chuka's diary

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トランプ、逮捕を予言し抗議デモを扇動!?

先週の週末、メディアがトランプ逮捕は時間の問題、といって大騒ぎ。

次いで翌19日(土)の早朝、トランプ自身も彼所有のSNS、True Social 、で明後日の3月21日(火)にNY州に起訴されることを予言。それだけならともかく、支持者にあの1/6の議事堂襲撃を思い起こさせるような抗議デモを呼びかけた。

 

今日の日曜日の朝、NY州マンハッタン地区検事アルビン・ブラッグは叛乱を呼びかけるトランプを非難する声明を発表。この人がトランプを起訴し手続き上逮捕しなければならないわけで、問題の火曜日に向かってメディアは盛り上がっている。

 

以下はこの事件のタイムラインについての出来るだけ簡単な説明だが、それでも非常に政治的で複雑なのです。

 

この事件は2006年に遡ります。当時ストーミー・ダニエルズ(26)は売り出し中のポルノスター。彼女の本業はストリッパーです。

彼女はトランプ(60)とネバダの有名なリゾート、レイク・タホのゴルフトーナメントで出会い、その夜ディナーに誘われ、ホテルでセックスし一夜を過ごした。

ストーミーによれば何の事はない、フツーの老人で一回きりと言っておりました。当時トランプは一年前に再再婚、息子バロンが生まれたばかり。これも反トランプのフェミニスト側から批判された。

それと、彼は米NBCの人気番組「アプレンティス(見習い)」で人気絶頂の頃。このTVからの金でトランプは事業の財政を何とか建て直した。TVの中の彼の役は見習い実業家達にクビを言い渡たすことだった。この役、大統領になっても続けっぱなしだった、と後で皮肉られた。

ストーミー・ダニエルズはその人気番組にアプレンティス(見習い)の一人として出場したかった。これが本当の枕営業。彼女はこれをビジネス上の判断と主張。それ以後トランプとは2回会ったが、2回目にトランプがアプレンティス出場を断った為に縁が切れた格好となった。

しかし、2012年にある三流雑誌が記事にし、ダニエルズに$150000(=1550万円相当)払うことになったが当時トランプオーガニゼーションの重役だったマイケル・コーエンに邪魔され、記事はお蔵入り。ダニエルズには一セントも渡らなかった。

 

マイケル・コーエンはNY州弁護士で自称トランプのフィクサー。つまり汚い仕事をする裏方弁護士。2016年の投票日が近ずくと、ダニエルズの弁護士が金が欲しいと言ってきたというのがコーエン側の理由。これは彼の暴露本による。

そこでダニエルズの弁護士と交渉、NDA(口止め合意)付きで$130000で合意。$20000値切るなぞコーエンもかなりケチな弁護士のようだ。

 

このコーエンはもう一人のトランプの相手、プレイボーイ誌のプレイメイトだった女性ともNDA付き合意を取り付けていた。金は当然トランプが払うことになっていたのだが、大統領候補が払うと選挙法違反。そこでコーエンはわざわざペーパー会社を登録し、この会社のオーナーとなり、会社から金を払った。払った金は大統領になったトランプから弁護士顧問料として払い戻してもらった。だが、これをウォールストリートジャーナルがすっぱ抜き、トランプの不倫騒動としてメディアが大騒ぎ。

 

下がその当時の拙記事です。

 

chuka123.hatenablog.com

トランプ VS ストーミー・ダニエルズ : Make America Horny Again - chuka's diary

 

ところで、ストーミー・ダニエルズはほどなくして、オハイオ州のコロンバスのストリップ劇場でメイク・アメリカ・ホーニー・アゲイン・ツアーの興行中に客への猥褻行為で逮捕。しかし、後に彼女を逮捕した警官2人がトランプ支持者であることが判明。しかもe-mailからダニエルズを意図的に逮捕したとみなされ一年後の2019年に$440000を(5000万円相当)をダニエルズに賠償金としてコロンバス市が払った。

 

あのロシアによる大統領選介入捜査のモラー特別検察官はトランプに忠誠を誓っていた側近コーエンを徹底的に洗った上、脱税と選挙資金法違反で起訴。そこでコーエンは親分トランプから寝がえり、実刑3年の刑をくらった。

 

マイケル・コーエンは最初は自分の一存でしたことでトランプとは関係ない、と言い張っていたが、モラー特別検察官側に寝返り、トランプ親分の命令だったと告白。米下院議会公聴会では匿名インディビジュアル#1、つまりトランプ、に口止め金を貰った、と主張。

しかし、司法省の方針で現職大統領は起訴されない。そこで捜査は完全にストップした。

 

この事件を引き継いだのが、NYのマンハッタン地区。理由は選挙時トランプが居住していたことによる。

しかしトランプ大統領が退任しても地区検事は起訴を避けていた。が、トランプオーガニゼーションが詐欺・脱税で悪徳企業と定義され、NY州に罰金と活動規制を課せられた民事裁判判決が今回のトランプ個人の起訴につながった。

だが罪名は未だに明らかでない。トランプがが弁護士顧問料としてコーエンに払い戻しをしたので、ビジネス文書偽造罪に該当する。だが、これは軽犯罪。しかし、起訴というからには犯罪に該当するはずだ。というので皆起訴状公開を待っている。