chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプのアメリカ:トランプの自爆は罠だった!?

昨日22日の朝、トランプは、ペローシ下院議長とシューマー上院議員をリーダーとする民主党議員団とホワイトハウス内でインフラ整備の為の調整をする手筈だった。このミーティングは3週間前から予定されていた。
米では連邦政府は各州に渡る設備、組織についてマネージメントの職務がある。例えば高速道路。老化する高速道路、橋の補強修復は大きな問題となっている。その為の予算通過には下院の協力が不可欠だ。
 
出席者の話によると、カなぜかーテンを引かれた会議室にトランプは到着。しかしそこでは誰にも挨拶することなく立ったまま、民主党は下院の職務と称してトランプ政権のロシア疑惑捜査を続けている、民主党が ‟ I "ワード に取りつかれている間は、議会で民主党と働くつもりはこれっぽっちもない、と一方的に民主党を非難、くるっと背を向けると、メディアが詰めていたローズガーデンへ一直線。
その間約3分。
残されたのは、狐につままれたように唖然とした民主党議員団だった。
もちろん、その日のミーティングの為に民主党側が用意した資料は全くの無駄。
‟ I ”ワードとは、impeachment (=大統領弾劾)を指す。
しかし現在上院は共和党が多数なので、弾劾は成功しない、と予想されている。
 
 
下はMSNBCニュースだが、有名ニュースキャスターのタッパー氏のショートイントロの後、ローズガーデンに現れたトランプに注目。顔からはいつもの人工タンによるオレンジ色が消え、それに表情がかなり硬ばっている。キューピーさんのような手の動きの激しさからしてかなりの興奮度を感じさせないか?
実はこのトランプ自爆は、このミーティングの前に、ペロ~シ議長がトランプはモラー捜査をカバーアップしているという非難コメントがTVで放送されたのを見たことが原因だ、という説が流れていて、数人のニュースキャスターがそれを報道していた。
このトランプ自爆に反応するようにより多くの人々が‟ I ”ワードを口に出して支持するようになってきた。その時点では民主党の中ではトランプ弾劾について意見が二つに分かれていた。
 
 
しかし、翌朝、つまり今朝、民主党のペローシ議長は、記者会見で、これはトランプが一芝居打った、トランプ弾劾は彼が望んでいることで、私達はその手には乗らない、と宣言。
 
事実は、トランプ側が大統領特権を理由に証人やモラー報告原本の議会召喚を一切拒んでいる間に事態はさらに進展、トランプ側の経営の謎が明るみに出るのはもはや時間の問題となりそうになってきた。
 
5月6日にムニューシン財政長官はトランプの過去6年に渡る国税申告書コピーに引き渡しを拒否。
現行法では現大統領の国税申告書は議会の要請があれば無条件に引き渡すことになっている。
 
しかしその前夜に又NYタイムスが、損失王トランプという大特ダネを流す。
NYタイムスは1985年から1994年にかけてのトランプの国税申告書の概要を公表した。それによると、10年のうち、トランプがわずかにせよ税金を払ったのは2年のみで後は合計1286憶の損失を計上。米国での個人最大の税金申告上の損失男がトランプだったのだ。
この期間に彼の本、実は代筆、‟The Art of the Deal”(1987) は 大ベストセラーになりトランプを時の人にした。一体この男の頭はどうなっているのか? 
しかし申告書がこうだから、当然トランプホテル・カジノも次々と倒産。しかし父の遺産・投資者の金、銀行資金と次々と踏み倒し、もう米国内の銀行はトランプに金を貸さない、というクライシスを向かえたのだが、ドイツ銀行からロシアの金がトランプに入ってきたのだ。話がうまくできすぎていないか?というのが一つの疑惑となっている。
 
その理由からドイツ銀行に関係書類提出が議会から要求された。これをトランプの子供達、ジュニア、イヴァンカ、エリック、の三人が共同で逆起訴。しかし、トランプ自爆の日に敗訴となった。
この書類の中にはトランプの国税申告書が含まれているのかどうか?銀行から大金を借りるのには、借り手の財政状態が法的規制を受けている。すでにロシアのマネー洗浄で多額の懲罰金を課せられたドイツ銀行では、行内の監査官がトランプと娘婿クッシュナーの金の動きについてマネージメントに警告したのだが、握り潰された、という内部告発も出ている。2016年、大統領選前の出来事だ。
 
 
しかし何といっても米国人をナーヴァスにさせているのは中国に対する25%報復関税である。すでに米国の農産物は買い手を失い倉庫で腐っている。その上、野球帽から靴まで中国製品で生活してきた一般市民はトランプに反対している。米中貿易戦争が長期間続けば、物価上昇と低賃金職の減少は免れられない。2020に影響する事は間違いない。
 
下はラスべガルのトランプホテルのルームがどれだけ中国製品で占められているか、というおもしろ動画。
トランプと愛娘イヴァンカは中国及びアジア諸国から安物を輸入しトランプブランドの高級品として金を儲けた人の代表格。おまけにゴルフコースの使用人は低賃金のラテン系、その中には不法移民がかなり含まれている。
 

吉田清治は本当に日本を貶めたのか?その2

クマラスワミ弁護士はなぜ秦郁彦と吉見義明の忠告を無視してまで吉田清治を引用したのか?
 
