chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

『太陽の末裔』、韓ドラ大ヒット!

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ある嫌韓トロルさんから以下のようなヘイトコメントを貰った。

 今まで日本(朝鮮?)との約束を散々裏切っている韓国(日本?)。
嘘つきペテン師の文化の民族。
以上は間違いないですよね。笑)

おかしいのは、韓国を(日本)と書き換えると、まるで反日韓国系コメントと同じ。ただし、韓国側からのコメントは日本の韓国植民地化(併合?)についてであった。
 
この嫌韓トロルさんの頭の中で、怒り・憎しみの対象が中・韓となって、結晶化してしまっている。私達の中枢神経には、ネガティヴからポジティブに思考回路を転換する機能があるはずなのだが、これが効かなくなってしまうケースがある。原因は、過剰ストレス、年齢、病気、等々。もうこうなると、そういった人達は、ネガティヴ思考内で堂々巡りだから、お手上げだ。
こういう人たちは、現実から目をそむけ、他人に自分の考えを押し付けるから要注意。他人の迷惑などは眼中にない。
 
日本人は韓国人&文化大好き、または、並々ならぬ興味を抱いている。世界の中でただ一つ、日本人と何もかも似ているが、やはり違った、という不思議さ。韓国人も同様のようだ。現総理大臣夫人が韓ドラファンであることは誰でも知っている。夫が嫌韓で、妻が好韓、若い人はK-POPに韓ドラ、これが日本の現実なのだ。
 
ついこの4月の終結した韓ドラ、‟Descentants of the Sun”=『太陽の末裔』だが、最初のエピソードから、英語圏のアジアンドラマファンの間で爆発的ヒットを飛ばした。中・韓の人気ドラマは一回ごとに放送終了直後英字幕でネットに登場することになっているのだが、この太陽の末裔も同様だった。ただし、あまりにも需要が高かったので、プレミアム会員費を要求する大手ドラマサイトも現れた、しかしどんどんと新しいドラマサイトができたりして、この企ては失敗に終わったようだ。
 
韓ドラについては、大ヒットした『奇皇后』のように見始めるとやめられなくなるという中毒性がある、と報告が。これは、アジアンドラマのレヴューサイトでもよくカキコされていた。
今回は、中国政府が、このドラマの中毒性について中国視聴者に警告を発していた
 
このドラマ、太陽の末裔は、ロマンス・冒険・医療がミックスされているのがセールスポイント。ドラマのテンポが速くて退屈しないのがよい。
ストーリーは、内戦が続く中央アジアの某国に派遣された陸軍特殊部隊のキャプテンとそこで医療奉仕する女性医師のロマンスを中心として展開していくのだが、
ドラマの韓国陸軍の特殊部隊というのは、米陸軍のarmy rangersのコピーキャット。しかし、軍人気質が出ていて面白いのだが、当の韓国の男性には不人気だそうだ。彼らは、あの強制的ミリタリーサービスを思い出すのも不快だとか。
上のピクチュアは、派遣された某国で大地震が発生、韓国政府支援のプラントが崩壊し、キャプテンは犠牲者救出に女医は医療手当に従事するというシーンからだが、女医が持っている救急バッグパックに注目。実はあの中には何があるのか興味があるのだが、拙者は、このエピソードまでまだ見ていない。仕事が忙しくて残念。来月から日本のTVで日本語字幕でオン・エア。
 
ネットでは英字幕の日本ドラマが出回っている。使われている英語は、中学終了程度で十分理解できる。英語の勉強もかねて、暇つぶしにみたらどうだろう。

永遠のプリンス

                                  

 
MTVについに王子様が現れた。その名も‟プリンス”。
シンガー、ソングライター、ミュージシャン、プロデューサー、と一人何役もこなすマルチ・タレントぶり。プリンスの名にふさわしく、ホワイト・ブラックという人種の壁を越えた全米のアイドルになったのも彼が史上最初なのではないだろうか。
彼の代表作は何といっても、この‟ When the Doves Cry”。 このMVは1985年のMTV賞を貰っている。この曲が挿入されている映画 
‟Purple Rain”も大ヒット。しかし、ストーリーがどうも、というのが当時わざわざ金を払って見た拙者の感想。
でも王子様だから、彼の奇行の数々のすべては許される。それだけのオーラのあるアーティスト、それがプリンス。
以下は拙者の意訳。曲もサウンドも歌詞もさすがにプリンス
 
 
Dig if you will the picture
Of you and I engaged in a kiss
The sweat of your body covers me
Can you my darling
Can you picture this?
 
