Complete exchange between Sen. Kamala Harris and Attorney General William Barr (C-SPAN)
またこの日はトランプ大統領のウソつきカウントがついに10,000を記録。
しかし当のトランプは朝から民主党大統領候補バイデンを貶すツィートを60も流した。それには理由が。
かって鉄鋼の州と呼ばれたペンシルバニア出身のバイデン元副大統領のターゲットは外国企業が原因で仕事を失った白人ブルーカラー層。つまりトランプの "ベース" だ。だからトランプも黙ってはいられない。
しかしバイデンには弱みがある。なにしろ彼は失言王だ。口を開くとどういう失言が飛び出してくるかわからないような人。
案の定立候補前から失言の連続。さて失言王バイデンが暴言王と虚言王という二冠のトランプに2020に打ち勝つことが出来るのか?今の時点では誰にも先が見えない。
3月22日金曜日の夕方5時、モラー特別検察官がバー司法長官に報告書手渡し22カ月かかったロシア介入捜査は終了した。その時バー長官は週末中に報告書についてサマリーを出すと約束。
米国では長文書類や絶対に読んで貰いたい文書には要約であるサマリーを付けるので誰もとりわけ不思議だとは思わなかった。
3月24日日曜日には約束通り、サマリーを発表。
それには、モラー特別検察官は起訴判断を自ら回避したので、上役である私が彼の結論である‟ No collusion, no obstruction”から、大統領は不起訴にする、と書かれていて大騒ぎになった。
もちろんトランプは、モラー報告書で私は潔白だということが証明された、モラー捜査官は本当によくできた人だ、とツィート。翌日のトランプ支持率も40%以上に急上昇。
しかし、この4ページのサマリーの最期の部分に、モラー報告書の結論として大統領には有罪となる確実な証拠はないが、無罪とすることもできない、というのがちょこっと引用されていた。これは一体どーゆー意味?というので、米国の元裁判長、検事、FBI高官、法学者が一緒になって議論した挙句、出てきた結論は、モラー捜査官は司法省規則で結論を保留し、米議会に判断をゆだねているのではないか、モラー報告書の内容とバー長官の結論には大きな違いがあるのではないか、という事だった。彼らの予想は間違がっていなかった。
今回の公聴会の前夜遅くに、NYタイムスが特ダネを公表。真実はモラー特別検察官はバーのサマリーに対して文書で正式に抗議していた。それはサマリー発表の翌日3月25日の事だった。
続いて3月27日にも二回目の抗議文書を送った。米国のお役所では抗議文書は即刻回答するのが慣習だ。これについては拙者にも経験がある。しかしバーは返答を引き延ばし、できれば無視しようとしたようだ。しかし、この同じ日にモラーの部下の誰かが、第三者を通して、バーのサマリーは報告書と違うとワシントンポストにリーク。おまけに報告書には一般公開を予想してモラーじきじきのサマリー付きだった、というのでまた大騒ぎ。
翌28日の金曜日にバー長官は、彼のサマリーは実はモラー報告のサマリーではない、と短いがサマリー撤回という奇妙な手紙を公表。あれは、モラー長官の起訴回避という最後の一文から書いた‟レター”だというのだ。
4月18日のモラー報告書公表は4月初めの下院の予算に関する定例報告会でバー長官が激しく追及され、やっと腰を上げた、という恰好になっている。これがバーの意図的なパフォーマンスなのかどうか今のところ分からない。
今回の公聴会についてもバーののらりくらりの言葉ではぐらかす返答は聞き飽きた、モラー特別検察官を議会に呼べという声が大きくなっていた。しかしNYタイムスのスクープで関心が急上昇、多くのアメリカ人がライブ放送に釘付けになった。拙者もその一人。
それで明らかになったのは、バー長官の狡猾さ。あの、カーセールスマンと弁護士は絶対信用するな、というジョークは正しかった。
この公聴会ではメンバー1人の質問時間は8分間。その質問者のうちで最もダントツだったのは、民主党大統領候補の1人、カメラ・ハリス上院議員。彼女はカルフォルニア州の検事総長をしていた。彼女は母がインド系。要するに米ではアジア系である。下がその動画だが、ネットで大拡散となった。世の中にはああいう頭のいい人がいる、という典型みたいだ。
彼女の最初の質問は、バー長官に、トランプ側から誰かの捜査を(=モラー捜査の報復捜査)命じられた?示唆された?ほのめかされた?イエスかノーで答えて欲しい。
だが、うろたえたバー氏は明確に答えられない。
自分で不起訴と決定する前に、モラー捜査の内容を検討したか?という問いには、していない、と答えている。
ではどのようにして判断した?報告書の結論部分で、つまりバー自身が判断。
副長官のローゼンスタインからのメモか?いや、他の部下の誰も見ていないという驚くべき返答。
しかし大統領を起訴するということは普通の起訴ではない、自分で報告書の内容を確かめなかったのか?
バー長官はこのあたりで本当に支離滅裂になってきているような印象。しかし、彼の答えは確かめなかった、だ。
実はモラー報告書には、大統領の起訴の理由となる10項目が明確に指摘されている。カメラ・ハリスもこの10項目に言及していた。その10項目は証拠となる証言やEメール等の詳細が付いていた。
同じカメラ・ハリスから‟マイベイビー”とは何を指してる?と詰問された。
実は先に他のセッションで、バー長官は、モラー報告書は”マイベイビー”、とうっかり本音を漏らしたのだ。つまりマイベイビーなら彼の思うまま何をしてもいい、という意味だ。
この人には司法長官は国民の為にという倫理感覚無し。
もう一つ、モラー捜査官の2回に渡る抗議書についてであるが、この男は、‟snitty" で、モラーの部下の誰かが書いたに違いない、と答え、視聴者から批判を浴びた。
"snitty"とは拙者も初耳。これは米人も同じ。それで意味を知る為にネットの辞典をヒットした人が続出した、というのはWebster-Merrimanよりの報告。
意味は、悪意のある、とか、意地悪い、などだそうだ。
この長官は、上院の司法長官任命承認公聴会で、モラーは20年来の友人、と誇らしげに答えていた男だ。その友人を見事に裏切っておいて、snitty、はないと思う。