chuka's diary

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トランプ:キャッチ・アンド・キル作戦で隠し子情報に400万!?

昨日4月4日(火)正午過ぎ、トランプはマンハッタン地区裁判所に出廷。厳重な警戒の中、予定通り起訴され、釈放された。ネットではその起訴状が直後に公開されている。起訴状は16ページあり、トランプの罪状件数は彼の個人企業、トランプオーガニゼーション、の帳簿(=ledger)の虚偽項目、オーガニゼーションが受け取り保管していた虚偽の請求書、虚偽名目の支払い小切手の合計総数34件と一致したものだった。NY州では虚偽のビジネス記録作成は軽犯罪=misdemeanorとなり一件につき罰金及び禁固4年以内の罰則に該当。が、しかし、犯罪目的でビジネス記録が改竄されたなら一件でも犯罪=felonyに該当する。

 

米では犯罪は2種類に分けられている。軽犯罪=misdemeanor と犯罪=felony だが、どちらもれっきとした犯罪であり、社会の害🐛虫だ。州により分類の仕方が違っている。拙州ではスピード違反でチケットを貰えばあなたもC級軽犯罪者です。

違いは felonyは前科者のしるしなので更生が難しい。この辺の事情は日本と同じ。だからトランプが有罪となれば、彼は、ごろつき、ホワイトカラー犯罪者などと肩を並べる社会に有害な存在。あのニクソンは自民党本部に違法盗聴器をしかけて犯罪起訴されるところだったが、その前にフォード大統領に赦免された。しかしNY州ではトランプに赦免は無いのです。だから彼の怒りと悔しさはもう限度を超えているはず。

 

起訴状は罪状列記のみだが、Statement of Fact という13ページの説明書が付いていた。それに事件の詳細が分かり易く説明されています。

 

米国の選挙法では、候補者の投票に影響を及ぼす事実を投票者の👀から隠すことを禁じている。だから大統領候補者トランプのスキャンダルを金で口封じすることは選挙法違反に該当。

 

2015年に、トランプは大統領選に参入。その直後に、当時トランプオーガニゼーションの副社長だった弁護士コーエン、トランプの親しい友人でNational Enquirer という著名なタブロイド(ゴシップ)週刊誌の社長だったデビッド・ペッカーの3人がトランプタワーの事務所で談合。そこでトランプの女性スキャンダルは即口封じ料を出して買い取るという段取りを設定。これを、Catch and Kill 作戦と名付けた。世話役は弁護士コーエン。

 

金を出す条件にNDA=口封じ契約を強制、これを破ると約1億円相当を罰金として払うという内容だった。それと、ペッカーのゴシップ週刊誌にヒラリーのイメージ低下を狙ったデマを流すことも取り決めた。このデマ拡散は本当にやった。ヒラリーは老人性ボケを発生し自宅に監禁中、とか、突然転倒してアタマを打ち今や生死の境をさまよっている、と合成顔写真付きの派手な見出しが表紙を飾った。

 

ところでCatch and Kill 作戦にひっかかった第一号には$30000(約4百万円相当、中央日報)を払った。相手は何とトランプタワーのドアマン。この男性はトランプの隠し子情報を持っていた。金はペッカーの週刊誌が払った。2番目はプレイボーイ・モデル。彼女はトランプと一年間に渡り愛人関係にあったと弁護士を通して連絡してきた。コーエンが交渉し、$150000は再びペッカーの会社が払った。

 

3番目が問題のストーミーダニエルズだった。コーエンがこの為に登記したペーパーカンパニーからコーエンが工面した金で$130000が払われた。それは投票日の2週間前だった。(コーエンが直接金を払ったのは、ペッカーがここに至って拒否、トランプも拒否、しかしトランプに頼まれたからだそうだ。)

 

翌年一月にコーエンはホワイトハウスにトランプを訪ねて貸金の回収方法を協議。コーエンは選挙運動中にかかった経費$50000と共に計$180000を請求。トランプは承諾。返し方はワイゼルバーグ氏式に、顧問料として払う、$180000x2し、コーエン氏に一年間のボーナス$60000を加算し、総額$420000となった。2倍にしたのは連邦税と州税をコーエン氏が払えば$180000が彼の手元に残ると当時経理担当重役だったワイゼルバーグ氏が見積もったからだ。彼は今監獄で服役中です。

 

顧問料は月毎の請求書と引き換えに11回払われた。最初のは2か月分だった。金はトランプのトラスト、次いで銀行の個人アカウントから払われた。しかしトランプオーガニゼーションの帳簿に弁護士顧問料という経費で記録された。2017にはコーエンはトランプオーガニゼーションを離れた。彼は顧問弁護士としての契約はしていなかった。

 

以上の事実と証拠より、トランプの意図は口封じ料を選挙法にひっかからないよう隠蔽した、というのが検察側の主張。

一方、他の共謀者ペッカーの保有するタブロイド週刊誌が口止め料を払ったので、ペッカーが会長をしていた親会社がモラー特別検察官から起訴罷免と交換に検察側の証人となった。

しかし、この会社は連邦選挙委員会からは選挙違反で$187000の罰金が課せられた。しかしトランプについては委員会内での投票が民主・共和の線で割れ、2021年に事件審議そのものが消えた。この理由は明白でない。

 

多くの法曹関係者はブラッグ検事の起訴は充分な証拠で固められトランプが有罪となることは免れないという意見だ。しかし、この先どこまで行きつくのかは裁判次第と述べていた。トランプ側のもっと怖れることはトランプ自身が証言台に立つことだそうだ。トランプの司法長官だったバーはトランプは裁判で証言してはいけない、という忠告をフォックスで出した。

 

そうなのだ、トランプの最大の敵は、トランプなのです。

 

注:トランプの隠し子存在の信憑性については不明だそうです。