2016選挙戦で多数の精神病理学及び心理学の専門家がトランプの言動が現実から遊離していることに注目。それ以来彼の話は誇大妄想と被害妄想のリピートで精神疾患者特有の症状と同一ではないかと指摘されてきた。本も出版され、政府や議会にも意見が提出され、大統領就任以来、専門家達は社会に対して警告を発してきた。
米の医療法では報道された大統領の言動から専門家が症状を診断することは違法。これをゴールドウォーター・ルールと呼んでいる。しかしトランプのように言動から精神不安定が察知できるケースでは専門家の意見は考慮されるべきだ、という声が大きくなっている。
実は今日11月29日日曜のAM10時に流されたトランプの45分間の電話インタビューを聴いたばかり。内容は大統領選に勝ったという現実無視の誇大妄想と被害妄想の苦情ばかり。投票数で負けた、という当然の帰結はこの詐欺老人のアタマの中には全く存在しないのだ。
トランプが引き起こした米憲法クライシスのせいで今回の投票総数は史上最高。バイデン(=反トランプ)は8千万票近くを、トランプは7千2百万票獲得、二人の差は少なくとも約6百万票と見なされている。ヒラリーとの差は100万票だった。またトランプも負けたとはいえ2016よりもはるかに多数の支持票を獲得している。
しかしトランプは今回の結果が受け入れられないのか、または受け入れたくないのか?二つに一つか両方か。
11月5日にフェイクニュース及びフォックスニュースまでデマという理由で会見を打ち切られて以来、沈黙を守っていたが、11月26日のサンクスギビングの朝、トランプのショート記者会見。私が勝った、というスタンスは全く変わらず。その後さっさと自分所有のゴルフコースへ出かけた。
米は今新コロナ感染悪化の真っ最中。しかし感染に関してトランプが口にする事は、ワクチン開発の手柄は私だ、バイデンは私の手柄と盗もうとしている、という恨み節。下はその時の会見動画の一部だが、選挙は私が勝った、と相変わらず。超大型の選挙不正でこうなってしまった、こんな事は米では起こるべき事ではなく第三世界での出来事だ! しかし記者に突然怒りだし、私にそんな口を聞くな!私はUS大統領だ!大統領に向かってそんな口の聞き方は許さん、と逆上!これがSNSでバイラルになった。
バナナ共和国(=第三世界)の独裁大統領のように振舞っているのは、トランプだ!
今日のインタビューでは"ドューハムはどこだ!FBI は一体何をしている!皆私の為に働いている筈なのに!"と声を荒げて電話で叫んだ。
ドューハムとはトランプの意を受け嘘つき司法長官バーが任命したオバマゲート陰謀捜査の特別連邦検察官。フリンは強制的に偽証させられた、という彼の結論がフリン起訴取り下げの根拠、とバーは主張。トランプの算段ではこのドューハムがオバマ陰謀の報告書を公表、投票前にオバマとバイデンを逮捕するつもりだった。これが本当のオクトーバーサプライズ。しかしドューハムは報告を出さず、おかげでトランプの策謀はドタキャンされた。バーがオバマと側近の起訴もあり得る、と早くに宣言したドューハム捜査の詳細を私達市民はぜひ知りたいものです。バイデンによる早期公開を期待している。
ところで今日の記者会見でのトランプの主張は縁切りしたはずのパウエル弁護士の起訴状とほぼ同じ。
バイデンは8千万票を取れるわけがない、と今日も電話で数回リピート。負けたのはトランプ票が、石の下、川、道端でばっさばっさと捨てられたからだそうだ。それと集計監視員を追い出し秘密に不正を働いた、ドミニオン集計機で票がすり替えられた、死人までが投票、と本当にきりがない。
その上、ジョージア州知事は自分が苦境に陥ったのにトランプを全く助けなかった、だから知事選で助けてやったのを後悔している、州務長官は裏切り者だ!とTVで宣言。
事実はジョージア州知事はトランプの忠犬。ステイホームを真っ先に解除したのはジョージアだった。もちろんその後に感染の波に襲われた。州務長官は、私と妻は揃ってトランプに投票したが、職務は果たさねばならない、と悲痛な声で宣言。だが負けを公表した罪を負わされ、トランプの目には憎い敵としか映らない。州務長官は、私はトランプにバスの下に投げ込まれた(=責任を理不尽に負わされたの意、米口語の決まり文句)と述べていた。
しかもジョージア州は手動で再集計してもやはり結果はトランプの負け。これとドミニオン機械集計不正はどう繋がっているのか?私達にはさっぱりわけがわからない!
トランプカルトは、ジョージアではまた不正をされるので一月の上院選をボイコット!と呼び掛けている。
それに知事と州務長官は責任を取れ、と二人を辞職に追い込もうとしている。これは州共和党内のクーデターだ。今週中にトランプもジョージアの乗り込む予定。
この調子ではバイデンを次期大統領としてトランプが認めることはまず無理。それどころか永久に認める気もないようだ。これからの54日間トランプに何をされるかわからない、という不安と警戒がフェイクニュースと市民の間に非常に高まっている。