秦郁彦は反慰安婦派(慰安婦売春婦説)、吉見義明は慰安婦支持派の論理的リーダーである。この両者の論争の焦点は、帝国陸軍と慰安婦制の関連性の有無、として知られている。両者とも東大卒の歴史学者だ。だが、日本の慰安婦問題に登場するグループはこの二つに分けられるというのは全くの神話である。
 
金学順が元慰安婦として名乗り出た1991年を慰安婦問題元年とするなら、過去30年の間に登場したプレイヤー達は、日本側からざっと一見しただけでも
 
・高木弁護士などの当時の日弁連の日本の戦争責任追及派、
・吉見義明を論客とする歴史実証派、
・河野談話に代表される日本政府(アジア女性基金を含めて)
・最高裁をリーダーとする日本の司法制度
河野談話以前の慰安婦否定を引き継ぐ今日のネトウヨ、その論客は秦郁彦、今日のリーダーは安倍首相
 
と多様である。日韓慰安婦イシューの歴史を理解するには、上の各グループのスタンスと役割を認識する必要があると私は思う。
 
横道にそれてしまったが、クマラスワミ報告に引用されている吉田清治に関して興味深いブログが下である。
 
 
クマラスワミ報告の全文和訳もワンクリックで読める。
吉田引用の重みについてはほんの数行であり大した意味なし、というのが上のブロガーの感想であるが、読者はこれと同意見だろうか?
 
前回で述べたが、クマラスワミ弁護士の属する欧米法曹界の視点に立てば、先行するサハリン裁判で法廷証人をなった、さらに1991年に始まった元慰安婦第一号金学順が名を連ねているアジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求裁判の中の重要参考人として告訴状に引用されている吉田清治のクレディビリティ(信憑性)は100%絶対である。しかし、日本国内では吉田清治の法的クレディビリティについては全く重要視されていない。
 
もし吉田清治のクレディビリティが法的にチャレンジされていたら、クマラスワミ弁護士は吉田のものには一切
近寄らないはずである。彼女の弁護士としての倫理がイシューとなり、弁護士キャリアも終わる。
又、高木健一弁護士達の一連の韓国被害者補償請求訴訟についても同様な扱いを受けるだろう。偽証が重要なエレメントになっている裁判自体のクレディビリティがイシューとなるからだ。
河野談話の前段階調査で参考人として召喚されたのなら、政府は偽証調査をするのは当然。しかし日本では法的イシューよりメディアを使った秦・吉見の論争合戦に関心が集まってしまった。
 
1996年のクマラスワミ報告は日本国内では評判が非常に悪い。しかし、当時は女性の人権の高揚期であり、韓国はもとより海外で高い評価を受けたのだ。
 
なぜ日本では悪評であったか、この報告を読めば理由は明確である。
 
この報告書は当時の日本人がナイーブに信じていたような慰安婦問題の大岡裁などではない。
日本軍の慰安婦制度を軍性奴隷制度として定義することにより、日本の戦争責任を認めさせ、日本政府から元慰安婦達への謝罪、補償金を払わさせるのが目的の報告である。
これは2019年の韓国側の主張と全く同じということだ。
 
当時すでに日本国内で6つの慰安婦裁判が進行中であり、これに援護射撃(いや、正面からの攻撃?)をしたのがこの報告書だった。
軍性奴隷制度から導き出した『人道に対する犯罪』は1945年、ドイツの戦犯を裁く軍事法廷でユダヤ民族ジェノサイドが適用されたのが最初である。
俗にホロコーストと呼ばれるナチス政権のユダヤ民族ジェノサイドは、強制連行・収容所・飢餓と強制労働・ガス室、という連鎖で知られていて、吉田清治の嘘は強制連行のパートにピタリと当てはまった。
 
1996年当時と言えば、ユーゴスラヴィア戦争の女性の大量レイプが国際的に大問題となり、リーダーや関連する被告は『人道に反する犯罪』を犯したという理由で有罪となった。慰安婦関係ではヒックスの『慰安婦』が刊行されたばかりだったが、この本は世界的な大ヒットとなっていた。一方吉田清治自身も‟時の人”として国内・国外の有名人となり事実上日本人代表として謝罪活動に多忙だったようだ。
上の状況を考慮すれば、吉田清治を引用する事がクマラスワミ報告のクレディビリティに大きく貢献したと言える。だからクマラスワミ弁護士が吉田の部分の抹消要求を2014年に拒否した理由が察せられるはずだ。
 
下は参考として当時のタイムライン。
 
1977年、『朝鮮人慰安婦と日本人』 在日女性を労務者と同じように海南島の軍慰安所に送る。
1982年、5月、講演で慰安婦狩りを話す 朝日新聞記事となる。
      9月、11月、サハリン裁判で法廷証言、済州島で慰安婦203人を捕獲、サハリンの慰安所へも送ら         れた
1983年、『私の戦争犯罪』 (済州島での慰安婦狩り)第ヒット
1983年12月、韓国天安市の国立墓地に、謝罪碑を建立。
      吉田清治は式典参加者の前で土下座し謝罪。
 
      元養子が死亡、労働運動の幹部だった、息子は会ったことなし
 
1989年 韓国語版『私の戦争犯罪』出版
1991年 アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求訴訟の告訴状の提訴理由の一つとなる
1992年、秦郁彦、済州島で調査、吉田清治の慰安婦狩りは嘘と確信、メディアに公表
 
1993年、河野談話 :::根拠となるヒアリングの対象・阿比留記者より(行われたかどうかは確認できず)
1995年 吉田清治、高木健一法律事務所で ドキュメンタリー映画・本 " Silence Broken" の作者Dai Sil Kim      -Gibson のインタビューに応ずる
      クマラスワミ弁護士のインタビューを断る(ネトウヨブログ・続・慰安婦騒動を考える)
 
