chuka's diary

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トランプ:犯罪調査されるのはペンスだ!?

1月29日のテキサス州ヒューストン郊外のフェアグラウンド(恒例州フェスティバルの開催地)で開かれたトランプ・ラリーについて前回書きました。州副知事によればテキサスこそ“まことのトランプ王国”だそうで、ここでトランプ様のめでたいお国入りとなりました。

 

知事、副知事に州検事のThree Amigos(テキサス版3バカトリオ)が雁首揃えてお出迎え。しかしアボット知事にはMAGA勢がブーイング。理由はコロナ対策として短期間の外出差し控え令を出したからだそうです。少なくともこれで多くのテキサス住民は救われたはずです。

 

そういえば、この前扇動共謀罪で逮捕されたダラス郊外在住のオースキーパーズの首領、実は恐怖のDV男だったと報道された。

 

テキサスでトランプは、トランプ起訴が想定される首都ワシントン、NY、アトランタでの3か所で全米抗議デモを扇動した。つまり1/6議事堂襲撃を3か所で繰り返すつもりなのだ。その中のアトランタでは来る5月に大陪審の開催が予定されている。これはトランプ起訴につながるという見方が強い。トランプには恐怖です。

トランプは演説でアトランタの黒人女性検事をレイシストで汚職まみれとやり玉にあげた。この州検事はその日のうちにFBIに彼女とスタッフ全員の身辺警護を要請。彼女の要請状には、トランプの選挙法違反捜査が原因と書かれていた。トランプ個人が捜査対象であることがここではっきりしたわけだ。これまでトランプの選挙違反についてはマイケル・コーエンのみが服役し刑期を終えた。しかし首謀者トランプは野放しのまま。

 

米主要メディアは、“ペンスは選挙結果を覆すことができたのに“という口惜しさのこもった恨み節を非常に重要視し、これこそトランプの自白と報道。これがニュースとして盛り上がった。

 

なぜかといえば、ペンス副大統領には州選挙人の投票結果にものいいをつける権限がない事が憲法と州選挙人集計法1887、で確立されているからだ。だから選挙結果を覆そうと思うのは国家反逆罪の動機なのだ。

ところが、この主要メディアや法曹家の非難に反撃するかのごとく、翌1月30日夜に、トランプは“Save  America Pac“という自己への寄付団体から声明を配信。

 

この背景には民主共和協同して約150年前に書かれた選挙人集計法をいっそう厳格化し次回トランプに邪魔されないようにしようとの動きがあった

声明ではこの議案の提案者の一人、共和党のスーザン・コリンズ上院議員を奇人変人とこき下ろし、彼女に賛成する共和党議員を“RINO”とレッテル貼り。RINOはライノと発音、Republican in name only の略、名のみの共和党員と嘲笑を浴びせた。

トランプはこれまでトランプ賛同を控えた著名な共和党員にこのレッテルを貼り共和党からパージしてきた。

 

トランプ流ではそもそも選挙集計法(が1886年以来)があるのは副大統領に選挙結果を決定する権限があるからだ、という解釈で、トランプは、その権限を使わなかったペンスが間違いをしたと主張。

 

この声明文をたてに主要メディアや著名弁護士から、これがクーデターの証拠、即逮捕しろと囃されアタマにきたのか、昨日には州選挙人投票を止めさせなかったペンスはペロシと共に犯罪調査されるべきだとSave America PACでまた声明を出し、これが第3者のツィッターを通してバイラル化。

 

実はペンスに恨みとヘイトの矛先が向けられているのは、先週、ペンスの元首席補佐官と専任弁護士が下院調査委員会に全面協力したことに原因があると見られている。ただしペンス個人は委員会への協力を避けているそうだ。ペンスは2024の大統領選を目指していると見られている。

 

もうここまでくると、トランプは本物のキ印という認識が高まり、さすがにこれ以上トランプヨイショをする人がいなくなった。フォックスTVもトランプラリーの生中継を止めた。

一方、調査委員会は国立公文書館にペンス副大統領に関する公文書公開を今日要請。

つい先ほどもNYタイムズによるトランプ関係の特ダネが出たばかり。