心の中で思い描いてくれ
僕と君のキッス・シーンを
君の汗が僕の身体を覆うんだ
 
マイ・ダーリン、できるだろう
思い描けるだろう
 
 
Dream if you can a courtyard
An ocean of violets in bloom
Animals strike curious poses
They feel the heat
The heat between me and you
 
中庭を夢見てごらん
一面がスミレの花に埋もれている
いぶかし気な眼の動物達に見つめられるんだ
ヒート(熱)のせいだ
僕と君とが生み出すヒート(熱)
 
How can you just leave me standing?
Alone in a world that's so cold? (So cold)
Maybe I'm just 2 demanding
Maybe I'm just like my father 2 bold
Maybe you're just like my mother
She's never satisfied (She's never satisfied)
 
どうして君は僕を簡単に置き去りにできるんだ?
こんな冷たい世界にたった一人残して
たぶん僕はあまりに手がかかりすぎるから
たぶん僕は僕の父のように強気だからか
たぶん君は僕の母のように
決して満足できないたちだから
 
Why do we scream at each other
This is what it sounds like
When doves cry
 
どうして僕たちは言い合いになってしまうんだ
僕たちの言いあう声は
まるで鳩が啼き叫ぶよう

 

 
Touch if you will my stomach
Feel how it trembles inside
You've got the butterflies all tied up
Don't make me chase you
Even doves have pride
 
 
 
僕の胃のあたりを触ってみてくれ
中で震えているのを感じるだろう
これも全部君のせいだ
君を追いかけさせないでくれ
鳩にだってプライドというものがある。
 
How can you just leave me standing?
Alone in a world so cold? (World so cold)
Maybe I'm just 2 demanding
Maybe I'm just like my father 2 bold
Maybe you're just like my mother
She's never satisfied (She's never satisfied)
Why do we scream at each other
This is what it sounds like
 
 
 
 
 

 
 

エコノミークラスシンドロームは貧乏人をバカにするネーミング

 エコノミークラスシンドロームとは、貧乏人を全くバカにしたネーミングではないだろうか?

この名を初めて耳にしたときは、正直言ってかなりムカついた
拙者の住んでいる米国とは違い、日本は格差社会。つまり、『上からの目線』がものを言う国。要するに、‟上”に自分のアイデンティティーを合わせる人が多いということか。これが米国ならば、立場は逆になる。
 
しかしイシューは国民心理(=national pshychology)はなく、事実に関してなのである。
エコノミークラスシンドロームは、米国医療が早くから予防に取り組んでいるのだ。
病名は、深部静脈血栓症=DVT( Deep Vein Thrombosis)
これがもっとも頻繁に起こるのは、飛行機のエコノミークラスからではない、手術後である。特に、骨折修理や、下腹部の手術後の発生率は非常に高いのだ。
だから、手術直後米国の病院では、カーフポンプ(ふくらはぎにつけて足を交互に圧縮)とヘパリンという血液の血小板の働きを妨害する薬を注射するのだが、この注射は、一日3回で、かなり痛い上に、青あざができるなどするので、非常に評判がワルイ。それでも、手術後数時間後には、もう立って歩いてもらう、ということになっている。歩くことが最大の予防だからだ。
 
このDVTは、足の静脈に発生する場合が多い、静脈を離れると、大静脈、心臓、肺動脈、そして肺に到着するのだが、大き過ぎて肺の毛細血管に入ることができないので、毛細血管は血栓に塞がれ機能停止、一時的壊死だ。重症だと、呼吸困難、心的鼓動が異常に高まり心停止となる場合が多い。こうなるともちろんメディカル・イマージエンシー。
 
DVT発生の理由は、体を動かさないから、ということになってしまっているが、それだけではない。
DVTが発生しやすい人がいるのだ。50才以上、体に脂肪部分が多い、避妊薬を飲んでいる、タバコ・酒・ヘロイン・覚せい剤の常用または過去の常用、とかリストは延々と続く。
 