上の"Silence Broken"では高木健一弁護士の事務所で、吉田は彼の本について脅迫に悩まされていること、しかし彼の本は事実だ、と述べていた。この本は1999年に発行されたのだが、著者も吉田清治を確信している。この本もかなり丁寧に調査されており、アマゾンでも高く評価されている。最初にビルマのミートキーナで慰安婦に遭遇した二世通訳の平林軍曹にもインタビューをしていた。
 
クマラスワミ報告について最後に一言。
クマラスワミ報告の最期の部分、パラグラフ#137に日本政府への勧告の一つとして、
 
名乗り出た女性で、日本軍性奴隷の女性被害者であることが裏付けられる女性の個々人に書面による公的謝罪を行うこと、
 
原文では、victims can be substantiated as women victims of Japanese military sexual slavery となっているが、これなどはネトウヨが泣いてよろこぶこと請け合い。
つまり、民法基準に従って被害者認定がされなければいけないということだ。当然基準に外れた者は補償も受けられない。
 
この報告の最初のパートに北朝鮮の慰安婦の証言として、日本兵にクビを切られた慰安婦の体を食べた、というのがマジで報告されていて、秦郁彦をはじめ日本側からのクマラスワミ憎しの原因になっている。
しかし、クマラスワミ弁護士は、なぜ慰安婦の証言を重要視するか、という理由として、日本政府はこれまで証拠がないと主張、慰安婦の存在を隠してきた、という日本政府の司法妨害を指摘、しかし慰安婦証言は虐待証拠の宝庫だ、と述べている。
 
このあたりがクマラスワミ弁護士の論理はどこかおかしいという批判の理由だろう。
残念なのは、多くの人はこの報告書を日本人読者のように注意深く読んでいない、という事だ。または、金と暇潰しの国連のお役所仕事として無視されているのかも知れない。

吉田清治は本当に日本を貶めたのか?

mop**srさんが数日前に吉田清治氏についての記事を載せていた。かなり古いものらしいが、これがインスピレーションとなり、拙ブログでも記事にする事にした。
なお、下の拙記事は上の記事の反論ではなくネットのリサーチをもとに私による独立した観点から書いている。
 
今日まで ‟吉田清治” の名は‟朝日新聞”とワンセット、‟慰安婦強制連行を世界中に広めた元凶‟ だと信じるネトウヨ側からは親の仇である。言あるごとに吉田非難がネットでリピートされてきた。つい数日前にも彼の謝罪碑が韓国政府の手によって見事復元、という記事が産経に載っていた。ネトウヨ側の口惜しさが目に見えるようではないか!
 
また、吉田清治と言えば彼のウソを暴いた功労者、‟秦郁彦”の名を忘れることはできない。実際、‟日本を貶めた吉田と朝日新聞”というキャッチフレーズは秦が作り出したようなものと言っても間違いではないだろう。
しかし吉田の強制連行捏造発見は秦のたった一つのポジティブな業績のようだ。
‟慰安婦はなんちゃって売春婦” 説を正当化する目的の著作、 『慰安婦と戦場の性』、 は非常にプロブレマティックである。
 
吉田清治のタイムライン
 
1913年(大正2年) 10月15日 吉田雄兎, 『ゆうと』と発音する、として生まれる。本人によれば出生は山口県だそうですが、吉田雄兎の本籍は福岡県、息子さんによれば、一家は川筋の人みたいです。
          
1931年(昭和6年) 門司市立商業学校卒 しかし卒業生名簿によると、吉田氏の生存中から当時者は死去となっているそうだ。
     上京、法政大学の法学部夜間に学ぶ、が 法政大学の学籍名簿には彼の名前がない
 
   
1937年 (24才)満州国地籍整理局に勤務
      朝鮮人李貞郁(20才)を養子にする。
1939年 中華航空、上海支店に支店長として転勤 (確証なし、秦郁彦より)
1940年 民族主義者金九の逃亡幇助で懲役2年、秦氏には、アヘン密輸に絡む軍事物資横領罪と言った
1942年 下関、労務報告会下関支部の支部長、民間の組織だが、在日労務者を集めて目的地に送る。
      息子によると、その朝鮮人労働者のほとんどが共産党員だった!
1943年、5月、軍の命令で済州島で慰安婦狩り 一週間で205人
1944年、妻フサエと結婚
            4月3日 山口県知事から女子挺身隊動員命令を受け、地元の在日女性100人を集める、『朝鮮人      慰安婦と日本人』より
      
1946年 共産党から門司市議に出馬、落選
1949年 長男生まれる
      朝鮮人養子の籍を抜く
1951年、次男生まれる
 
1963年(昭和38年=49才)NHK私の8月15日エッセイコンテストで佳作入選
それ以前にもラジオと私、という作文コンクールで一等10万円を獲得。その当時は朝鮮人の経営するパン屋で働いていたが生活苦にあえいでいた。
 
1968年、長男ソ連留学(ルムンバ友好大学?)福岡日ソ友好協会の役職についていた。
1969年、次男 ソ連留学
1971年、長男帰国 (両親が職を失ったので)
1973年、吉田清治、息子を頼って上京
      千田夏光、従軍慰安婦、発行 それ以後従軍慰安婦ブームが起こる。
1977年、『朝鮮人慰安婦と日本人』 在日女性を労務者と同じように海南島の軍慰安所に送る。
1982年、5月、講演で慰安婦狩りを話す 朝日新聞記事となる。
      9月、11月、サハリン裁判で法廷証言、済州島で慰安婦203人を捕獲、サハリンの慰安所へも送ら         れた
1983年、『私の戦争犯罪』 (済州島での慰安婦狩り)第ヒット
1983年12月、韓国天安市の国立墓地に、謝罪碑を建立。
      吉田清治は式典参加者の前で土下座し謝罪。
 
