chuka's diary

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米最高裁がトランプにお灸をすえた!?

昨日19日は最高に忙しい日になった。まず早朝からウクライナ危機、NY州検事のトランプへの大反撃、バイデン記者会見、投票権法の沈没、と続き、締めくくりは米最高裁のトランプによる上告の拒否。

 

下の拙記事はトランプが10月末に1/6議事堂襲撃調査委員会と国立公文書館に対して訴訟を起こした事件についてです。

 

トランプの目的は公文書館に送られたトランプ大統領の末期の職務記録が委員会側に公開されることを阻止する事です。その中には電話ログや多量のポストイットに書かれたメモが含まれていると噂されている。

ヒラリーとは違い、トランプはe-mailを全く使っていなかった。

 

トランプは、調査委員会は民主党の魔女狩りと主張、第45代大統領(前大統領)の大統領令に依拠し、裁判所の公開差し止め判決を狙った。この時の米法曹関係者は、バイデンはすでに自らの大統領令で公開を命じていること、ニクソン政権下の先例(犯罪容疑も絡み裁判所はウォーターゲートの盗聴テープ公開を命じた)からトランプ敗訴を予想していた。

 

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12月には控訴裁で敗訴判決。根拠は、まず現大統領による大統領令が前大統領のものより先行する、となっていた。トランプはただちに最高裁に緊急ヒヤリングを上告。

 

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昨日の夜、最高裁からヒヤリング却下の判断がくだった。これが最終判決であり、その夜からすでに資料が公文書館から届き始めたと報道されている。

 

なお、この判決は8:1.最右翼のクラレンス・トーマス黒人判事が反対していた。

この判事は1991年EEO長官だった時の元部下のアニタ・ヒル弁護士にセクハラ告発され指名が大騒動に発展。

その過程がTV公開され、証言者としてハーバードやイエール法科大学院卒の黒人弁護士が次々登場。しかもこの人達のスタンスはトーマス判事と同じ保守だった。つまり反アニタ・ヒル。私もTVを見た一人だが、率直に言ってどちらが真実なのか分からなかった。

 

米社会の黒人に対するステレオタイプ(=落伍者、負け犬)が変わっていく先駆けとなった、と多くが感じた。

 

しかし今回はトーマス判事に対する批判がかなり出ている。夫人の件だ。トーマス夫人は白人の女性弁護士で共和党の活動家。今回の1/6議事堂襲撃デモに関連しているので、トーマス判事は判決から身を引くべきだったというのだ。

 

またこの判決で、トランプに任命されたカバノー判事が特別意見を書いていた。

それによると、控訴裁判所で示された大統領令は現でも前でも公開の基準にするべきでない、というのだ。つまり、大統領令による期限付き情報非公開は特権であり常に尊重されるべき。だがニクソンの先例のように、判断は資料の重要性を考慮に入れるべき、という難解なしろもの。

 

とにかくこれで最終です。トランプさん、残念でした。