chuka's diary

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ヒラリー、トランプ・タワーへスパイ攻撃!?

先週2月11日金曜日にダーラム(=Durham)特別検察官が首都DC連邦裁判所に去年起訴したサスマン元民主党顧問弁護士に関する裁判前の要請書(=pre-trial motion)を提出したことで、トランプ・ヨイショのフォックスが大騒ぎを始めた。

たちまちこれがクリントンによるトランプタワー・スパイ事件に発展。ここ2-3日主要メディアでも大騒ぎが続いた。

 

日本国内でも古森義久がデマ記事を書いて暴走中。

真相を知りたい方はネットで全文公開されている"ダーラム検事による裁判前の要請書"全13頁、を読むべきだ。

 

ダーラム特別検察官が手掛けて来たのはオバマゲート捜査。トランプのロシア疑惑(=スティール報告書)に対抗してトランプ自らがでっち上げたもので陰謀の張本人はオバマ元大統領とヒラリーの連合軍となっている。

モラー捜査まで発展したトランプのロシア疑惑はスティール報告が原因だったと確信するトランプは、"特別検事"まで任命して復讐に走ったのだ。その姿をフェイクメディアは風車に立ち向かうドン・キホーテに例えたものだった。

 

公式には特別検察官捜査は大統領選挙直前の10月にスタート。もっともそれ以前からダーラムは特命検事として捜査を続けていた。しかし11月の大統領選には間に合わずダーラムはトランプの怒りと罵倒の的となった。

 

バイデン政権下でこの調査は続けられたのだが現在まで2人がFBIへの偽証で起訴中。他の一人は起訴前に罪状を認め保釈判決を受けた。起訴中の二人のうちの一人がサスマン弁護士だ。

民主党系弁護士として知名度が高く、当然ながらバイデン司法省内部のコネもある、とダーラム検事に言及されている。

 

サスマン弁護士の起訴理由は彼がオバマ政権下、2016、にFBI法務顧問弁護士に面会を求め、サイバーテック社から依頼された資料をFBIに引き渡し、トランプ選挙本部とプーチン系オリガーク(=財閥)所有の銀行との関係を捜査するよう要請したことから生じた。

その際、サスマン弁護士は民主党選挙対策本部との関係を否定。

後のモラー報告書ではトランプと問題のロシアバンクの接触は証拠に欠けると判断された。

しかしサスマン弁護士は当時ロシア銀行調査名目で民主党選挙本部に顧問料を請求していたとして、当時民主党から雇われていたと見なされ、偽証罪で起訴された。サスマン側は起訴事実を否定している。

 

今回の請願書は、被告サスマン弁護士の弁護人が所属する弁護士事務所に関してだ。この民主党系の著名な弁護士事務所は、検察側の最重要証人である当時のFBI顧問弁護士と親しい関係がある、資料を提供したサイバーテック社CEO#1及び現在サスマン弁護士と相反する立場にあるサスマン弁護士が当時所属していた民主党系弁護士事務所#1の弁護も引き受けているので裁判の直接関係者間の利害関係に問題を生じさせ、公正な裁判を阻む可能性がある、と指摘されている。

 

結論として、被告サスマン弁護士側とも協議した後、ダーラム検察官は法廷が裁判前に各関係者と弁護士事務所との関係を調査し、必要に応じた判断(第三者弁護士の選択等)を下すことを請願している。

 

だからこの結論部分がこの請願書の主旨なのだが、フォックスはこれには全く触れていない。請願書の中の、サスマン弁護士がFBIに手渡した資料の概要を勝手に解釈、古森氏のようにトランプタワーをハッキングしてスパイした、などとなってしまっている。理由はこの概要箇所のサイバー用語が素人にはちと難解過ぎるためだ。

 

古森記事ではこの"pre-trial motion filing"、裁判前の請願書提出、が ダーラム検事の中間報告の提出とされていた。

 

事実は被告サスマン弁護士、資料を作成したサイバーテック社CEO#1氏双方とも違法なスパイ行為で起訴されていない。だからこの資料は合法的枠組みの中で収集されたものと見なされるべきだろう。

 

トランプがマーラーゴ・リゾートホテル&ゴルフクラブに持ち込んでいた15箱の公文書が押収されその中に極秘文書があったこと、しかもこの事件はまだ終わっていないという事実。トランプはそれ以前から勝手に公文書廃棄をしていた疑惑も出て、国立公文書館は司法省に捜査引継ぎを要請した。

その上、1/6議事堂襲撃中、トランプの公式電話記録にポッカリ空白の2時間が出現。その間トランプは側近と他人のセルフォンで連絡し合っていたという報道が流れ、ヒラリーのe-mail事件どころではない、"Rock Trump Up!"と囃された。トランプはさぞ怒り狂ったに違いない。

 

今回のはヒラリーの嫌味コメントへの2倍返しも兼ねたトランプの反撃となったのだが、とにかくこの先の展開に注目したい。