chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプ側近マットゲイツの人身売買疑惑!?

今週もトランプ関連のニュースが次々と飛び出したが、その中で特に人目をひいたのは、フロリダ州の下院議員マット・ゲイツ= Matte Gaetz の人身売買法違反疑惑です。

 

この特ダネをものにしたのは、NYタイムズ。そして米の主要メディアが後に続いた格好となった。フォックスではあのタッカーカールソンがゲイツ氏に直接インタビューしたのだが、そこでゲイツ氏は自分の疑惑をネタに父親から2.5億円の金をまきあげようと企んでいる人がいると名指しで公表。彼の疑惑はこの人達のでっちあげだ、と主張。この恐喝はこの金額を払えば僕がバイデンから赦免される、というものだと述べた。これにはカールソン氏もわけがわからなくなってしまったと困惑。

 

マット・ゲイツはトランプの側近で、日本でもトランプカルトの連中にはよく知られた存在だ。2019年のウクライナ弾劾では下院情報委員会の証人喚問の最中に共和党下院議員を引き連れて闖入し、喚問を一時中止させた。共和党議員がピザを宅配させ、メディアから散々批判された。去年は、ガスマスクをつけて議会に現れるという奇行を披露。

 

父もフロリダの共和党の地方政治ボス。二世議員の一人だ。38歳独身、イケメン?とかで女性のファンが多かったが、彼を知る人達の間では癖のある要注意人物として知られていた。

 

実はこの疑惑は去年、トランプ政権の司法省下で捜査がスタートしていた。トランプの司法長官ビル・バーはマットゲイツとの同席を意図的に避けていた、という報道も出ている。バイデン政権となり事件の概要が一挙に明るみに出たようだ。

 

事件は彼の地元のタックスコレクター(税徴収人)に共和党からジョエル・グリーンバーグが選出されたことにさかのぼる。両方とも共和党から2016年に当選し、下の動画でもクリーンバーグ氏とゲイツ、ロジャーストーンが3人仲良く映っている写真が載っている。

 

タックスコレクターというのは市の税金をこの人の名で集めるという非常に重要な役だ。住民が収める市税、毎年の車の登録税、免許の書き換え金、と市の収入を監督するのがこの人だが、グリーンバーグは当選するやいなや、ベテラン職員をクビ、そして税金を勝手にお手盛りし始めたというから凄い。

 

翌年2018年には逮捕され彼の犯罪の数々が暴かれた。その一つが、職権内ということで免許の身元調査を勝手に利用して自分や仲間にその種の女性を紹介。マットゲイツはビジネストリップにこの女性達を同行していたというのだ。

しかし金を払って女性を連行し売春に従事させることは法的強制売春を構成し米国の反人身売買法に違反という解釈が法専門家から指摘されている。しかも18歳以下の女性を州境を超えて連行すると罪がもっと重くなる。

 

マットゲイツは当時17歳の未成年女性をビジネストリップのコンパニオンにした。フロリダでは18歳が自分の意思でセックスできる年齢であり、それ以下の年の人と成人とのセックスは法的レイプを構成する。マットゲイツ氏は多くの議員と同じく弁護士資格を保持しているのだ。一体その辺はどう考えたのか?彼は下院で人身売買取り締まり法の改正強化が提出された時、彼一人だけ反対した。

 

下の動画は今朝のニュースの一コマ。彼やグリーンバーグはエクスタシーなどのドラッグを使ったとリークされている。しかし彼は公式には何ともなっていない。が女性の方がペイパルでの支払いを記者に公開したりしているそうだ。ゲイツ氏の報道担当秘書は今日いち早く辞任した。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=uE6GiEUHQvg

コメント:慰安所は入場券を使った!?