      元養子が死亡、労働運動の幹部だった、息子は会ったことなし
 
1989年 韓国語版『私の戦争犯罪』出版
1991年 アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求訴訟の告訴状の提訴理由の一つとなる
1992年、秦郁彦、済州島で調査、吉田清治の慰安婦狩りは嘘と確信
1993年 河野談話
 
1996年 UN 人権弁護士によるクマラスワミ報告で、『私の戦争犯罪』は奴隷狩りに加担した日本人の告白として引用される。
    
1996年、週刊新潮にて、『事実を隠し自分の主張を混ぜて書くなんて 新聞だってやっている』と書かれる。
1997年、サラ・ソー、吉田清治にインタビューを申し込むが、吉田氏は、たくさんの脅迫電話を受けてるので            電話口で怒ってしまったことを謝罪、健康状態が悪いので、インタビューを断る
2000年、(86才)直腸がん闘病生活の後死亡
 
 
ところで当の吉田清治だが、彼は戦前の1942年に2年の刑期を終えて国内で出所している。彼の罪名は明らかでない。中国の上海で起こった、と本人は言っている。ひと儲けを狙って満州から上海へ流れていくのはありそうな話だが、彼が上海の共同租界に居住していたという確証はない。
国内の刑務所を出所後、1942年に下関に現れ、その地の翼賛組織である勤労報国会で労務者集めの仕事にありついた、というのは本当らしい。ここで対象となる労務者は、下関周辺に多かった在日や韓半島からの移民労働者だった。こういう半島系の男たちは、定職を持たずに港湾や工事場で肉体労働に日雇い的に従事していた。戦時中、山口・広島県内では鉱山を開発し鉱物資源を確保する試みがなされた。それに従事した(させられた)のがこの半島系労務者である。この鉱山群は戦後廃坑となっているところから、日本政府の試みがいかに現実性を欠き地に浮いていたものであることがわかるはずだ。
 
吉田は徴兵検査で既に不合格になっていた、と彼は『韓国人慰安婦と日本人』の中で書いている。写真で見る彼の分厚い眼鏡がそれを裏ずけているようだ。 
 
あれから40年、吉田清治は再び法に触れる行為をした。
1982年、9月と11月の2回、吉田は樺太残留者帰還請求訴訟、通称サハリン訴訟、に証人として法廷に立ち証言した。内容は、1943年に軍命令により済州島で慰安婦狩りをおこない、203人を捕獲、サハリンにも送った、と供述した。(産経より)
 
私はネットで慰安所マップを探したが、サハリンには軍慰安所はないようだ。しかし、地元で働いていた朝鮮人は炭鉱の売春宿を慰安所とたじらうことなく呼んでいた(産経の記事)のが興味をひいた。というのは、そもそも ‟慰安所‟ とか“慰安婦” という名自体は韓半島由来ではないか、という疑問が私の頭の中にあるからだ。それは、日本では昔から売春宿は遊郭で売春婦は遊女であった、日中戦争以前は慰安所の名はでてこないが、サラソー教授の本によれば、韓半島ではかなり古くから軍の慰安所として使われている、ほとんどの日本人、徴兵前は遊郭の性病医であった麻生軍医も含めて、は最初は慰安所の意味が分からなかった、などの事からの推察にしか過ぎないが、売春セックスを遊びと見なすか慰安とみなすかには文化の違いがからんでいるように思われる。
 
サハリン訴訟は1989年に原告4人のうち一人が帰韓、3人が死亡となり提訴が取り下げられた。この訴訟の原告代表が、著名な人権弁護士、高木健一氏だった。
しかし朝鮮人補償問題はそれで終わったのではなかった。全く正反対となった。
このサハリン訴訟を継承するのは1991年のアジア太平洋韓国人犠牲者補償請求訴訟である。そしてこの訴訟の告訴状には、吉田清治の慰安婦狩りが補償要求をサポートする重要な違法行為として挙げられている。この訴訟の原告は総勢34人、軍人(戦死者、被爆死)、軍属(捕虜虐待で懲役)、日本の国家総動員法で日本国内に働きにきた韓国人被害者(少なくとも一人は徴用者)と遺族、それに3人の元慰安婦女性で構成されていた。その3人の中には、その年に韓国初の元慰安婦として名乗りでた金学順がいた。 この裁判は2004年にまで及び、最高裁で時効として棄却判決を受け結審となった。この訴訟の原告代表も高木健一弁護士だった。
 
この告訴状はネットで公開されている。それを読むと当時の原告側の法的スタンスとクマラスワミ報告の法的スタンスには一つの共通項があるようだ。それは人権問題ではなく、‟慰安婦という戦時下の女性に対する暴力問題の責任追及”である。この法的セオリの進化・暴走が今日の解決できない慰安婦問題となっているのではないだろうか?
 
