chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

下院公聴会でコケにされたホーリー上院議員

先週の7月22日(木)にこの公聴会シリーズの最終回がプライムタイムの午後8時に全米でライブ中継されました。この最終回のキャッチフレーズは、"空白の187分間"(3時間+7分間)です。

 

その日、ホワイトハウスの後ろに位置するザ・エリプスという大広場で次期大統領バイデン就任に反対する大集会が開催。そこでトランプはいつものように大トリとして登壇。バイデンが大統領選挙結果を盗んだ、と根も葉もない虚言を展開し聴衆に議事堂へ向かえと扇動。しかも"私も皆と一緒に行くぞ!"と威勢よく締めくくった。

この集会ではトランプ前の演説者も皆過激発言をしていたが、私も行くぞ、というご本人の決意表明には私もビックリ! 米大統領としてあり得ない発言だったからだ。

 

その直後ホワイトハウスに戻ったのが午後一時過ぎ。しかしその前にトランプはシークレットサービスに大統領御一行の車の行列を議事堂に向けろ、と専用SUVの中で命令。これを阻止しようとしたシークレットサービスと格闘した、という情報を、ハッチンソン嬢はオルナト大統領首席補佐官(=官房長官)代理から聞かされた。これが前回公聴会の彼女による驚くべき内部告発証言の一つになっていた。

 

トランプはホワイトハウスに戻るなり、執務室に接続する大統領ダイニングルームにこもったまま。そこでフォックスの議事堂中継ライブに見入っていた。

 

なぜ"空白"なのか?

米大統領の電話記録は法により国立公文書館で保存されることになっている。しかし、この間の大統領電話記録は空白と公表された。削除か、第3者の電話を使ったのか?調査結果は明らかにされていない。しかし実際に電話を受けた相手の記録から、ある程度は再構築されている模様。

 

2時24分に、"弱虫ペンス"ツィートで暴徒をペンスにし向けた。暴徒はペンスとペロシを血祭りに挙げる、と探し回った。これは事実である。ペンスと一緒にいたペロシによると、二人は本当に捕まれば殺されると思ったそうだ。

 

その頃このツィートと議事堂実況ライブからトランプ側近達はメドウズにトランプ宛てのメッセージを発信。内容はトランプに、とにかく暴徒に止めるよう命令することを要請したものだった。

それでトランプは2時38分に、議事堂に侵入した暴徒に暴力はやめよう、と意味不明のツイート。

 

しかし、その直後、2時44分には、トランプの熱狂的追従者であった元空軍女性兵士のバビットさんが砕かれたガラス窓からあたまを突き出し侵入を企て心臓を撃たれるという事件が発生。たちまち大ニュースとなったが、トランプは沈黙を続けた。

午後3時13分になって再び、暴力はやめよう、という意味不明ツィート。

4時過ぎに、トランプ長男がバイデンがTVで発言するつもりなので先を越されるな、という警報をメドウズに発信。

 

4時15分になってバイデンが全米TVに立ち、大統領として何とかしろ、とトランプに通告。

4時17分にトランプは、議事堂にいる愛国者達の皆さん、とにかく家に帰りなさい、という動画をツィート。暴徒は、軍最高司令官=大統領の命令なので有難く頂戴し、皆議事堂から去った。この点からも、カルト人間の心理は通常ではない、という認識が広まっている。

 

だからこの午後1時から4時17分まで時間が"空白の187分"となった。

 

下の動画はミズーリ州の上院議員、ホーリー氏をコケにしたもの。動画後半で説明されているが、共和党上院のボスマコネルが上院議員の反対がなければ何もできない、というトランプに対抗した発言に親分トランプの為に一肌脱いだのがこのホーリー氏。ホーリー氏はトランプの選挙不正デマを真っ先に歓迎し選挙結果疑惑声明を出した。

この男は1月6日の議事堂前で拳を上げ暴徒に連帯を表明。集まっていた暴徒に喝采を浴びた。しかし避難命令が出ると、走って逃げ出した。このシーンが公聴会で流されると、アハハ!という笑い声が会場で起こった。

 

日本のトランプカルトでもこのホーリー先生は非常に人気がありました。米では、どうせトランプにあやかってインスタントに有名になろうとしたんだ、という酷評の的ですが、何か?

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=njsuqcpgcTU&t=248s

下院公聴会は公開裁判ではありません。法的には犯罪起訴を決める大審院に似ている。しかし実際の起訴は司法省が単独で決める。下院調査委員会はまだ結論を出していません。しかしこの公聴会シリーズでトランプ支持の壁に大きなクラック(ひび割れ)が生じたことは事実です。

WSJ(=ウォールストリート・ジャーナル)とNYP(ニューヨークポスト)にトランプを大統領候補として支持するべきでない、というエディトリアルが書かれた。WSJは個人の意見ですが、有料記事なので読めませんでしたが、NYPを読みました。NYPはハンターバイデンのコンピューター漏洩事件をジュリアーニを通して特ダネにしたといういわばトランプべったりの腰巾着メディア。

それが、この先トランプが起訴されるかどうかは司法省にかかっている、しかし公聴会で明らかにされた問題行動からトランプを大統領候補としてこの先支持しない、とバッサリ。しかしコメントにはトランプカルト信者からの不正選挙はあった説も結構ありました。