前回のブログに下のようなコメントをいだだきました。ありがとうございます。

 

慰安婦の人達が給与明細書を持っていたとは思われません。明細書の発行は、20世紀の最後の四半世紀から始まったことであり、支給される給与の額は、現場の管理者がサービスした人数をノートにつけ、その数によって計算する位だと思います。まともに支払われていたかどうかは、預金通帳を見る位でしか確認できないでしょう。現場では、施設維持者による不正もあり得ますから、弱い立場の人は、相当誤魔化された可能性も高いと思います。

 

慰安所での支払いの仕組みについては"入場券"(切符、チケット)を使ったことが広く認められている。広く、というのは、満州から南アジアまで、広大な占領地に派遣された多くの韓国の元慰安婦達にも入場券を使っていたと回想しているのだが、今日に至るまで実物が現れていないからだ。

 

入場券は千田夏光氏の『従軍慰安婦』1973によると、1938年、南京占領の翌年に創設された最初の陸軍直営慰安所の"陸軍娯楽所規則"に書かれている。入場者は入口で入場券とサック(コンドーム一個)を受け取る、となっているので陸軍が作った規則だと見なされている。

 

この規則書は当時最初の直営慰安所設置に関わった麻生徹男軍医が所蔵されていたものだそうだ。その時は慰安所ではなく、"娯楽所"であった。

 

この入場券は相手の女性に手渡し、これが後で回収され数で女性は給料を受け取った。兵士達が入場券をキャッシュで買ったのかどうか、よくわからない。兵士の給料から料金が天引きされる仕組みの部隊があったとも書かれている。

 

この直営慰安所は兵達には評判が悪くすぐに閑古鳥が鳴いた為、中国の戦場では民間業者に委託することになったと千田さんは推定している。なにしろ直営では女性は指名ではなく指定、時間はかっきり30分だから服も着たまま、サービスが悪いのに料金は高めだった。これでは本当に便所である。

 

しかし、この入場券はそれ以後大体どこの慰安所も使っていたらしく、ほとんどの元慰安婦もこれに言及しているが、2019年に死去した元慰安婦活動家金福童さんはそんなものはなかった、と否定している。これは2014年に吉見義明元中央大教授による通訳を介してのこの方の回想の聞き取りから。

 

故金福童さんは14歳から8年間、中国大陸からビルマ、インドネシアと日本軍の占領地を転々、最後はインドネシアのスマトラから1948年に半島へ帰国したと回想している。この方の名前がスマトラの日本軍による朝鮮人残留名簿に記載されていることから、日本側からはこれは別人、と指摘する者も多いようだ。

 

こういう例外もあるが、入場券の存在は日韓双方が同意している、と見ていいだろう。

 

陸軍は慰安所設置に関して、通常料金の設定、慰安所女性と業者の取り分も決め、食料と営業場所を提供した事などから、所属部隊の経理要員が運営上の金銭のコントロールを握っていたと想定されている。

この事からも、軍は当時これらの女性が人身売買で連れて来られ、業者に女性が容易に騙し取られる可能性を想定し、軍の決定、こういった女性達が受け取るべきものは受け取らせる、を厳しく実施した、というのが私の印象だ。しかし業者は海千山千。ラムザイヤー教授の論文でも数回繰り返されているのに、"契約"はあっても慰安所でそれが守られるという保証はない、というのがある。その点も米の法専門家が書いた論文とは思えない理由だ。こういうのは契約ではなく人身売買特有の口約束に過ぎないからだ。

 

もう一つ、上のコメントで言及されている預金通帳ですが、文玉珠さんの自伝には、彼女自身が思いついて知人の兵隊さんに教えてもらいハンコを作り野戦郵便局で通帳を作った、となっている。それと後に親しい仲間の慰安婦も郵便貯金をもっており、朝鮮に返る途中の日本国内で貯金をおろした、というので半ば驚いた、とも書かれている。

 

しかし南アジアでは多くの従軍慰安婦達が軍票の束をかかえて逃げているのが記述されていることや韓国の元慰安婦の回想にも出てくる事から、文玉珠さんの通帳と彼女の給料を直結させるのはやや即急な結論に思えるのだが、はっきしたことはわからない。

 

しかし彼女は終戦直前の5月に総額5万の貯金額があり、当時半島では5千円で家が一軒買えたそうで、その5千円を郵便局を通して兄に送っただけ。残りは日本占領で凍結。1990年代になってご本人が元本帳が保管されている下関郵便局を訪れ当時五万円の価値しかなくなった通帳から金を引き出したいといっても日韓補償協定にひっかかり阻まれた。

 

戦争を知らない私達にとっても本当に気の毒としかいいようがない。

 

シドニーパウエルがデマを自ら認めた!?