一方、秦邦彦が済州島を訪れ、吉田の強制連行は捏造だと発表したのは、1992年。彼の根拠は彼の出会った済州島の住民は誰も吉田の慰安婦狩りをおぼえていない、地元の図書館で1989年に吉田の本の韓国訳が出た際、それは虚言だという地元新聞の記事を発見、それをつてに元記事の信憑性が確認された、という点にある。そこまで来ると、吉田の本が想像の産物であるという確率は非常に高い。
吉田側は何らかの証拠を提示し、反論する必要がある。またはフィクションであることを認めることだ。しかし吉田側は何もしなかった。
その時点で吉田は偽証罪に問われるべきだった、と私は思う。なぜなら法は吉田のような詐欺師から市民を守る目的で存在するのだ。
 
しかし、吉田の偽証疑惑は引用程度でお茶を濁したようだ。焦点は吉田という個人と彼を記事にした朝日新聞に向けられた。
こういう事は米では考えられない事だ。
 
英語で捏造本を ‟hoax”(=ホークス) と呼んでいる。事実、‟hoax”は山ほどあるが、それがベストセラーになったり、ピュリッツァー賞を貰ったりすると、有名になった事が逆効果となりやはりバレてしまう。偽物である事が暴露されると、バブルのように消えるのみ。暴露した者が話題になることも、出版社が社会的に非難される事は聞いたことがない。実は拙者もこのホークスによる被害者であって、一旦本の中のイメージが頭の中に定着するとそれを打ち消すことは難しいのだ。
朝日新聞のようなメディアについては報道の自由という憲法条項があるので、日本のようには非難されない。ウィキーリークスも同様。今のところロシア介入事件で起訴は無理と見なされている。
しかし偽証は別問題だ。二つの訴訟が偽証に依存していることは当該弁護士の資格問題にも発展する。クリントン元大統領は関係した女性とセックスをしなかった、と偽証し、弁護士資格永久剥奪となったのはそのいい例だ。
 
驚くべき事は、高木弁護士側はこの吉田偽証に対する社会的責任を全く回避してしまっているという事だ。弁護側からの公式発言はネットでは見つからなかった。日本の戦後責任を法的に追及するという正義の味方を名乗るにはあまりにもお粗末過ぎる。彼の側が利を得るからというので吉田清治の違法行為を黙認するのは人権弁護士として間違っている。2つの訴訟に関わった高木健一弁護士及び関係弁護士連はこのイシューを明確化する義務がある。
 
今からでも決して遅くない、と私は信じている。
 
なぜなら、日韓間の慰安婦問題解決は和解しか道はない、と私は思うからだ。
 
 
 
 

トランプのアメリカ:モラーレポートは❝マイベイビー❞!?


Complete exchange between Sen. Kamala Harris and Attorney General William Barr (C-SPAN)

先日の5月1日は新天皇が即位し連休前という事もあって目出度い日であったようだが、米ではバー司法長官が上院司法委の公聴会に出席、証人として激しい詰問の矢面に立たされた。そのせいか翌日の下院の公聴会には出席拒否。
 
またこの日はトランプ大統領のウソつきカウントがついに10,000を記録。
しかし当のトランプは朝から民主党大統領候補バイデンを貶すツィートを60も流した。それには理由が。
 
かって鉄鋼の州と呼ばれたペンシルバニア出身のバイデン元副大統領のターゲットは外国企業が原因で仕事を失った白人ブルーカラー層。つまりトランプの "ベース" だ。だからトランプも黙ってはいられない。
しかしバイデンには弱みがある。なにしろ彼は失言王だ。口を開くとどういう失言が飛び出してくるかわからないような人。
案の定立候補前から失言の連続。さて失言王バイデンが暴言王と虚言王という二冠のトランプに2020に打ち勝つことが出来るのか?今の時点では誰にも先が見えない。
 
3月22日金曜日の夕方5時、モラー特別検察官がバー司法長官に報告書手渡し22カ月かかったロシア介入捜査は終了した。その時バー長官は週末中に報告書についてサマリーを出すと約束。
米国では長文書類や絶対に読んで貰いたい文書には要約であるサマリーを付けるので誰もとりわけ不思議だとは思わなかった。
 
3月24日日曜日には約束通り、サマリーを発表。
それには、モラー特別検察官は起訴判断を自ら回避したので、上役である私が彼の結論である‟ No collusion, no obstruction”から、大統領は不起訴にする、と書かれていて大騒ぎになった。
 
もちろんトランプは、モラー報告書で私は潔白だということが証明された、モラー捜査官は本当によくできた人だ、とツィート。翌日のトランプ支持率も40%以上に急上昇。
 
しかし、この4ページのサマリーの最期の部分に、モラー報告書の結論として大統領には有罪となる確実な証拠はないが、無罪とすることもできない、というのがちょこっと引用されていた。これは一体どーゆー意味?というので、米国の元裁判長、検事、FBI高官、法学者が一緒になって議論した挙句、出てきた結論は、モラー捜査官は司法省規則で結論を保留し、米議会に判断をゆだねているのではないか、モラー報告書の内容とバー長官の結論には大きな違いがあるのではないか、という事だった。彼らの予想は間違がっていなかった。
 
今回の公聴会の前夜遅くに、NYタイムスが特ダネを公表。真実はモラー特別検察官はバーのサマリーに対して文書で正式に抗議していた。それはサマリー発表の翌日3月25日の事だった。
 
続いて3月27日にも二回目の抗議文書を送った。米国のお役所では抗議文書は即刻回答するのが慣習だ。これについては拙者にも経験がある。しかしバーは返答を引き延ばし、できれば無視しようとしたようだ。しかし、この同じ日にモラーの部下の誰かが、第三者を通して、バーのサマリーは報告書と違うとワシントンポストにリーク。おまけに報告書には一般公開を予想してモラーじきじきのサマリー付きだった、というのでまた大騒ぎ。
 
翌28日の金曜日にバー長官は、彼のサマリーは実はモラー報告のサマリーではない、と短いがサマリー撤回という奇妙な手紙を公表。あれは、モラー長官の起訴回避という最後の一文から書いた‟レター”だというのだ。
 
