chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

また司法介入:トランプ暴露本発禁に!?

バー司法長官を使っての司法介入は今ではパターンとなっているのでもう珍しくない。トランプ以前には想像もつかなかった事態だ。気に入らなければ司法を使って妨害するのはバナナ共和国の大統領のやる事だ、信じられない国になった、というのが今日のアメリカ人の共通した嘆きの声である。

例外はトランプとその側近、及び共和党議員団。トランプ支持は今や40%を割っている。CNNのバイデン支持率が高過ぎる、といちゃもんをつけにCNNに出演した共和党本部の弁護士が、嘘を報道したから訴訟に持ち込むと爆ギレ。司法の次は報道規制を狙っているのが見え見えだ。

 

今回バー司法長官がトランプの意を汲んで連邦裁判所に発禁請求したのは、言わずと知れたマイケル・ボルトン前国家安全保障補佐官のトランプ暴露本だ。ボルトン氏はウクライナ疑惑がメディアに暴露される直前に嫌気がさして辞職している。

今回もトランプ氏は、ああいう無能な男はそもそもこの仕事に就くべきではなかったのに、ワシが無理して就かせてやった、だが、無能なのでクビにした、今度は政府の極秘情報を本にした、これは犯罪行為だ、と広言して憚らない。

 

本の発売日の6日前になっての緊急訴訟である。ころがこの本は発売前から予約が殺到、大ベストセラーになっている。下は今日のニュース動画である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=HU_9P5RqpD4


Trump administration sues to block John Bolton’s book l GMA

 

この動画の中でバー氏が述べている訴訟の理由は、ボルトンの本はホワイトハウスの承認を得ていない、という事だ。しかしそれは例によってまたバーの嘘である。息を吐くように嘘をつく、というのはこの男の事だ。これジョークではない。TVで全米に向かい、モラー報告書からのサマリーだといってトランプは無罪と公言したのを憶えているはずだ。後になって自分の意見を書いたサマリーだと言い訳している。

 

この本は12月から4カ月かかってこの4月にホワイトハウス担当官による閲覧を終え、外交極秘情報は含まれていない事がすでに確認されている。なお、トランプは、今になって自分の話を含めて自分に関することすべてが極秘事項だと言い張っている。

 

過去に、ホワイトハウスの承認を得ないで元CIA高官がベトナム戦争に関する本を発行し、裁判となり、この本の利益を取り上げられた判例があった。これを法例として、ボルトンの本も利益を政府が取り上げるべきだと訴状を通してバーの司法省は請求している。

この訴訟のトランプ側の意図は明らかだ。

 

この本の宣伝文句は、

"ウクライナ疑惑で驚いてはいけない、こういう事はトランプ外交では当たり前”

 

こんな事をボルトンに書かれたら、再選は夢のまた夢。

 

今日のワシントンポストでは、さらにもっと詳しい内容リーク。

もともとこの本はすでに出版も完了、見本も関係者には配られている。これらの本については内容リーク禁止はできない。

そのワシントンポストによると、ボルトン氏はトランプを、

"  Erratic and stunningly uninformed commender in chief " と性格ずけている。ボルトンの文章は官僚英語で凝り過ぎているが、分かり易くすると、

"大統領は情緒不安定で、驚くばかりの無知"となる。

 

実はこの本ばかりではない。この8月には、トランプの姪、メリー・トランプが暴露本を発売することになっている。この姪は、臨床心理学のPhDを取得しているとなっているから、心理的解析が期待され、これももう予約が殺到しているそうだ。この本は著者の父が早死した為トランプの父の遺産相続をトランプ達に阻止されたという恨が動機であるので、かなり怖ろしい内容になりそうだ。遺産をめぐる家族内の闘争は婿クシュナーの一族の方が一枚上手だ。こちらは婿の父が刑務所行きとなっている。