シドニーパウエルと言えば日本でも及川さんなどのトランプカルトから、"クラーケンの女王"としてYouTubeで繰り返し崇拝されていた。この方はトランプに最後まで忠実な側近だが、ホワイトハウス側のトランプ側近からは嫌われていた。

トランプの為にドミニオンの選挙不正謀略をかかげ、ジョージア・ミシガンの激戦両州に訴訟を持ち込み、選挙集計プロセスの即時停止を請求した。"クラーケン"についてはギリシア神話を題材にしたファンタジー映画に出てくる巨大なイカの怪物だそうだが、私はスターズでこの映画を見ようとしたのだが途中で眠くなりやめた。

 

このパウエル弁護士の起訴状によると、ベネズエラの共産党政権独裁者だったユーゴ・チャベスにより開発、実際そこで不正選挙に使われたのがドミニオン社の集計ソフトウェアと定義されている。これによりトランプからバイデンに大量の票が変換!。ジョージア州でドミニオンが採用されたのは、直前にジョージア州知事と州務長官がドミニオン社から賄賂を受け取った、しかもその金は中国共産党から出ている、と主張。だから今まで見たこともない超大型訴訟でジョージアを粉々に粉砕!とぶち上げた。彼女はこれを巨大イカの群が突如海から姿を現す映画のシーンにたとえたのが"クラーケン"といういわれだそうだ。

 

 去年11月25日、言葉通りにパウエル弁護士はジョージアとミシガン2州に投票無効の訴訟を持ち込んだ。 

彼女による起訴状は起訴前にSNSで公開。タイポ(誤字)が多いせいで酷評された。拙者も約100ページのミシガン連邦裁宛の起訴状に一応ざっと目を通したのだが内容は本当にQアノン陰謀論そのもの。

こういうクソ訴状を読まされる判事、関係者及び私のような野次馬の苦痛を考えるべきだ。ミシガンの判事は訴状は憶測のみで証拠なし、いう理由で脚下。ジョージアでは州裁判所に提訴すべきでお門違いだが、この訴訟内容は証拠に欠ける、という理由で却下。しかしそれだけでは事は終わらなかった。

 

パウエル弁護士は選挙後ドミニオン社から名誉棄損で訴えられ、$1.3 billion = 約1千3百億円 の損害賠償を請求されている。

 

これに対して、パウエルの弁護士は先ごろ訴訟却下を裁判所に求めた。理由は、訴訟内容は明らかなデマでこれを信じる方がおかしい、というもの!

下はこの驚きのニュースを報道する動画だ。

 

しかし、パウエル弁護士はオハイオ州デトロイト市から彼女の選挙訴訟はトンデモ訴訟に該当、連邦法違反によりパウエル弁護士の法廷活動禁止を求めて訴訟されている。だから自分からトンデモ訴訟、と今回のように認めてしまえば彼女の弁護士活動は終わったも同然だ。

 

それと、もう一つ、意見の自由は米憲法で認められているが、デマは犯罪であり、自分のデマを認めたパウエル弁護士は一月6日の国会議事堂反乱で扇動罪に連関する可能性も出てきた。

 

ドミニオンは、パウエル弁護士、ジュリアーニ弁護士、トランプ支持者で実業家のマイピローCEOを名誉棄損及び損害賠償で訴えているが、今回、それにフォックス・ニュースを加えている。

 

下の動画の後半では選挙専門の弁護士が、パウエルは正しいと思う、と感想を述べている。大きな問いは、なぜ普通の人がウソと知りながら信じ込んでしまうのか?ということだそうだ。この弁護士は、パウエルについて、裁判所の外のパーキングエリアまでは強気だが中では極めて従順な、外弁慶内すぼりタイプの見本だ、と冗談を飛ばしていた。

 

 

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https://www.youtube.com/watch?v=OjF9-zOT1pY

アジア系 vs. 黒人:どっちがヘイトクライム!?