4月18日のモラー報告書公表は4月初めの下院の予算に関する定例報告会でバー長官が激しく追及され、やっと腰を上げた、という恰好になっている。これがバーの意図的なパフォーマンスなのかどうか今のところ分からない。
 
今回の公聴会についてもバーののらりくらりの言葉ではぐらかす返答は聞き飽きた、モラー特別検察官を議会に呼べという声が大きくなっていた。しかしNYタイムスのスクープで関心が急上昇、多くのアメリカ人がライブ放送に釘付けになった。拙者もその一人。
 
それで明らかになったのは、バー長官の狡猾さ。あの、カーセールスマンと弁護士は絶対信用するな、というジョークは正しかった。
 
この公聴会ではメンバー1人の質問時間は8分間。その質問者のうちで最もダントツだったのは、民主党大統領候補の1人、カメラ・ハリス上院議員。彼女はカルフォルニア州の検事総長をしていた。彼女は母がインド系。要するに米ではアジア系である。下がその動画だが、ネットで大拡散となった。世の中にはああいう頭のいい人がいる、という典型みたいだ。
 
彼女の最初の質問は、バー長官に、トランプ側から誰かの捜査を(=モラー捜査の報復捜査)命じられた?示唆された?ほのめかされた?イエスかノーで答えて欲しい。
だが、うろたえたバー氏は明確に答えられない。
自分で不起訴と決定する前に、モラー捜査の内容を検討したか?という問いには、していない、と答えている。
ではどのようにして判断した?報告書の結論部分で、つまりバー自身が判断。
副長官のローゼンスタインからのメモか?いや、他の部下の誰も見ていないという驚くべき返答。
しかし大統領を起訴するということは普通の起訴ではない、自分で報告書の内容を確かめなかったのか?
バー長官はこのあたりで本当に支離滅裂になってきているような印象。しかし、彼の答えは確かめなかった、だ。
実はモラー報告書には、大統領の起訴の理由となる10項目が明確に指摘されている。カメラ・ハリスもこの10項目に言及していた。その10項目は証拠となる証言やEメール等の詳細が付いていた。
 
 
同じカメラ・ハリスから‟マイベイビー”とは何を指してる?と詰問された。
実は先に他のセッションで、バー長官は、モラー報告書は”マイベイビー”、とうっかり本音を漏らしたのだ。つまりマイベイビーなら彼の思うまま何をしてもいい、という意味だ。
この人には司法長官は国民の為にという倫理感覚無し。
 
もう一つ、モラー捜査官の2回に渡る抗議書についてであるが、この男は、‟snitty" で、モラーの部下の誰かが書いたに違いない、と答え、視聴者から批判を浴びた。
"snitty"とは拙者も初耳。これは米人も同じ。それで意味を知る為にネットの辞典をヒットした人が続出した、というのはWebster-Merrimanよりの報告。
意味は、悪意のある、とか、意地悪い、などだそうだ。
この長官は、上院の司法長官任命承認公聴会で、モラーは20年来の友人、と誇らしげに答えていた男だ。その友人を見事に裏切っておいて、snitty、はないと思う。

トランプのアメリカ:問題動画 ”Stop” or ” Fine” ?

安倍首相がホワイトハウスの玄関先でトランプにストップをかけられた、という報道が韓国サイドから出ているという事がただ今話題になっています。
下が問題の動画ですが、私には声が聞き取れません。しかし彼の口の動きからあえて推察すれば・・・・・
 ‟More closer!”というカメラ側からの声で、安倍夫妻がトランプにつつーと接近、トランプは  ‟Fine” と言っているように見える。
これぐらいでいいよ、という意味。
トランプと安倍氏は親密であるという証拠のような動画。もっともいつまで続くか?
 

トランプのアメリカ:モラーレポートが公開された!?

4月18日、ロシアによるの大統領選介入事件の捜査に当たったモラー特別検察官による『モラーレポート』が予定通り米司法省から一般公開された。公開は司法長官バー氏の報道記者会見の後に予定され、その前にCD-ROMで公開されるというのが流れ、今時これを使う人がいるのか?という苦笑がでた。結局このレポートはネットで直接公開された。
 
しかし前哨戦が凄かった。まず民主党が実権を握る下院監視委員会はバーの能書きは不必要、と前夜に記者会見を止めろ、と公式に要求した。というのは、絶対多数の法曹系コメンテーターは、司法省内部メモによって、司法省が現職大統領を犯罪容疑で起訴することを禁止していることを理由に、モラー特別検察官は報告書を議会と市民に向けて書いた、結論ずけたからだ。
 
以前説明したように、政府高官の政治的任命というものが悪用されるとどういう結果を招くか、今回のバー長官のモラーレポート公開阻止行為はそのいい例だ。
 
モラー捜査は2017年の5月、トランプが大統領に就任して4カ月後、当時FBI長官だったコミー氏を不意打ちして突然クビにしたことから、臨時代理長官となったマケイブ氏が司法省にかけあって特別検察官モラー氏を任命させたことから始まった。政府とは独立して、トランプ及びその身辺を徹底的に捜査しロシア大統領選介入のトランプ側の動きとの関連性を解明する目的だった。だから、これは最初から大統領をターゲットとした捜査であり、トランプが執拗にツィートしている‟魔女狩り”だ、というのも当たらずとも遠からず。これが公平な視点だと私は思う。
 