手術後に頻繁に発生するDVTにつては、手術そのもの、つまり、麻酔薬で血液循環の変化、長時間にわたる手術台で特定の体位が必要な場合、等々、に起因するのではないか、とも考えられ、はっきりした原因そのものは明確ではない。
 
統計的には、エコノミークラスから発生する率は気にしなくてもよい、と言われている。しかし、エコノミークラスから、またそうでないにしろ、DVTは手術以外でも発生している。もし、私達がハイリスクのカテゴリーに入っていれば、可能性に注意することが必要だ。特に日本は美食天国、つまり、ビールや酒のつまみにハイコレステロールを含んだ食品が好まれるような国だから、本人のきずかないうちに、DVTリスクが高くなっている、ということも考えられる。

 

 

 

足を心臓より高めにするだけで、静脈の流れはよくなる。
フライト前の数日前からアスピリン錠を取るという手もあるが、胃腸の弱い人には進められない。

 

インターネット・トロル

以下は、虚構の竹島#4にカキコのネトウヨ・コメント                       

顔アイコン

なーんだ朝鮮の工作員のブログか。笑)
お前のは日本たたきばかりだけれど
工作員の朝鮮人は日本をどうしたいの?笑)

 

trollInternet

 

Internet trolls have been around since day 1 of the net. In essence I am a sportsbook internet troll. Whenever they post something that is easy to mock, I mock away. That’s probably beginner level trolling. But once an individual puts themselves out there, they open themselves up to a whole new level of trolling that would never be seen or condoned in normal society.

 
最近、またネトウヨからヘイト・コメントがカキコ。日本語では『荒らし』というのだそうだが、英語では、インターネット・トロル(=Internet Troll).
トロルというのは、北欧の民話でお馴染みのグリーンの小人。
この小人は悪意に満ちていて、騙したり、傷つけたりする目的で住民をあちこちで待ち伏せしている。
特に慰安婦関係記事について、名の知れた新聞やマガジンには、英語でこの手の悪質コメントがカキコ。ほとんどが韓国人に対する屈辱用語に満ちていて、読んでいるとこちらが恥ずかしくなる。もちろん英語人ネトウヨによるカキコだろうが、しかし、日韓関係悪化を挑発する為に、一体どちらが書いているのか分からない、という疑問もある。
韓国系からの、英語による日本人をあからさまに屈辱するようなコメントは見たことがない。
 
 
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虚構の竹島ー5- 日韓基本協定第2条

 

契約は書かれた条項の厳密な意味にそう。署名者が契約内容を単に誤解して署名してしまった場合でも、署名してしまえば契約条項に従う義務を負う。内容を知らないで署名しても同様である。

 

日韓基本協定、1965年、は日本語、韓国語、英語で書かれている。そのうち、英語文が先行する。

 

Article II

It is confirmed that all treaties or agreements concluded between the Empire of Japan and the Empire of Korea on or before August 22,1910, are already null and void.

第二条

1910年8月以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての条約及び協定はもはや無効であることが確認される。

 

英文では、明治政府と大韓帝国との間で1910年8月22日に締結された日韓併合条約及びそれ以前の条約・協定・合意のすべては、すでに解消され無効になっていることに日韓政府は合意、という意味である。

だから、英語文と日本語文との間には意味に違いがある。

Null and void は法律用語。条約・合意そのものの解消と無効を意味している。

  分かりやすい例としてカトリック教の離婚がある。カトリックでは離婚を認めないので、annulment =(結婚)解消が使われている。

また、1945年の敗戦で日本が独立を失った為に、日本が1895年の下関条約で得た台湾、1905年のポーツマス条約で得た北方領土は、 条約がnull and voidにされてしまい、連合国側に取り上げられ、中国、ソ連のそれぞれの国に返還された。だから日本領土は明治維新の時とほぼ同じサイズに委縮してしまった。

 

第2条の交渉過程では、韓国政府は、日韓併合条約及びそれに至る過程に明治政府が強要した日韓合意もすべて 法的無効として解消することを主張。つまり、日韓領土は明治維新時に逆戻り、ということである。その意図は明瞭。日韓併合の過程は韓国にとって、非常に屈辱的で感情的に耐えがたいものであるという、戦後から今日まで引き継がれている国民感情にある。しかし、どうした訳か大多数の日本国民にはそれが理解できない、というのが国際的見解なのである。

