chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプのアメリカはバナナ共和国!?

トランプのせいで、一日のニュースが猫の目のようにクルクル変わる、これがトランプのアメリカです。そこから見えてきたのは、トランプの陰謀 or 野望。アメリカをバナナ共和国にして終身大統領になる、という事。これ、ジョークではないです。
 
前回ブログに、ボルトン回顧録の発売禁止をバー司法長官がワシントンDCの連邦地裁に請求した事を書いた。今日、裁判官はこのバー長官の請求を却下した。理由は発売禁止するにはもう遅すぎるということ。この本はすでに予約だけで大ベストセラー、もう発送を待つばかり。サンプル本も多くの関係者に送られた後で、ここで発禁にしても意味がない。法というより常識が先行。
 
しかし、今日のトップニュースは何といってもオクラホマのタルサで開催されるトランプのMAGA大集会。実はこのラリーは6月19日の奴隷解放記念日、Juneteenth(ジュンティーン)と開催日がガチンコになってしまい、あまりにも考慮が足りなさ過ぎるというわけで翌日6月20日夜に予定が急遽変更された。この記念日についてトランプは、そんな日があることをワシは知らなんだ、がこれで今では皆が知るようになってかえってよかった、と言っている。
 
リンカンが奴隷解放宣言をしたのは1863年ですが、テキサスは南部州だったので依然として奴隷制を続け、2年半も経ってヒューストンに到達した北軍の将軍が公式に奴隷解放宣言をし、やっと奴隷制の廃止となったわけです。これがジュンティーン(=6月19日)の由来。
このタルサ市ですが、99年前の1921年に、この市のグリーンウッド地区が白人達の集団襲撃にあい、黒人住民多数が殺戮され、略奪・放火で街が焼け野原になる、という怖ろしい事件が起こった所でもある。いわば米最大の集団黒人リンチ事件。もともとグリーンウッド地区はブラック・ウォールストリートと呼ばれたくらいに富裕黒人のビジネス区域になっていた。当時の写真でもそれは明らか。しかし19歳の靴磨きの黒人少年が見知らぬ白人婦人に目をつけた、というので裁判所に拘束され、この少年を助けようと裁判所に集まった黒人が白人暴徒に襲撃され、放火で街が焦土となった。特に最近サテラライトで死体をまとめて投げ込んだ場所がわかり、発掘作業が進められていた。
なぜトランプがそういう因縁の地を選んだのか、これについても疑問の声があちこちから上がっている。
 
しかしそれよりももっと深刻な問題は、新コロナウィルスの隆盛ぶりだ。オクラホマ、テキサス、アーカンソーなどのレッド州(共和党知事州)は早くビジネスをオープンしたので、今も入院・死者数がウナギのぼりで止まらない。
 
しかしトランプもペンスも、コロナの流行は終わった、と全く聞く耳持たず。
 
このMAGA集会は一万9千人収容の屋内スタジアムで開催され、トランプは、すでに100万の入場券の要請があったと得意げに言いふらしている。屋内スタジアムはあのダイアモンドプリンセスと同じで、スーパースプレッダーに間違いなし、とフェイクニュースや病院側から散々非難を受けた。開会前になって6人の陽性が準備員に出た。予想された通り、誰もマスクもつけずトランプとの至近距離に固まって席を取っていた。皮肉にもその中でトランプが最年長のように見えた。
 
しかし、トランプやペンスの話とは全く裏腹に、このMAGAラリーの入場券は、ここでウィルスに感染してもトランプ側とスタジアムの所有会社には法的責任を問わない、という免責事項承認と引き換えに配られていた。
 
だが、コロナウィルス感染は直接参加者だけでは終わらないのは常識。二次、三次感染者の出現が充分予想されるので、結局後者から訴訟されるのは必然の成り行きだ。
 
案の定、このラリーの参加者は一万9千人の半分にも満たなかったようだ。それでも選挙ラリーとしては大規模なものだそうだが、トランプは早くも、フェイクニュースにコロナウィルスで騒がれたから、と参加者数の減少を他人のせいにしていた。
 
大統領選まで後4カ月半、この先何が起こる事やら。トランプの支持率は今40%を切っている。