chuka's diary

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トランプの偽州選挙人をFBIがただ今捜査中!?

トランプが落選してから一年をとっくに過ぎてしまい、日本ではその後のフォローアップ記事もほぼ消滅状態。

ところがいつの間にかトランプカルトがネット上で息を吹き返している。驚きました。

しかし米でもトランプは野放し。しかも言いたい放題でいまだにデマを撒き散らしている。

だから日本ばかりを責められない。しかしこの1月6日を境に、反トランプも攻勢に突入。これからは司法を巻き込み中間選挙直前に向けて激突となりそうだ。

 

昨日25日(米時間)、激戦州7州での偽州選挙人の登場事件をFBIが捜査中であることを司法省が発表した。

 

州選挙人というのは米独特で、大統領選は州選挙として実施され、勝者は各州に割り当てられた州選挙人数を全員獲得するという制度を指している。だから大統領選の結果として次期大統領が誰になるかは明確であるが、法的プロセス(=due process)として各州での州選挙人の認定投票(前回は12月14日)次に議会での集計と次期大統領指名(前回1月6日)を得てやっと就任式(前回1月20日)に至る。この法的プロセスに関して長すぎるという批判も大きい。しかし米憲法ではこの法的プロセスを厳守することとなっているので止めるにも止められないといったところである。

 

前回12月14日の州選挙人投票日に、アリゾナ州ではトランプ支持の州選挙人が彼らこそが本物の州選挙人だと主張し州議事堂に押しかけたのだが、警察官に戸口で追い返されていた。

また同日ウィスコンシン州では本物の州選挙人が認定を受け投票していたルームのすぐそばの別のルームで偽の州選挙人達が勝手に投票していた。これらは当時ニュースとして大きく報道された。

しかし、偽州選挙人事件が大きく問題になったのは、米政治メディアPoliticoの記者が国立公文書館に送られてきたアリゾナ州の二つの偽州選挙人の認定投票証書について文書館内で捜査中であることを知り情報公開法により偽証書のコピーを取得したことから始まった。

 

アリゾナ州だけではなく、他の6州からも偽の州選挙人投票証書が送られていた。その内の5州、アリゾナ、ネヴァダ、ウィスコンシン、ミシガン・ジョージア、のは正式の投票証書として送られていた。他の2州、ニューメキシコとペンシルベニアのは、バイデン勝利が認定取り消しになった場合のみ、という条件付きだった。上の7州はバイデンが勝利していた。

 

このように民主と共和の二党の州選挙人の投票証書が議会と公文書館に送られた先例はただ一つ。1960年のニクソン対ケネディだった。ハワイ州で接戦となり最初州側はニクソン勝利と認定。しかし再集計され、200票以下の差でケネディが勝利認定された。その間民主党の州選挙人は投票証書をすでに送り、ハワイ州はこちらを認定。従って1月6日は民主党側のが認定された。もちろんこれは再集計の結果に依拠してである。その時のハワイの州選挙人は3人。だから大統領選の結果には全く影響はなかった。

 

今回のトランプの州選挙人側は上のハワイの例を引き合いにだし、彼らのした事は完全に合法とTVで主張している。そもそもこの事件がトランプの陰謀だと信じられているのは、Politicoが取得した投票証書にある。

7州の各証書は明らかに同じテンプレートを使っていた。だが実際の証書は州ごとに全く違うのだ。当然これらの偽証書はどこから来たのか?という疑問が湧いてくる。その上、5州のは公文書偽造の疑いが強い。これは最高20年の禁固となる。トランプはこの偽投票証書を利用しペンスに7州のバイデン認証を拒否するようせまったと報道されている。

 

下がこのニュースの動画。キャスターはレイチェル・マドー。全米で最も視聴率の高い反トランプ解説者。彼女はPoliticoと協力して偽州選挙人ニュースをここ数週間追跡してきた。

最初にPoliticoの記者が公文書館からコピーを取得。ニューメキシコ州とミシガン州検事は複数の州に関連していることからFBI捜査を要請。今日、司法長官代理がこの事件はすでに捜査中だと発表。これ以上の言及は控える、とのこと。

すでにWaPo(ワシントンポスト)はトランプの弁護士チームを率いていたジュリアーニ氏がこの陰謀の中心という記事を出していた。

 

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