トランプ政権下、暴力的な対立が急増した事は間違いない。世界をリードする民主国家アメリカの大統領まで最後はデマ宣伝と暴力に依拠したのは事実だ。しかしポスト・トランプ時代になって急速に目立ってきたのはその場で実行型のヘイトクライム。

 

今のアメリカは異様、という日本からの見方も含めて、私達長年の在米組にとってもこのようなアメリカの状態は決して通常ではない。

 

3月17日、テキサス州ヒューストン市の韓国系一家が経営するビューティーショップで、5人の若い黒人女性グループが大暴れ。その結果、ストア・オーナーの年配女性が顔を数回殴打され血まみれになった上、さらに鼻骨まで骨折した模様です。このニュース、日本国内でも一連のアジア人ヘイトクライムとして報道されている。

 

明らかに人種問題が原因だが、この背景は決してシンプルではない。下がそのニュース動画だ。犯罪が起こった場所は、テキサス州ヒューストン市のアジア系移民が多い郡で、韓国系が経営する美容商品ストアですが、かつら商品の大きなセクションがあるところから、客の多くは黒人のようです。これは他の動画に映っている。

 

監視モニターによると始まりは異常に興奮しているような女性達の一人に被害者女性の息子が何か言ったことのように見えます。大柄で頑丈そうな若い女性の間に入りこんでしまった小さな被害者の位置も原因の一つでしょう。暴行を働いた容疑者は、被害者を " little asian girl" と茶化したそうだが、"sir" "ma'am"が日常化している南部では無礼に聞こえる。 

 

加害者が、なんでアンタ達アジア系が黒人にかつらを売っているのか?と不満を言っていたと息子さんは伝えている。

かつらは黒人女性にとって必需品と言っていいだろうが、決して安価ではない。米国内では韓国系ビジネスが主要供給者だそうだ。

 

この暴力行為で21歳の黒人女性が軽犯罪暴行、24歳のもう一人がこの女性の運転するSUVを止めに回った経営者親子をひき殺そうとした容疑で逮捕された。実際に暴力をふるった前者はわずか$100の保釈金、だが後者は重罪なので$40,000の保釈金を積んで釈放され、両人は出廷日を待っている。

 

被害者の息子は、ヘイトかヘイトではないかよりもとにかく暴力は間違っている、とコメントしている。

 

テキサス州ではヘイトクライムであれば刑も重くなるので法廷で犯罪動機として証明されなければならないが、現時点では暴力行為として起訴される予定だ。これに関して現在捜査中、と検事側。

ところで加害者側は、彼女らは黒人であるがゆえに最初から店のオーナーに万引きするつもりだったと決めつけられた、と逆差別で抗議している。

 

歴史的に戦後の韓国系移民と地元黒人との緊張はよく知られている。1992年のLA暴動ではそれが表面化、その時"Kタウン"の商店街が暴徒に襲撃され韓国側から銃撃戦犠牲者が数人出た。それ以前から韓国系は貧困で荒廃した黒人街にコンビニと酒屋で進出、そこでも数々の対立が起こっていたのだが、私自身はそれはもうとっくに過去のことだと思っていた。

 

この先ヘイトクライムで起訴されるのかは疑問だが、気の毒なのは被害者の方のようです。容疑者2人には州から弁護士が指名されたという報道からすれば金には縁のない方々のようで、たとえ損害賠償で被害者が勝っても金は全く取れない、と想像させられるからです。

 

 

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https://www.youtube.com/watch?v=RGYDl1drwAw

コメント:文玉珠さんの給与明細書!?

