られている通り、ヴァンス(or バンス)候補は『ヒルビリーエレジー』2017、という自伝的回想録を出し、ベストセラー作家になって一時もてはやされた。

続いてこの回想録が2020に著名なロン・ハワード監督によって映画化された。

私もネトフリックスで視聴しました。いい映画ですが、どこかおかしい。

しっくりこないのです。

 

ヒルビリー、つまりアパラチアの貧乏白人としてのアイデンティティを名乗ってはいるが、彼はヒルビリーではないのです。

これは多くの映画を見た者の共通した感想です。ただ彼のジジババの実家がヒルビリーだったということなのです。で幼少時代は毎年州境を越えて実家のケンタッキーの山の中で夏休みを過ごしていた。あの時が一番幸せだったと書いていた。

 

ところで彼のジジババは何と16歳と13歳で駆け落ちして山を下った凄いカップル。しかもばぁさんは未婚の母になりかけでした。これ戦前のことですよ。凄い話です。

じいさんはそのままオハイオ州の鉄鋼製造所で働き続けリタイヤした。しかし故郷の山には帰ることはなかったわけです。映画ではどうしようもないアル中となっている。ムーンシャイン(安ウィスキー)の本場ですから無理もない。依存症は遺伝するという説もあるので娘の中毒に関連しているかも知れない。ヴァンスの祖母のタバコ癖も凄いです。

 

だが、庶民の生活は時代の経済の波によって大きく変わっていきます。

アパラチアではダムや石油に押されて炭鉱閉鎖が始まった。これは日本と同じです。続いて中西部都市では鉄鋼製造所閉鎖が起こった。そのため、居住民は選択を迫られた。

この地の残った住民は政府からの生活保護金に頼る生活をするはめに陥ったのです。そういうコミュニティでは酒、麻薬が出回り、犯罪・家庭内暴力が横行する。ヴァンスもそういう環境で育つことを強いられた、と主張です。

彼の直面したトラブルは、低所得母子家庭であり、母親のアル中と麻薬依存症だった。こういう母親にひきずられて育たなくてはいけない子供にとってはこれはもう地獄です。それをヴァンスは、ヒルビリーというアパラチアの貧乏人カルチュアに置き換えている、という批判が出ている。

 

まぁ、貧乏には変わらないですけどね。

 

ここでこわーいのは、今のヴァンスはトランプ共和党の副大統領候補ということです。彼は、生まれ育ったコミュニティから命綱の政府の補助金を取り上げようとしているのです。

彼の本での貧乏論は、ヒルビリーに生まれたから貧乏なのだ、というカルチュア起源説と、上昇志向で働かないから貧乏なのだ、という共和党員としての論理が共存している。

チキン🐓がさきか、卵🥚が先かです。

 

ヴァンスによると、毎朝遅刻、なぜかランチ時間を無限にとり、一番に仕事場を去る者が必ずいる。そーゆー人に貧困脱出を目指して働けといっても無理だとも指摘している。

 

映画『ヒルビリーエレジー』の中でもっとも気になる箇所があった。それはヴァンスを母替わりとなり面倒を見てくれたばぁさんについてです。

映画ではヴァンスの母は大病院の看護師なのだが、患者用の鎮痛薬に手を染め、中毒者として尿検査を科せられた。当時は看護師の鎮痛薬中毒は職業病のように見られ回復のチャンスが与えられていたようです。

 

それで母は子のヴァンスに検査用のカップを手渡し、彼におしっこをしてくれと命令です。この時ヴァンスは強く抵抗するが、このばぁさんに、この尿テストをパスしないと母が看護師の資格を失うので一家が路頭に迷うと必死に説得された。ヴァンスは結局自分のおしっこをカップに入れて母に渡すという悲しいシーンに続くのです。

これは、腹が減ったのでのであの店で盗んでくれ、と命令するのと同じ理屈ですよ。

私にはこのシーンのヴァンス少年に今のカルトに洗脳されたヴァンス上院議員の姿が重なって見えるのです。

 

苦労し大借金してイェール大法科大学院を終了しても弁護士ではない。ベンチャー起業家失敗。ネバートランパー宣言から、トランプ自ら『ヴァンスはワシのおけつにキスしたぞ』、と公言された変身ぶりは、まるでカメレオンです。

 

 

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