chuka's diary

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1/6下院調査委:これが最後の公聴会!?

11/8米中間選挙の最終投票日まであと20日。今のところは共和党が優勢から民主と互角までという見方が強い。これまでこの中間選挙では野党が優勢というのが戦後の慣習だった。基本線は米人は大統領の独占支配を好まないということだ。しかし今回はトランプがプーチンとヒトラーを混ぜ合わせた独占支配を大っぴらに狙っているので米市民の心情不安がこれまでになく高まっている。

 

はっきりいって第二次大戦前のヒトラーの率いるナチの興隆が目の前で展開されているような気がするのだ。

 

そういった中、先週13日の木曜日に1/6議事堂襲撃下院調査委員会の"最後"の公聴会が開かれた。"最後"というのは中間選挙で下院共和党が多数になるという予想が強いからだ。だから来年の一月にはこの下院調査委員会は解散という運命にある。

それまでに報告書をものにし、トランプを司法省に犯罪疑惑で告発というのがこの特別調査委員会のシナリオと見られていたが、今回はそこまで行かなかった。

 

しかし、クーデター陰謀の張本人=トランプの召喚決定で最後の幕を閉じた。

 

下は10/13の最終公聴会についての日本語記事です。少し長いけど大変参考になります。

トランプ氏の召喚を決議 米議会襲撃事件の下院特別委 - BBCニュース

https://www.bbc.com/japanese/63252337

 

この調査委員会はこれまで1000人以上の関係者を召喚し事情聴取をした。委員会の召喚(subpoena)に応じないと罰の対象となる。日本でもお馴染みのスティーブ・バノンは拒否したので逮捕されて有罪判決を下された。それ以後は重要証人、つまり陰謀加担者達、は犯罪起訴を避ける為に出頭しながら"第五"黙秘権行使に出た。

 

証人召喚と共に大統領記録を国立公文書館から召喚したが、トランプは大統領特権という口実で資料が委員会に送られることを阻止しようとした。しかし裁判で負け、最高裁まで持ち込もうとした。大統領特権は現職に適用されると"トランプの特権"をあっさり最高裁は否定したのだが、そのせいで調査は大幅に停滞した。

 

なぜトランプはことあるごとに最高裁に固執するのか?理由はトランプ指名の判事が3人もいることもあるが、最年長の黒人判事クラレンス・トーマスとのコネに期待しているからだ。トーマスの夫人ジニー・トーマスがこの1/6議事堂襲撃に加担していたことが公文書館からの記録で明らかになった。この記録の調査委公開に反対したのはトーマス判事ただ一人。トーマス判事は少なくとも1/6議事堂襲撃に関する事例裁定から辞退すべきだという声が高まっているが、本人は知らぬふりだ。

 

興味深いのは、この公聴会は犯罪者としてのトランプの心理状態(=state of mind)にフォーカスが置かれたことだ。犯罪構成には犯罪者の悪意(=malicious intent) が不可欠である。またこの悪意は既成であること(=premeditation)、つまり犯行時にトランプの心中にあったということ、が明らかでなければならない。

この委員会のメンバーをはじめ連邦議員のほとんどが弁護士資格を持つ人達だが、このような法的プレゼンが果たして浮動票を民主党にひきつける力になったかどうか、投票結果を見ないとわからないといったところです。

 

下はWapost による公聴会動画です。約一時間で公聴会シーンがスタート。ポチで英字幕です。10人の下院メンバーがリレー方式で1/6議事堂襲撃事件を発端から最後までを解釈している。最初のトンプソン委員長には重い南部訛りがあります。

Jan. 6 committee holds a public hearing - 10/13 (FULL LIVE STREAM) - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=9ilcJ3cOcnU

 

トランプの大統領再選願望は実際の選挙結果を飛び越えてしまっていた。いかに勝ったことにするかという固執ぶりや負けたら不正を叫ぶというシナリオを選挙前から再三口に出していた。

2020年11月4日の早朝夜中過ぎに虚妄の勝利宣言をしてしまったのはその露現である。トランプの選挙対策委員長も他の側近も証言によると皆早すぎるとトランプを諫めたが全く無視。その時トランプは、開票をただちに止めろと違法行為をTVで指示している。

これは私達も見た通り。

大統領への司法省、国土安全省、国家安全保障機関や各州からの報告はすべて不正の存在を否定していたが、全く聞く耳持たず。連邦裁や州地裁に不正による開票停止を要請しすべて棄却された。

トランプカルトのテキサス州検事長パクストンが持ち込んだ訴訟は最高裁で拒否。理由はテキサス州には法的根拠がないという。これはテキサスが再び白人天下の無法地帯に逆戻りしているからだ。

このようにトランプとカルト追従者達の法を濫用したでっち上げは👀に余るものがある。トランプの公的つまり表向き側近達は当然各州の勝者認定と州選挙人投票で選挙は終焉したと思いこんだ。

しかしトランプは違った。この地点からのトランプの選択は法を踏み超えた。