chuka's diary

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トランプのアメリカ:トランプの差別発言大騒動

この数日間、米政界は大揺れに揺れた。下院では差別発言を重ねたトランプに対して非難決議が民主党全議員+共和党系5人によって可決。世論調査でも60%以上が 『自分の国へ帰れ』のトランプを批判。
 
しかし事実は今回のトランプの人種差別大騒動は一週間前にトランプとは全く関係ないところで始まった。
去年選出された新人民主党会議員の中で4人の若い新人女性議員がメディアの寵児として非常に目立っていたのだが、この若い女性議員4人のニックネームは‟The Squad”、日本語には訳しにくいが、進歩派猛女4人組という意味が籠っている。下がその4人。
 
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アヤナプレスリー、 シカゴ、黒人、ケリー元国務長官補佐
イルハン・オマー、ソマリア難民、回教徒、ミネソタ
アレキサンダー・オカシオ・コルテス、通称‟AOC”.プエルトリコ系、社会主義団体メンバー、元サンダース候補補佐
ラシダ・タイーブ、パレスチナ系弁護士、オハイオ
 
4人とも非白人で革新系である。
一週間前、AOCことコルテス議員が、トランプ弾劾に強固に反対する民主党ペロシ議長を批判、その上、上の四人組を有色人として見下しているのではないか、とコメントしたことから、ペロシ議長は新人は議会の立法プロセスをまず習う事が先決、とメディアを通して叱りつけた。
すわ、民主党内で内紛か、というのでフォックスなどのトランプ支持メディアが騒ぎたてたのだが、そこに割り込んだのがトランプ。
下は彼のツィート。トランプはこれはペロシ議長の支持だ、と主張。
 
So interesting to see “Progressive” Democrat Congresswomen, who originally came from countries whose governments are a complete and total catastrophe, the worst, most corrupt and inept anywhere in the world (if they even have a functioning government at all), now loudly and viciously telling the people of the United States, the greatest and most powerful Nation on earth, how our government is to be run. Why don’t they go back and help fix the totally broken and crime infested places from which they came. Then come back and show us how it is done. These places need your help badly, you can’t leave fast enough. I’m sure that Nancy Pelosi would be very happy to quickly work out free travel arrangements!
 
 
拙要約: これは面白い、進歩派下院女性議員達、彼女達がやって来た母国はメチャクチャ、そこの政府は世界でも最悪、汚職だらけで全くの無能(もしも政府らしきものがあったらの話だが)なのに、彼女らは生意気にも大声で、米市民、地上でもっとも偉大でもっとも強い国の市民に、政府のやり方を指図している。なぜ、彼女達は母国に帰って、崩壊し犯罪が跋扈する国の政府を建て直すのを助けないのだ、そこが彼女達の本来の居場所だろう。それした後で、こちらに帰って成果を披露して欲しいね。元の居場所はアンタ方の助けが絶対いる、さっさとそこを後にするべきじゃない。ナンシー・ペロシは喜んで急いで帰国旅行のアレンジをすると私は確信している。
 
実は4人組の内3人は生まれながらの米市民。オマー議員だけが十代に米国籍取得。プレスリー議員は黒人。非白人はすべてよそ者外国人というトランプのレイシストぶりがここでバレてしまった。
 
ペロシ議長をはじめ共和党からも批判がでた。
しかし、翌日もトランプはメディアに向かい、米国政府に文句ばかりいう者は非愛国者で、来た国に帰れ、と凄い暴言を吐いた。その夜遅く、下院でレイシスト・トランプ非難決議が可決。
しかしトランプはその夜ノースカロライナ州、グリーンビルで2020大統領選をめざす大集会に登場、今回は、"Send Her home" (=米から追い出せ)というスローガンの大合唱が起こった。
 
これまでは個人が特定されなかったのだが、この米から追放の対象はソマリア難民だったイルハーン・オマー議員であることが明らかになった。下はイルハーン・オマー議員のトランプに対する抗議コメント。
 
Ilhan Omar Retweeted Jon Favreau
You may shoot me with your words,You may cut me with your eyes,You may kill me with your hatefulness,But still, like air, I’ll rise.-Maya Angelou
Ilhan Omar added,
 
 
 
拙訳:あなた方がいかに私を言葉で撃とうと、目つきで刺そうと、憎しみで殺そうと、それでも、空気のように、私はよみがえるのだ -マヤ・アンジェルー(ノーベル文学賞受賞の黒人女性作家)
 
ところがビックリ仰天。今日の7月19日の朝、トランプはメディアに向かい、
あの ‟Send her home!”というスローガンは彼の一部の支持者が勝手にしたことで、トランプはその時むしろやめさせようとした、と主張。その上、今朝の彼のツィートでは4人がなぜか3人になっていたのだ。
その背景には多くの共和党議員がオマー議員を名指しにした国外追放にしろという選挙スローガンは不適切とツィートしたことにある。
 
日本の著名な政治コメンテーターにはトランプは哲学を持って行動する大統領などど、過度のヨイショをするのがいる。
トランプは哲学を持っているのか?疑問だ。