https://www.youtube.com/watch?v=pDnmHu8x9C4&t=72s
Coronavirus Epidemic Update 14: Hospital spread of infection, WHO allowed in China, N-95 masks
上のは新型コロナウィルスをテーマにした医学動画シリーズの一つ。ナレーターはカナダの呼吸器科医師らしいですが、内容が分かり易いというので人気上昇中。
最新のは米時間2月10日に掲載された中国の武漢大学病院からの報告の解説です。この報告は2月7日に"JAMA"という米国でもっとも著名な医学雑誌サイトに掲載された。
上の動画は約12分。以下は拙要約ですが、私のフォーカスからなので詳しく知りたい方は動画を視聴して下さい。CCで英字幕が現れます。それと動画の下に原論文へのリンクが載っています。この論文もフリーです。
1月1日から28日の間138人が武漢大学病院に入院した。この人達の訪問理由は高熱(136人)、疲労、頭痛、間接痛、セキ、などの一般的インフルエンザ症状であった。喀痰検査で全員が新型ウィルス✙、CTでは肺炎の疑いが明白に出ていた。しかし原論文では痰による検査は必ずしも確証ではないという断り書き付き。確証とされる血清検査はここでは為されていない。これは動画でも指摘されている。
この138人の中には院内感染、入院患者16人とケア側30人が含まれている。そのことからも新型ウィルスの感染力は強いということがわかる。
報告では発病してから約5日でSOB(息苦しさ)が起こったとされている。入院してから約一日で36人がICU(集中治療室)に送られて、その中で死者が6人。つまり138人の内6人死亡で死亡率は4.3%。しかし病院外の感染非症状者や軽症状のみの人口を考慮すると死亡率はかなり下がる見込みとなるが、これも推測にしか過ぎない。
入院患者の男女率は男多数だがほぼ同率。これも海鮮市場の男労働者がまず感染という説とは合っていないようだ。
しかしICU患者は平均61歳、このことからもお年寄りにリスクが大きい、これも他のインフルエンザ患者とほぼ同じ。ICU患者の多くは慢性成人病疾患を持っていた。
一般入院患者への治療は、タミフル、抗生物質、ステロイド、酸素吸入等々の一般的治療。
ICU患者の入院理由は、ARDS(=肺不機能による極度の呼吸困難)、不整脈、ショック症状(高熱による血液、水分や体内で運ばれる酸素量の激減に関連したものだろう?)となっている。
SOB対策として
ICUでは酸素11%以上の酸素マスク、
BiPAP(亡くなった眼科医李氏のICU写真ではこの器具を付けていたと思われる?左指には酸素飽和度を図る器具を付けていた)
気管支チューブ挿入によるに呼吸器、ECMO(人工肺で直接心臓に酸素を補給)の治療がなされた。
その上、JAMAの報告書では数人に人工透析を行い、心臓維持目的で強心剤の投入がなされた。恐らくこれらは死直前の最期の人命救助治療であった可能性もある。
2月3日この報告書が書かれた時点でも11人がICUで治療を受けている、と報告されている。
つまりおおまかながら見えてくるのは、高度な医療技術が命を救っているということである。
この技術の恩恵が受けられなければ、ICUの36人全員死亡、一般治療室からもかなりの死者が出た、ということになるだろう。
このことからも、この武漢大学病院の努力は充分賞賛に値するはずだ。