chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプに殺されるアメリカ人!?

Surreal!(=事実とは思えない) はトランプ時代に頻繁に使われてる感嘆句の一つとなっている。元はフランス語で、現実を越えている、という意味だ。カタカナ語でシュールと言うのだそうだ。これは私が日本を去った後に現れたので意味不明で面食らった。昔流行った"うっそ―"に感覚が似ている。

 

つまりトランプのアメリカは"surreal!"

 

トランプは自粛している人やマスクを着けている人を"臆病者"と見下している。マスク無しで人混みに出るのは"戦士"のしるし。

日本で安倍氏が、さぁマスクをはずしてみんなでパチンコ行こう、と叫んだら、一体どういうことになるか?考えて見て欲しい。

参加者に、トランプ選対や場所の提供者に感染責任を問わないという合意書(=indemnity clause)にポチさせることも surreal!

 

前回の9月20日のオクラホマ州タルサでのMAGAラリーでは、トランプ自ら、100万人がすでに入場券を取得、と自信満々に言っていた。収容2万人の屋内スタジアムと最大4万人があふれ出すと見積もり屋外ステージを特設したのだが、実際やって来たのは6200人。屋外ステージは開始と同時に撤去された。だが実際6200人は悪い数ではない。しかし多くは州外からのトランプ信者の人らしい。

 

当然スタジアム内では空席が目立ち、トランプがキレにキレたとフェイクニュースは大騒ぎというより大はしゃぎ。ニュースキャスターの多くはクックと笑いをこらえながら放送だ。そこでトランプ側はそんな事はあり得ないと必死になって打ち消す。むしろトランプ御大は大満足している、トランプのスピーチのTV視聴率は今年最高だった、と言い返している。

 

スピーチの高視聴率は当たっている。なにしろ私も視た。おかげで、テストをすると感染率ばかりが高くなるのでかなわない、そこでワシはテストをそんなにするなと命令したんだ、という悪名高い部分も聴いてしまったし、新コロナ感染には19の名があり、一つは"チャイナ・フルー"、他にはカンフーをもじって"カンフル―"、というのも聞いた。

 

フルーはinfluenza のfluだ。もちろん、コロナウィルスとインフルエンザウィルスには種類の違いがあるのだが、トランプは愚衆を扇動するのには知性は必要ないと思っている。

 

その直後でのニュースは、この空席を引き起こしたのが、SNSのK-POPファンとTikTokユーザーだったという事だ。このTikTokユーザーはアカウントが公開され私も覗き見させて貰った。この方、通称"TikTokばーさん"で、反トランプ・アクティビストだ。

だが、面白いのは、韓国系のメディアではしかけたのはK-popファンだけになっている。これもお国自慢の一つなのか?

 

だがトランプ側は、いたずらポチはすべて消去したので見積もりには含まれていなかった、と公言している。

 

ところが、懲りないトランプは再びアリゾナ州で若者を対象にしたインドア集会を昨日6月23日に開いた。アリゾナ州も先のオクラホマと同じく、レッド州(共和党知事の州)。同じく感染者数もうなぎ登りに上昇している。アリゾナは州全体のICUのベッド数が満杯に近くなってきていて医療崩壊の恐れがある危険州の一つだ。

フェニックス市長は、参加者にマスクをし、2mの間隔をあけるようにTVで要請。しかしまったく馬の耳に念仏。参加の若者達は新コロナは自分達には影響しない、と平気だ。しかし感染を広げていくのは彼らだ。青空に空気の澄んだアリゾナはリタイヤ天国。高齢人口に属する人達は気が気ではないはずだ。

 

集会場所はドリームチャーチというメガ教会だが、その前日、その教会の牧師が、私の教会には新発明の空気浄化装置をつけたのでコロナは99%死ぬ、とTVで宣伝だ。これも全米に報道され、たちまちこの牧師は笑いの種になった。もっとも翌日になって、当の牧師は言い方が誤解された、と釈明。この集会でもトランプはチャイナフル、カンフル―、コロナは武漢から、と中国ヘイトに余念がない。

 

大統領をしてはいけない人が大統領に居座っている、この点ではボルトンは全く正しい。

 

この同じ日に米議会ではCDC高官が証言。

これはアメリカ全体の問題だ、外出にはマスクをし、出来る限り人混みを避けないとこの先状況はますます悪化するのみ、しかし運がよければ来年早々にワクチンが完成する可能性がある、と述べていた。CDCの高官達はトランプ・ペンス組とはもう100日間も話していないそうだ。