前回のブログで所感を書かせていただきましたコメントの中で、" 慰安婦の給与明細書 " が言及されていましたので私もネット上をさがしたのだが見つかりませんでした。

 

高給取り慰安婦の解釈は、文玉珠さんの自伝、"ビルマ戦線盾師団の「慰安婦」だった私" に公開されている郵便局の貯金通帳に関連しているのがほとんどだ。

 

この文玉珠さんの自伝は日本人の作家森川万智子氏との共著のようですが、今回ラムザイヤー教授も"契約があった"説の慰安婦の高給の証拠として引用している。

 

しかし自伝によると、文玉珠さんは、最初の地マンダレーで金が全く貰えなかったのでリーダーになって慰安所経営を任されていた朝鮮人業者マツモトに払わなければ全員仕事拒否と抵抗、ほんの少しばかり貰えるようになった、と書かれている。しかし彼女の郵便貯金は戦場に向かう部隊の壮行会や帰還の宴会で日本の歌を歌った謝礼金だった、となっている。

 

著者自身がそう主張しているのを無視して、これが慰安婦がしこたま儲けていた証拠、というのは学術的には認められない。これが彼女の慰安婦としての取り分だ、という裏ずけ証拠が必要なのだが、しかしそれは今のところ見つかっていない。

 

ビルマやシンガポールのような外地では日本円紙幣ではなく軍票が使われ、時と共に軍票の価値がドンドンと下落していくのだが、そのあたりの背景を説明しているのが下の動画です。

 

説明しているのは、日本でも大評判になった、"反日種族主義"の著者。内容は非常に丁寧にリサーチされているようですが、残念ながら過度に政治的で結論もその線にそったもの、というのが私の率直な印象です。

 

動画で挙げている、業者が年季を終えて朝鮮に帰国予定の慰安婦に銀行を通して朝鮮に高額の金を送金したという例もあれば、同じビルマのミートキーナでPOWとして拘束された" Comfort Girls " =通称ビルマの慰安婦達 は身体に軍票の束を巻き付けていた、("Burma, the Untold Story" by Won Roy Chan)という史実からも、手ぶらでは帰らなかった、という結論は"捕らぬ狸の皮算用"のようで結論とは言い難い。

 

また、前回に再びご丁寧なコメントを頂きましたが、御指摘の通りだと思います。

韓国の元慰安婦の方々が先頭に立った、日本人は国全体として"法的"に謝罪し、それ相応な賠償金を払え、というかなり難度の高い要求に依拠した『慰安婦リドレス・ムーブメント』にどう対応していくのか?これは30年間も日本にとって大きな課題となり続けている。

 

しかもこのリドレス運動の過激な挑発レトリックが日本人バッシングに容易に繋がる、という危険性と共に、過去30年が流れて行ったということになる。 

 

たとえば、トランプがメディアで、事あるごとに、" china virus" と繰り返した為、中国人=アジア系に対するヘイトクライムが急増し、ついにジョージア州のネイルサロン銃殺事件まで発展している。英語では"China" は国名ですが、" china man" と使われると中国人へのあからさまな蔑称となる。これについては最初から中国人差別につながるときつく批判されたのだが、トランプは、中国から来たのでこう言っている、と屁理屈を繰り返した。トランプが文法的に正しい "chinese virus" と言っているのを聞いたことは私の記憶にはない。

 

  

 

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https://www.youtube.com/watch?v=YTV_f_YyERk

コメント:強制連行、戦犯裁判、売春契約

前回のラムゼイヤー教授の記事に関して以下のようなコメントを頂きました。

 

>この件、官憲による強制連行など無かったということ、納得されていたと思うのですが? それは韓国Sejong大学の朴裕河氏の記事にも明確にかかれています。勿論、現場の兵士による犯罪は、軍事裁判や東京裁判などで処罰されています。それから、契約は一般に契約書を必要としません。朴裕河氏の記事にもありますが、給与の支払い帳はあります。

 

コメントありがとうごさいます。以下は私の所感です。

 

ラムゼイヤー氏はこれまで植民地出身の慰安婦達の供述内容が問題となってきた事をJapan Fowardの記事、"Recovering the Truth about the Comfort women"  で、日本軍兵士が銃剣を突きつけ慰安婦を連行したという証言は事実ではない、と書き、ハーバード大学法学部内で公開されたDiscussion Paper 2019でも最初に名乗り出た金学順さんの話がコロコロ変わったという例を持ち出して注意を促している。