モラー捜査官は総勢40人以上のスタッフを雇い、2800件の召喚命令を出し、証人500人を直接インタビューし、約500件の捜査令状を取り、13国に接触した。捜査過程で34人と3つの組織が起訴された。その中には民主党本部をハッキングしたロシア陸軍諜報部のメンバーも含まれている。しかし、親玉プーチンは起訴から外されている。
 
公開されたモラーレポートはレインボーレポートにはならなかった。黒塗りされた部分に理由についてカラーコードがチョコンと付いている、というしろもの。しかし448ページもあり、プリントしたものは高さ3インチぐらいか、TVではファイルにされていたが、ずっしりと重そうだった。
 
このモラーレポートに先立つもう一つのレポートがある。これは‟スティールドシエ”と呼ばれている。民主党のEメールが盗まれたとわかった直後に民主党が元英国諜報員で私的調査機関を運営していたスティール氏に依頼し調査を行った。ドシエという聞きなれない英語はフランス語で探偵録を意味する。このレポートはトランプ就任前後に関係者に出回り、FBI捜査の根底になった。だからトランプは犯罪者ヒラリーの陰謀と見ている。その中にはトランプがミス・アメリカ世界大会でモスクワ滞在中にロシア側に売春婦の目の前でおしっこした場面(=Golden Shower)の隠しビデオを撮られ、脅迫を受けている、というがあった。その件に関してもモラーレポートは触れている。トランプはこのビデオの存在を早くから知っていたが、問題のビデオが本当に存在するのかどうか、モラー捜査では確定できなかった。
 
 
もっとも黒塗りの部分が多いのは、ロシアと大統領側の共謀容疑関連のパートである。
とにかくモラーレポートの内容は詳細で、これまで報道されていた多くの謎の点がをモラー氏によってはうまく線で繋げられている、という評価だ。
モラー報告書によると、トランプサイドには共謀を構成する要素、特に双方の合意・共有されたプランがない、というのでこの捜査結果では陰謀罪で起訴するに値しない、という結論となっている。
 
もともとこのハッキングは、トランプが選挙運動中にステージで、‟ ロシアよ、どうか極悪人ヒラリーの失なわたEメールを見つけて、公開してくれ”と演技力たっぷりに聴衆に叫んだ事が発端だった。ロシア側は五時間後に民主党本部にサイバーアタックを試みた。その後、ロシア陸軍諜報部は民主党本部のハッキングに本当に成功した。
 
プーチンはクリントン候補に恨みがあるらしく、クリントンが大統領になるのを阻止したかった、そして米ロ関係の向上を狙っていた。具体的には経済サンクションの廃止とオリガルヒを使っての米での金儲けである。トランプはモスクワにトランプタワーを建てたくて頭が一杯だったから、彼の大統領候補はロシアにとって絶好の機会となった。
多くが黒塗りされているので詳細は明らかでないが、ロシアとトランプ側はかなりの回数でコンタクトしていた。起訴されたフリン元国家安全保障長官は長官に任命される前にトランプの手下としてサンクション緩和についてロシアとコンタクトしていた。フリン氏は海兵隊を退役した後は金儲けに専念、外国から金を受け取りながら、税金申告は勝手にスルー。外国のロビーストである登録もしていなかった。理由はグリード(強欲)である。
 
だから、フリンはモラー氏より捜査協力により減刑嘆願も得たが、昨年刑を決める判事から、あなたの罪は国家反逆罪、と指摘され、刑期決定が延期された。フリン氏は退役海兵隊大将なのだ。一体どの顔下げて合衆国と自由を守る為に危険覚悟で闘ってくれ、というつもりか?
 
しかし、トランプ側は嘘と違法な捜査妨害でモラー捜査に敵対だ。
たとえば、大統領報道官のサラ・サンダース。
FBIのロシア介入の捜査を止めさせないコミ―長官をクビにした事件に際して、FBI内部からたくさんの賛同を得た(つまり現職の大統領捜査に反対している)、コミ―はFBIで人気もなく、仕事のできない人だからクビになった、とTVで散々にけなしたのだが、モラーレポートによれば、これは彼女の全くの作り話と彼女自らが認めた(疑わしい、トランプからだと想定される)。とにかくこういう人が大統領報道官として白昼堂々とウソの中傷をまき散らしたということになる。
 
 
昨日はTVで一日中モラーレポートの解釈を法曹コメンテーター達がしていた。今日はグッドフライデーでこれから3日間米はイースターホリデーに入り、学校は今日は休校。バー司法長官はこの祝日連休を狙ってレポートを公開し市民の矛先をそらすのが目的、という非難がフェイクニュース側から流れていたが、モラーレポートを読むには少なくとも2日はかかるそうで、今日は皆休みを利用して読んでいる最中だそうだ。結局これはグッドタイミングだったのではないだろうか、と私は思う。
 
昨日のバー氏のモラーレポートの解釈は自説の大統領権限拡大論、つまり背任特別捜査は憲法違反、に沿ったもので、実際のモラーレポートの内容とは反対であることが公開でバレてしまった。
捜査妨害容疑では結論は正反対。しかしトランプ起訴は議会による弾劾か、大統領終了後に民間人として起訴されるのか、選択があることを開示している。
 
NYタイムスの公開前夜の特報は正しく、大統領側はすでにモラーレポートを事前に見ており、40ページぐらいの反論を公開前からすでに用意しているとの事だが、その反論はまだ公表していない。
トランプ氏は冬のホワイトハウス、マー・ラーゴ・ゴルフクラブの別荘で早朝ツイート。
 