 

それに対して日本政府は、1910年の日韓併合条約及び、それ以前の日韓合意は日韓基本協定成立と同時に法的無効とすることを主張。つまり、日韓併合も、それ以前の侵略過程もすべて歴史的事実である、と肯定。その時点で日韓政府は激しく対立したと伝えられている。

その妥協策として韓国側から提案されたのが、この第2条なのである。 日本側の主張した無効日時を入れない、韓国側の「最初から」も入れない、ただ、already=すでに、に置き換えたというわけだ。

 

ところがこの曖昧模糊で意味不明な第2条の説明として、1965年当時の日本政府は、1910年の日韓併合条約及びそれ以前の数々の合意は、韓国側は1948年の独立で、日本側は1951年のサンフランシスコ条約締結及び独立で無効になった、と日本国民にウソをついた。 しかし、条文に無効日時が明記されていない為に、英文の意味は、韓国側の主張とほぼ同一と見なされているのだ。

多くの日韓外交研究者は、この第2条を、法的解釈を避け、日韓のスタンスの違いを示すシンボリックなものと見なしている。

 

しかし、法的にどのような実効性があるのだろうか?

たとえば、1905年2月の竹島先占の法的正当性への影響だ。

それに先立つ1904年8月の第一次日韓協約で明治政府は大韓帝国の外交権を取り上げた。外交権は、明治政府の指名した外国人顧問の手に渡った為、間接的であれ、明治政府に握られたことになった。

しかし、翌年の1905年11月、第二次日韓協約により、明治政府の手に外交権が移ったのである。

大韓帝国に竹島先占の通告を正式に行ったのは、翌1906年であるから、その時点では竹島領有の唯一の関係国である大韓帝国には外国である日本に対して異議を申し立てる法的基盤がなかった。

しかし1965年の日韓基本協定第2条で、1948年に独立した韓国は、明治政府の竹島先占に対する異議を出す法的権利を初めて得たことになる。

虚構の竹島ー4- 国際法廷

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私達市民が訴訟を法廷に持ち込む為には、法的に適切な理由がなければならない。そのいい例は2014年のグレンデール慰安婦像訴訟である。最初の訴訟は米国連邦裁判所に提訴したのだが、おかど違いだというのであっさり門前払いをくらった。二回目の加州法廷ではスラップ訴訟だと宣告された。これは訴訟が原告の悪意に依拠したものというわけ。だから原告の米ネトウヨ団体は相手方グレンデール市の訴訟費用を弁償するハメに?

こういったテクニカルなイシューに関しての視点が全く欠けているのがネトウヨ側の特徴なのだ。国際法廷に提訴さえすれば勝つ、というネトウヨ側の信心はちとナイーブ過ぎるのではないだろうか。

日韓の竹島領有対立は これまで3回にわたり、日本政府により国際法廷に持ち込まれることが韓国政府に提案されている。

 

1 1954年、李承晩ラインについての日韓対立から、竹島はSF条約で日本に返還されたと主張、よって竹島を韓国領として取り込んだ李承晩ラインは違法、その撤廃を求めた。

李ラインは、米占領軍が設置したマッカーサーラインの継承である。1952年の日本独立までマッカーサーラインは存続し、日本人及び日本漁船はこの領海線を超えることが禁止されていた。占領中は竹島は日本国に属していない、つまり韓国領と見なされていた。1948年に韓国は独立し、竹島を自国の領土とした。日本側の主張するように、李ラインが国際法違反であるなら、マッカーサーラインも同様。ネトウヨが主張するように、李ラインは韓国側の発明ではない。

韓国側は日本側の提案を拒否。李承晩ラインは1965年の日韓基本協定調印と日韓国交成立により消滅、この問題は解決した。

 

#2 1962年、日韓基本協定の協議中、竹島問題の合意が得られない、つまり、交渉が進まないことにごうを煮やして日本側が提案、韓国側拒否。この問題は1965年の協定調印で、日韓の合意、日本側による外交的解決を放棄=棚上げ、その結果として韓国側による竹島行政支配を黙認することによって解決した。

 