 

被害者の供述(=証言)には裏ずけが必要なのだが、それが事件から50年後に初めて話され、しかも韓国語から日本語への訳が必要、その上供述内容をめぐる対立、という事情から内容の確証が困難になっている。しかも反慰安婦側がウソではないかと口に出そうものなら慰安婦支持側の人々をいたく怒らせ反発させるという事態も生じているようだ。本来は真相追及の為に協力して冷静に議論されるべきだと思っている。

 

元慰安婦の文玉珠さんはビルマの慰安所にいたことが双方からも認められており、当時かなり日本語が達者だった数少ない人のようだ。

 

その彼女は自伝 "ビルマ戦線盾師団の慰安婦だった私" の中で極貧家庭に育った、最初15歳の時、民間人と日本の憲兵にさらわれ、駅に一晩閉じ込められ翌朝汽車で国境を越えた満州の慰安所に連れていかれた、と述べている。この手のかどわかし例が多いのも半島被害者供述の特徴だ。

 

だから彼女は実際に誘拐されたのではないかという疑いも出てくる。ラムゼイヤー教授は売春契約があったと主張しているが、半島は日本国内ではない。貧困で社会秩序が崩壊、治安も日本と比べるとはるかに悪かったと思われる。当時の京城新聞には民間女性を誘拐して満州で売春をさせていた悪質な事件に対する警報記事があった、と報告されている。

 

文玉珠さんは国境の慰安所生活が耐えられらくなり、親しくなった憲兵に母が病気だからと頼んで出所証明書を書いてもらい帰国し、二度と満州には帰らなかった。

 

しかしすぐ食べていけなくなり慰安婦に応募するのだが、その時も外地のレストランで高給を貰うという話につられたとなっている。しかし本心では話がうま過ぎる、と何となく直感していたそうだ。

 

この時は釜山の旅館に志願女性が集合、翌日には船で台湾に向かった。その時業者から4分6という取り分を知らされたという。慰安所の4分6は前借金を返すので慰安婦4で業者6という意味である。そこでは日本式の前借金はなくてビルマまで2か月の船旅の費用が丸ごと借金となったようだ。だが実際にビルマで慰安所の中に足を踏み入れても自分がここで"朝鮮ピー"となるという実感はなかった。覚悟したのは実際客の日本兵が現れてからだそうだ。他の未経験の女性達は皆泣き出したと書いている。これを哀れと感じない人間はまずいないはずだ。

 

文玉珠さん達一向を引率した業者の一人は時期が合致する遊郭業者日誌の著者だろうと報告されている。契約は2年(又は3年)で連れて帰るのも含まれていたのだが、戦争悪化でこの部分も賃金もすべてがオジャン。彼女は日本軍の命令で看護婦に化け、しばらく軍病院内で身を潜めていたが、着の身着のまま連合軍が準備した朝鮮人用の避難船で帰国することが出来た。終戦後一年経っていた。

 

これでも売春契約で高給を保障され外地に赴任した、と能天気に言えるのか?

私には不思議でしようがない。

 

戦後の戦犯裁判で、フィリピン、マニラ、ビルマ、ボルネオ等で戦争犯罪、人道に反する罪、で英、米、オランダ軍はレイプ犯および慰安所設置関係者及び責任者を軍事裁判にかけ処刑者もかなり出ている。しかし、極東裁判でも独立後の韓国でも戦争犯罪=性奴隷を根拠とした裁判は開かれなかった。いわゆる裁判が不可能な状態、又はなされなかった、ということで日韓両政府で解決策を図るというのが国際法でも正当化されているが、朴裕河さん流に言えばさまざまな政治的ノイズが邪魔をし続けているというのが現在の状況に思える。

ラムゼイヤー:太平洋の売春契約とは!?