Statements are made about me by certain people in the Crazy Mueller Report, in itself written by 18 Angry Democrat Trump Haters, which are fabricated & totally untrue. Watch out for people that take so-called “notes,” when the notes never existed until needed. Because I never....
拙訳:キチガイモラー・レポートの私に関する各人の証言は、実は18人の怒れる民主党トランプ・ヘイター達が書いたもの、捏造されたもので全くのウソ。いわゆる‟ノート”を取っているヤツに気をつけろ、このノートは都合に応じて現れるぞ。・・・
 
というように出来るかぎりトランプ英語のニュアンスに合わせて訳してみたが、モラーレポートで無罪証明された、と宣言している人の書く言葉ではないことは明らか。これを読んでもツィートしている人の頭の中の回線がどこかおかしいとは思わないか?
ノートの部分については明確な意味は不明だが、どうやら、彼がクビにしたコミ―氏などのFBI高官達(コミ―氏はトランプとの対話はすべて直後にノートし、その内容をモラー氏に送った述べている)や、モラーをクビにしろ、とせまったが逆に断られ、こんなバカやってられないと辞職したドン・マゲーン弁護士がノートを取る人達だったところからきているようだ、とNYタイムスは解釈していた。
 
 

トランプのアメリカ:モラーレポート公開前夜

明日の朝、米時間では 4/18、日本時間では 4/18 の真夜中ぐらい、いよいよモラー報告書が一般に公開されることになった。 まず午前9時にバー司法長官とローゼンスタイン副長官の報道記者会見が開かれ、実際のモラーレポートの一般公表は昼過ぎになる予定だそうだ。
その後に、トランプ自らも報道記者会見をする、という話も流れている。
 
これは一体どういうことなのか?皆理解に苦しんでいる。
 
フェイク・ニュース側は、能書きはいいからとにかくモラー・レポートを公開せよ、と要求していた。
しかし、このモラーレポートは非公開箇所を真っ黒に塗りつぶした敗戦直後の日本の教科書みたいになっていると最初から予想されていた。しかし、バー司法長官は、先週、黒だけじゃなく、赤、黄、青等々に色分けて塗りつぶす、と議会で述べたので、この報告書は『レインボーレポート』だと冗談を飛ばすTVコメンテーターが続々現れた。
 
当然、下院では塗りつぶしなして提出せよ、と要求、バー司法長官が拒否すれば、裁判所に提訴、その間モラー特別検察官本人を議会に召喚ということになるだろう。
なぜこういう事態になったのか、という原因を追究しても今は無駄だ。とにかく明日のその時を待つより他はなし、というのが本日の米の最大ニュースである。
 
Image: What to Expect from the Mueller Report
 
上はこの事件の関係者達。向かって左側、バー司法長官
彼はトランプによる政治的任命である。バー氏は若い頃パパ・ブッシュ大統領の任期の終わりに司法長官に任命され、当時のイランコントラ・スキャンダルで政府にウソをついたとして連邦裁判所に起訴された関係者、政府高官も含めて、全員を大統領恩赦したので有名だ。
トランプの目にとまったのは司法省つまりトランプに、大統領権限があるので大統領を捜査する特別検察官設置は違法、モラー捜査自体も違法、という法的意見書を送りつけ、前任者セッション元上院議員に辞職させ、誰もなりてがなかったポストに志願した。ブッシュ時代にも大統領権限が国際法に先行する、という主旨のメモを司法省で書き、後で議会に公開を要求され、モラーの時と同じように、自分で『結論サマリー』を書き拒否したという過去があるそうだ。このメモは後に公開され、バーのサマリーとは内容が違っていたことがつい先だって明らかにされた。
 
隣はモラー特別検察官。FBI長官を務めたこの人は悪人を取り押さえるのが大好きで、司法省を引退後弁護士になったのだが、顧客に、アンタ、どう見ても有罪じゃないか、と言いかねない人、とモラー氏の知人が冗談のタネにしていた。
 
トランプについてはいろいろな事が書かれている。フェイクニュース側はトランプは政治家というよりマフィアのボスと見た方がふさわしい。忠誠心を何よりも大切する男。裏切り者は徹底的に痛めつけて消せ、というパターンだ。かなりボケが進んでいるらしく、あちこちで、私の父はドイツ生まれのドイツ人、とやっているが、気を付けなければならないのは、彼のいうドイツ人とは、敗戦前のユダヤ人撲滅を目指したドイツ人のことだ。日本人は白人が大好きだが、白人の中には有色人種やユダヤ系を機会あるごとに虐待しようとする人がいる。しかしなぜかトランプは日本の政治好きの人々に大人気。しかもトランプは踏んだり蹴ったりされてもついてくる、安倍ポチがとても気に入っている。
 
向かって右側はトランプ・Jr。トランプの長男だ。この若者はカジノ・タイクーンと自称していた若きトランプとしゃべり方も似ている。しかし、トランプの家庭環境は複雑で、トランプはこの長男に常に苛立ちを感じていると言われている。トランプのお気に入りは娘のイヴァンカと彼女の夫、クッシュナーだ、というのが定評となっている。それで、この長男様は父親に気に入られたいのか、反対派を刺激する問題発言を次々起こしている。トランプは不必要な事をして、と常にご機嫌ななめとか。
ところで、この長男様にウィキーリークスがコミュニケーションをしていた、という憶測が流れている。なぜ、この長男様が他の偽証者と同様に起訴されなかったのか?その事も含めて、この長男様の中でのロシア介入事件の役目もモラーレポートで明らかにされる、と見なされている。
 
さて明日は朝から実況中継だそうです。これからベッドに行きます。