#3 2012年、李明博韓国大統領が歴代大統領として初めて竹島を訪問、日本の野田首相は報復として、国際法廷に訴訟を提訴、韓国側に拒否される。

竹島が日本領なら、当然、韓国大統領といえども勝手に竹島を訪問できないはず(不法入国!)っていう理屈なんだろうけど、なにを今さら、ということでこれは国際的な物笑いの種となってしまった。

 

日本政府が韓国による竹島行政支配を認めた1965年以降、日本政府が国際法廷に提訴する法的根拠は存在するのだろうか?という疑問が湧いてくる。 

ネットで、日本政府はこれまで毎年韓国大使館に竹島占拠に対する抗議書をファックスで送りつけている、というストーリーを読んだことがある。、これは日本政府が竹島占拠を黙認しているわけではない、という法的アリバイ作りだそうだが、こんなのはサル知恵、法を全くバカにした傲慢な態度としか形容しようがない。

 

 

虚構の竹島 その3

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前回の「虚構の竹島」でネトウヨ学者達の英語論文サイトが見つからないと書いたのだが、つい最近、
Review of Island Studies というサイトで、英訳されたいくつかの日本側プロの論文を発見した。このサイトは笹川財団のバックアップによっている。わたしにとっては内容が法的思考に徹底していれば、つまり公平でさえあれば、どこからの紐つきでも結構であることを断っておきたい。
 
その中で、Masahiro Miyoshi という方による論文をざっと読んだのだが、問題がある。それは、この方の一方的なスタンスである。彼には国際法教授の肩書がついているのだから、もっと広い視点から論じて欲しかった。
 
私は一市民の立場から竹島問題を見てみたらどうなるかと思ってこの記事を書いている。米国では、刑事・民事共に法裁判の判決は裁判員である市民のみによって決定される。しかも判決は一回きり。日本のように再審でまたやり直すという事は憲法で禁じられている。
なぜ、市民が市民を裁くのか、その理由は、米国ではプロの裁判官による判決よりも市民が市民を裁く方が公平な結果が得られるという信念にもとずいているからだ。
 
たとえば、竹島問題が、個人の単なる土地所有をめぐる争いとすれば、一方が裁判所に訴えることができる。そして裁判所の判決には双方が従わなければならない。
 
では、この訴訟の法的根拠は何か?それは、この土地が歴史的にどちらに属しているということではない。理由は、問題の土地所有に関しての両者の合意書が存在するからである、つまり1965年の日韓基本協定だ。
 
しかし、これには問題がある。それは双方の合意の内容が食い違っていることである。
 
韓国政府は、竹島は韓国領土で日韓に問題はない。
日本政府は、竹島問題はこの協定で棚上げにした。
 
韓国政府は、協定に竹島問題を含めず、協定に関連する問題解決方法を規定した交換公文の中に、日本政府が要求した竹島問題記述について、日本政府は韓国側の要求した竹島を入れないことに同意した、と主張。
一方の日本政府は、問題は棚上げ、だから交換公文ではこの問題の解決方法を記した、と主張している。
 
棚上げ、とは、解決延期、と解釈されているが、法的には一体どう解釈すべきなのだろう?などと私は思ってしまうのだ。法的な解決をはかるには、最初から延期期間の決定が不可欠である。法的に無条件な棚上げというならば、ここでいう棚上げとは、無期延長だと解釈する他はない。要するに日本政府は、法的解決を放棄してしまったのだ。
 
それなら、この協定が有効である限りは竹島問題解決延期ということになるし、日本側が竹島返還を口にするだけ無駄というものだ。
協定成立以降、竹島問題を全く無視して日韓漁業協定が結ばれているので、実質外交には支障は出ていない。これは、日本側の「棚上げ」の意図、竹島問題を日韓外交の障害にしたくない、ということに合致している。
 
冒頭の部分で紹介したProf.Miyoshiの論文中に、韓国側が竹島問題は存在しない、という理由でICJを拒否するのは理由にならない、という指摘があったが、竹島問題解決無期延期に合意した日本政府が、合意に反して韓国にICJ訴訟を強要するというのも得手勝手な話だ。日本政府のこのような得手勝手さ、法を無視した行動は今に始まったことではない、サンフランシスコ条約の不思議な解釈にもつながっているのだ。