 先月からハーバード大法学部を中心に新な慰安婦騒動が広がっている。中心人物は同法学部の日本法の専門家であるラムゼイヤー教授。この教授は"tenure"と呼ばれる終身教授らしく今回の問題が理由で大学から罷免される事はまずないと思われる。

 

この教授に糾弾の火の手を挙げたのは同大学の法学部を中心とした韓国系学生グループと彼らの支持者となっている。この騒動はすでに韓国、日本に拡散している。米のNYT, CNNにも 取り上げられた。

 

問題の焦点はラムゼイヤー教授の名で "International Riview of  Law and Economics" という学術誌に3月掲載の予定だった"Contracting Sex in Pacific War"である。

 

題名だけでも人騒がせだが、この内容がくせもの。なぜなら、十年ぐらい前にネットでバカの一つ覚えのようにリピートされたあのネトウヨ勢による反慰安婦路線の英語版としかいいようのないしろものだからだ。

ただしこのようにある程度アカデミックな視点を維持しながら学術英語で書かれた反慰安婦論文の登場は初めてなので、礼儀として真剣な議論に価するというのが私の印象だ。

 

私にはこの教授自らがこの論文を書いたとは信じられない。理由は発想があまりにネトウヨ過ぎるからだ。

 

強制連行の否定、

慰安婦被害者数20万人の否定、

慰安婦が被害者であることを否定、

慰安婦の存在自体の否定、

 

と否定を強調するので、安倍グループは国際的には"comfort women deniers" というニックネームまで頂戴しているわけだが、ラムゼイヤー教授の今回の論文の内容も上の図式を一歩も越えていない。

 

この論文に興味のある方には先に掲載されたラムゼイヤー教授の"Japan Foward" の寄稿を読むことをお勧めする。

japan-forward.com

https://japan-forward.com/recovering-the-truth-about-the-comfort-women/

こちらは問題となった論文の先駆けみたいなもので、主旨は"慰安婦=性奴隷"の完全否定である。理由は業者と慰安婦の間には売春契約があったからである。

 

これに対する海外の日本学者による最大の批判は、問題の"契約書"を出せ、というのもだが、ラムゼイヤー教授は、契約書はなかった、とあっさり認めている。ビルマで連合軍にとらえられた半島人慰安婦達には日本語が通じなかったし、ハングルも読めなかっただろう。こういう女性達に米人のように契約書をたてに条件交渉というのはちと教授の想像力のし過ぎという印象を受ける。米では給料は交渉次第で変わるのが一般的だ。

 

不思議なのはラムゼイヤー教授の論文中には"人身売買"、"性奴隷"などの国際人権法的定義及び"reference"が一つも見当たらないという事だ。それと当時の国内法、娼妓廃業、つまり売春婦廃業の自由を認める公娼法、及び旧民法の醜業規定条項、などの言及も一切無しだ。契約の合法性を主張するならそれらが必要だが全く無い。

契約法に関しても当事者が合意すれば合法というような商法専門家らしからぬ能天気な規定で、すでにこれを読んで売春契約が成立している、とメディアに書く韓国系コメンテーターも現れている。

 

しかし日本の旧民法では売春の年季奉公で借金を返す法的義務はない。ネットに掲載されていた判例の一つは廃業を希望する廓芸者に廓業者が借金をこれまで通り廓で年季奉公して返せという訴えであったが、判事は業者の訴えを旧民法醜業規則により却下している。この条項は現民法でも同じである。

 

日本国内の報道では韓国の関係者を中心に論文掲載中止を要求していことが報道されているが、問題の論文はすでにネット上で公開されている。

http://chwe.net/ramseyer/ramseyer.pdf

 

この論文は数か月前からハーバード大法学部内で$35で公開されていたようだ。また去年2019に公開されたこの論文のディスカッション版がPDFで無料で公開されていた。これで反応を探っていたようだ。こちらも私もざっと目を通した。今回本体を読んでみるとディスカッション版と内容は同じだった。

NYタイムズの記事によるとこの論文公開に関してラムゼイヤー側はかなり時間をかけて慎重に準備していたとなっていた。